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2022.12.27

「効く」ストレッチ、有酸素運動、筋トレの基本テク|正しい回数・強度で忘新年会&正月太りを防ぐ


「効く」ストレッチ、有酸素運動、筋トレのやり方についてご紹介します(写真:Kazpon/PIXTA)

「効く」ストレッチ、有酸素運動、筋トレのやり方についてご紹介します(写真:Kazpon/PIXTA)

テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体をつくるメソッドを伝授する本シリーズ。今回は、“3大トレ”を効率よく安全に行うためのポイントについて考えます。

前回(運動で「健康になる人・ならない人」の徹底的違い)では、健康のためには柔軟性を高めるストレッチ、心肺機能を高める有酸素運動、筋力と筋量を上げる筋トレをバランスよく行うことが大事だとお話ししました。

運動で「健康になる人・ならない人」の徹底的違い ※外部サイトに遷移します

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では、これら3大トレーニングのなかで、最も頻繁に行ったほうがいいものはどれでしょうか?

A ストレッチ

B 筋トレ

C 有酸素運動

頻繁に実施したほうがいいのは?

答えは、「Aのストレッチ」です。

ストレッチは実施したその場で柔軟性がアップする即効性のある運動ですが、その反面、効果も失われやすいという特徴があります。ですから、ストレッチはできるだけ頻繁に実施したほうがいいのです。

各トレーニングとも頻度に限らず、種目や負荷の大きさ、回数、時間などの設定を適正に行わないと、せっかくの努力も効果に結び付きにくく、逆にケガをしたり、体調を崩したりする原因になってしまいます。

そこで今回は、“最小努力で3大トレーニングの効果を最大に引き出す”各運動の選び方についてお伝えします。

「効くストレッチ」のポイント

ストレッチは、ラジオ体操のように筋肉の伸縮を繰り返す「動的ストレッチ」と、ヨガのように筋肉を伸ばしたまま静止する「静的ストレッチ」の2種類に分けられます。まずこの2つを組み合わせるようにすると、最も効率よく柔軟性をアップすることができます。

筋肉は冷えると体温を上げようとして緊張してしまうので、動的ストレッチで筋肉の血流を促して筋肉を温めた後に静的ストレッチを行います。

(1)種目(部位)の選び方

ストレッチというと開脚をイメージしがちですが、脚を横に開ける幅と、姿勢や健康との相関関係は大きくありません。

硬くなることで姿勢を悪くし、体に負担をかけるのは、お尻、太ももの裏側、お腹、胸の筋肉です。これらの筋肉が硬くなると骨盤がうしろに倒れて背中全体が丸くなり、見栄えが悪くなるだけでなく、腰痛や肩こり、内臓の圧迫による便秘など、健康上、さまざまな悪影響を及ぼすことになります。

(2)強度

筋肉を伸ばす際には痛みを感じず、筋肉の張り(伸び)を十分に感じる範囲で行います。よく「イタ気持ちいいところまで伸ばす」といわれますが、痛みの信号によって反射的に筋肉は縮もうとしてしまうため、痛みを感じるようでは強く伸ばしすぎなのです。

とくに動的ストレッチは勢いよくやってしまうと筋肉を無理に伸ばしてしまうので、2秒で伸ばし、2秒で戻すようにしましょう。

(3)時間、回数

動的ストレッチを10回反復(4秒×10回=40秒)したあと、静的ストレッチを10秒行います。「動的ストレッチ→静的ストレッチ→動的ストレッチ→静的ストレッチ……」と、3セット繰り返すとより効果的です。

左右の柔軟性に偏りがある場合は、硬い側を1セット余分に行います。

(4)頻度

冒頭でお話ししたように、ストレッチは高頻度で行いたい運動です。毎日どころか、1日何セット行ってもかまいません。ストレッチは疲労を起こすどころか、心身の疲労を和らげる効果があるので、上限がないのです。とくに仕事で同じ座り姿勢を取り続けなければならない場合、できれば1時間に1回、お尻と太ももの裏側、お腹のストレッチを行いましょう(本稿の最後に、立ったまま行えるストレッチをご紹介します)。

「効く有酸素運動」のポイント

有酸素運動とは全身をリズミカルに動かす運動で、少なくとも5分以上持続可能な運動を指します。

(1)種目(部位)の選び方

ランニングや水泳のほか、ジムであればさまざまな有酸素運動マシンがありますが、最初に取り組んだほうがいいのは自転車です。自転車は床から受ける衝撃が少ないため、膝や股関節にかかる負担が少ないのが第1の理由です。第2の理由は姿勢を修正しやすいことです。

正しい姿勢づくりは「足」から修正することが肝心です。左右のつま先と膝を正面に向けて下半身を動かす習慣をつけることで、ウォーキングやランニングをした際にも正しいフォームがつくりやすくなります。

有酸素運動で得られる効果の1つは、足裏から伝わる刺激によって骨量が増えることですから、自転車に慣れたら速歩き(スピードウォーキング)やランニングに移行しましょう。こういった上下動のある運動は大腸を刺激するため、便秘を改善し、腸内環境を整える効果も期待できます。

