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2022.11.16

運動で「健康になる人・ならない人」の徹底的違い|有酸素運動、筋トレ、ストレッチの効果を解説


今回は有酸素運動、ストレッチ、筋トレのさまざまな効果を見ていきます(写真:kikuo/PIXTA)

今回は有酸素運動、ストレッチ、筋トレのさまざまな効果を見ていきます(写真:kikuo/PIXTA)

テレビや雑誌などのメディアで健康情報を発信するトレーナーの坂詰真二さんが、疲れない体、引き締まった体、自信がもてる体をつくるメソッドを伝授する本シリーズ。

ウィズコロナの過ごし方が注目され、少しずつ以前の日常を戻している今日この頃。「前より体が重い」「以前のように動けない」など、体力の衰えを実感している人も多いのではないでしょうか。

今回は運動で健康になる人、不健康になる人について考えます。

本来は健康になるために通うスポーツジム(以下、ジム)ですが、残念ながら適切な運動を正しい方法で行わなければ、かえって健康を損ねることになります。

とくに30代以上で健康上留意しなければいけないのは、血管の弾力性です。血管の弾力性が低下すると動脈硬化という状態になり、血管が詰まったり破れやすくなったりして、心筋梗塞や脳卒中など、生活習慣病のリスクが高まります。激しすぎる運動がこうした病気の発症のきっかけになる反面、適正な運動では予防にもつながります。

運動をすることで健康になる人・ならない人の差は、まさにこうした「運動リテラシーが高いかどうか」につきると思います。

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では、生活習慣病の予防に重要な血管の柔軟性を高めるために、最も有効なトレーニングは以下のうちどれでしょうか?

A ストレッチ

B 筋トレ

C 有酸素運動

たくさんの血液を送り出す作用が○

答えは「Cの有酸素運動」です。

Aのストレッチを選んだ方が多いかもしれませんが、ストレッチは筋肉や腱など運動器の柔軟性を維持・改善することはできても、血管の弾力性を高めることはできません。運動中に心臓がたくさんの血液を送り出し、血管を押し広げて戻すように刺激を与える有酸素運動が最適なのです。

とはいえ、ストレッチや筋トレもそれぞれ健康や美容に良い効果をもたらしてくれます。どれか1つをやればいいのではなく、すべてをバランスよく行うことが肝心です。

残念なことに、どこのジムでも、筋トレはがんばるけれどストレッチをしない、有酸素運動ばかりやって筋トレは避けている、ストレッチに30分かけて有酸素運動は5分だけ……というように、偏った運動をしている方が大半です。こうした方々に共通するのは、ジムに通ってがんばっているにもかかわらず、あまり効果が得られないという点。それどころか、あちこちケガをしたり、体調を崩したり、健康診断の結果がふるわなかったりと、かえって不健康になっている人もいます。

そこで今回から2回にわたって、健康によいバランスのとれた運動の選択法についてお伝えします。

有酸素運動の3つの効果

全身を長時間にわたって動かし続けるのが有酸素運動です。歩行や急歩、ランニング、自転車、水泳、ジムの有酸素運動マシン(ステップマシン、エリプティカルトレーナーなど)のリズミカルな運動を、苦しいと感じない強度で、少なくとも5分以上行います。

まずは、この有酸素運動の効果を「体力面、健康面、美容面」からお伝えします。

有酸素運動の体力面に及ぼす効果は、全身持久力(心肺持久力)の向上です。加齢とともに小走りをしたり階段を駆け上がったりすると、心臓がバクバクしてしばらく呼吸が整わなくなってきます。これは、全身持久力が衰えている証拠です。全身持久力が高まれば、歩行や家事など、同じ動きをしていても余力(予備力)があるので、息が上がらず、疲れにくくなります。

健康面の効果で最も大きいのは、運動中の血流量が増えることで血管の弾力性が高くなるということ。その結果、心筋梗塞や脳卒中など、恐ろしい疾患のリスクを下げられます。

また、ランニングでは着地時に足裏が受ける刺激によって、骨をつくる骨芽細胞の働きが高まるので、骨粗鬆症を予防しますし、体が上下に動くために大腸が刺激され、便通も良くなります。毛細血管が増えて血行が良くなるので、冷え予防にもなります。

美容面での最大の効果は、減脂肪効果です。

有酸素運動は単位時間あたりの消費エネルギー量が大きく、貯蔵エネルギーである体脂肪を燃焼させて減らす効果が高いのです。末梢の血行も良くなり、皮膚の隅々まで酸素と栄養が届くので、美肌効果も期待できます。腸内環境が整えば肌あれや吹き出物を防ぐことができるので、こちらも美肌につながります。