(2)強度

苦しいと感じるほどの強度では長時間続けることができませんし、心理的にも負担となって継続しにくくなります。「楽、もしくはややつらい」と感じる程度の強度で行いましょう。汗がダラダラと流れたり、呼吸が苦しくなったりするようでは強度が強すぎます。

客観的な目安は心拍数です。以下の計算式を利用して、40~60%の強度での心拍数を算出してみてください。運動不足が続いている場合は40%でもつらいと感じる場合もあるので、自分の主観を優先して、無理せず少しずつ体を慣らしましょう。

目標心拍数は「(220-年齢-安静時心拍数)×0.4(40%)~0.6(60%)+安静時心拍数」です。30歳で安静時心拍数が70の人が60%の運動強度で行う場合の目標心拍数は、(220-30-70)×0.6+70で142拍/分、40歳で安静時心拍数が80の人が40%の運動強度で行う場合は、(220-40-80)×0.4+80で120拍/分です。

(3)時間

普段生活で最も長く歩いている時間が、最初に取り組むべき時間です。家から駅まで5分しか歩いていないなら、5分から始めてください。慣れるにしたがって時間を延ばしていきますが、心の負担となったりケガの原因になったりしないよう、最大でも1時間を限度としてください。

(4)頻度

週に2回行うことで、少しずつ呼吸循環器系の機能を高めることができます。疲労の蓄積を防ぐために、運動強度が40~50%なら週5回まで、50~60%程度なら週4回までにしましょう。普段の歩行の強度は40%未満ですので、この限りではありません。

「効く筋力トレ」のポイント

(1)種目(部位)の選び方

鍛える優先度の高い筋肉は、サイズが大きな筋肉です。生活をするうえで重要な筋肉ほどサイズが大きく、しかも運動不足によって顕著に衰えやすいからです。最もサイズが大きいのは、お尻、太ももの前側、太ももの裏側、ふくらはぎ、つまり下半身です。これらを一度に鍛えることができるのがスクワットです。

次に優先順位が高いのは、腰とお腹、つまり体幹です。これらは背筋運動と腹筋運動で鍛えることができます。

これらの種目が楽にこなせるようになったら、背中や胸、肩の筋トレを加えます。腕の筋肉はこれらの種目で補助的に使われるので、とくに強化したい場合を除いて不要です。

(2)方法

自宅でトレーニングをする場合は、自分の体重を利用するか、ダンベルを使用することになります。ジムに通えるなら、マシンを使うほうが筋肉を効率よく鍛えられます。

マシンよりもダンベルやバーベルを使ったほうが上級で、筋肉がより鍛えられるようなイメージがあるかもしれませんが、それは誤解です。マシンを利用すると、鍛えたい筋肉だけに負荷をかけるのが容易です。逆にいえば、フォームの誤りが起きにくいのです。当然、ケガのリスクも圧倒的に少なくなります。

自宅トレでも、回数や重さにこだわらず、鍛えたい筋肉に適切な負荷がかかるよう、フォームに細心の注意を払ってください。

(3)強度、回数、セット数、休息時間

回数のメドは6~12回。あと2回できる余力をもって反復できるぐらいの負荷が、筋肥大に適しています。それより重い負荷では脳神経系と筋肉のつながりが改善されて筋はアップしますが、肥大の効率は下がります。それより軽い負荷では筋持久力がアップするものの、同様に筋肥大の効率は悪くなります。

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筋肉は髪の毛ほどの細さの筋線維の集まりですが、一度の収縮時にすべての筋線維が使われるわけではありません。筋線維をまんべんなく鍛えるためには3セット行う必要があります。セットとセットの間は筋肉を回復させるために、30秒~90秒の休息をとります。

(4)頻度

筋肉は負荷をかけたあとに、十分な休息と栄養を与えることで発達します。1~2日の休息日を設け、週に2~3回行うのが適切な頻度です。

立ってできるストレッチ2種

■お尻と太ももの裏側のストレッチ

●伸ばす部位:お尻(大殿筋)、太ももの裏側(ハムストリングス)
(1)足を前後に1歩分開いて、つま先を正面に向けて立つ。背すじを伸ばして両手を体側におく
(2)背すじを伸ばしたまま、お尻をうしろに突き出しながら膝を曲げて前傾し、両手を前側の太ももにおく。お尻とももの裏側に適度な張りを感じる位置で、楽に呼吸をしながら10秒静止する。これを左右交互に10秒×1~3セット行う
※上体をひねらずに、前を向いたまま前傾する。背中が丸まって骨盤がうしろに傾くと、お尻とももの裏側は伸びないので注意

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■お腹と胸のストレッチ

●伸ばす部位:お腹(腹直筋)、胸(大胸筋)
(1)足をハの字状に開いて立ち、両手をお尻のうしろで組む。両膝と背すじを伸ばす
(2)お尻を後方に突き出すように骨盤を前傾させ、胸を張って高く引き上げ、お腹と胸に適度な張りを感じる位置で、楽に呼吸をしながら10秒静止する。これを10秒×1~3セット行う
※顔と目線は斜め上に向ける。腕を高く上げようとすると背中が丸まるので、腕を伸ばすことだけを意識すること

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イラスト:竹口睦郁

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提供元:「効く」ストレッチ、有酸素運動、筋トレの基本テク|東洋経済オンライン

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