関節を動かす筋肉を伸ばすことで、筋肉と関節の柔軟性を高めるのがストレッチです。ラジオ体操のように、筋肉をリズミカルに伸び縮みさせる動的ストレッチと、ヨガのように筋肉を伸ばしたまま静止する静的ストレッチの2種類があります。

ストレッチの体力面の効果は、柔軟性が高まって関節の動く範囲(関節可動域)が大きくなることです。

可動域が狭まると、腕を上げにくくなったり、歩幅が狭くなったり、階段が上りにくくなったりします。固くなった関節は包帯やサポーターで固定されたような状態ですから、動かすためにより多くの筋力が必要になります。歳をとると疲れやすくなるのは、柔軟性の低下も大きく関わっているのです。反対に、柔軟性が高まれば必要最小限の力で体を動かせますから、疲労を感じにくくなります。

健康面の最大の効果は、ケガをしにくくなることでしょう。歳を重ねると若い頃はなんでもなかったような動きでもケガをしやすくなります。顔を洗おうと前かがみになっただけで腰を痛めたり、階段を1段踏み外しただけでアキレス腱が切れたり。

四十肩、五十肩も同様です。高いものを取ろうと腕を上げたり、うしろにあるものを取ろうと腕を伸ばしたりしたときなどに生じる炎症が、周囲に広がることで起こります。これは筋肉と腱の柔軟性が衰えているからです。しなやかな竹が折れにくいように、ストレッチで柔軟性を高めた筋肉や腱は傷つきにくく、こうした問題を防ぐことにつながるのです。

柔軟性は姿勢と直結します。これが美容面の効果です。

加齢や運動不足で柔軟性が低下しやすいのは、お尻の大殿筋とお腹の腹直筋で、これらの筋肉が硬くなると骨盤がうしろに傾き、背中が丸まってきます。骨盤が後傾すればお尻が垂れ下がって下腹が前に出ますし、背中が丸まれば胸が垂れ下がって見えます。これでは若々しく、魅力的には見えません。

筋力トレーニングの効果3つ

筋トレの体力面の効果は筋力が高まることです。加齢に伴って体が重く感じるようになるのは、体の動力装置である筋肉の出力=筋力が衰えるからです。

健康面の効果は基礎代謝量を高めること。筋肉は動力装置であるとともに熱発生装置でもあり、体温を生み出すためにたくさんのエネルギーを消費しています。基礎代謝(生きるために必要なエネルギー消費)のうち、少なくとも20%を筋肉が消費しています。このため、筋肉が衰えると基礎代謝量も減少し、食事量が増えていなくても体にエネルギーが余ります。

その結果、内臓脂肪や皮下脂肪、血中脂質が増加して動脈硬化が進み、生活習慣病のリスクが高まります。筋トレをすれば筋肉が増えて基礎代謝量が底上げされるので、太りにくい体質へと変わります。

美容面の効果も筋肉を肥大させることにあります。ムキムキな体をイメージされるかもしれませんが、そうではありません。20歳を過ぎると運動をしない限り、年に0.5%程度、50歳を過ぎると年に1.0%程度の割合で筋肉量は減少していきます。筋肉量が減れば基礎代謝が落ちて体脂肪が増加します。

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仮に10年で体重が変わっていなくても、筋肉量が減って、体脂肪が増えることで、確実に体脂肪率は上がります。体がたるんだ印象になるのはこのためで、逆に筋トレをして20歳頃の筋肉量を取り戻せば、体は引き締まっていきます。

今回は有酸素運動、ストレッチ、筋トレのなかから、とくに重要なお尻とお腹の柔軟性を高めるストレッチをご紹介します。

柔軟性を高めるストレッチ2種類

■お尻のストレッチ

●伸ばす部位:お尻(大殿筋)
(1)仰向けになって体を真っ直ぐに伸ばしたら、一方の手で膝下を、もう一方の手で脛をつかむ
(2)太ももを抱き寄せるようにして胸に近づけて、楽に呼吸をしながら静止する。逆側も同様に行う
※この動作を左右交互に10秒×1~3セット行います
両手を上下にずらして膝下と脛を持ちます。床に置いた脚の膝が曲がって骨盤が後ろに傾くと、お尻は伸びないので注意を

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■お腹のストレッチ

●伸ばす部位:お腹(腹直筋)
(1) うつ伏せになって足を軽く開き、体を真っ直ぐに伸ばす。脇を締めて両手を床におく
(2)目線を上げながら両肘を伸ばして上体を反らし、楽に呼吸をしながら静止する
※この動作を10秒1~3セット行います
両手は顔の横におき、指先を前に向けます。腹筋が硬くて肘が伸びない場合は、無理をせず、手の位置を前方にずらす

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イラスト:竹口睦郁

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提供元:運動で「健康になる人・ならない人」の徹底的違い|東洋経済オンライン

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