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2022.09.09

初対面でも「すぐ懐に入れる人」がしている3つの技|「飲みに行こう」はNG、理論的な距離の縮め方


部下や同僚などとの心の距離を縮める方法を伝授します(写真:EKAKI/PIXTA)

部下や同僚などとの心の距離を縮める方法を伝授します(写真:EKAKI/PIXTA)

仕事をするうえで「部下や同僚と距離を縮められずに悩んでいる」という人は少なくないのではないでしょうか。コーチングの専門家で、新著『部下のやる気はいらない 「一歩踏み出す」からはじめるコーチング』を上梓した岩崎徹也氏が、心の距離を方法を解説します。

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まずは相手のことを知ることから始める

「部下や同僚と心理的な距離を縮めたい! でも、どんなふうに仲良くなっていいかわからない」というお悩みを持っている人はいませんか。私は、ビジネスコーチングで社員の成長をお手伝いする会社を経営しており、いろんな経営者や社員と話をする機会があります。

そんな中でよく聞くのが、この「どうすれば心理的な距離を縮められるのか」という問いです。

相手との心理的な距離を縮めるときにやってしまいがちなのは、「とりあえず飲みに行こう」というものです。これが昭和の時代の距離の詰め方だったわけですが、時は令和。「飲み会に残業代は出るのでしょうか」と新入社員がまじめに聞いてくることがある時代です。

そんな時代に必要なのは、適切な理論に基づく心理的な距離の縮め方です。適切な手順を踏んで、適切に仲良くなっていくことが求められます。友だちのように仲良くなるのと、仕事での心理的な距離の縮め方は違うのです。

まずは、相手を知ることから始めましょう。もちろん話をする相手とは「初めまして」ではない場合が多いですし、もう知っているという人も多いかもしれませんが、深いところはあまり知らないはずです。

現在の状態だけではなく、過去の経験も踏まえてその人を知ることができれば、より多角的に深掘りをしていくことができる。だからこそ、改めてお互いがお互いのことを知るところから始めるのが大事なのです。

しかし、ここで重大な問題があります。

それは、相手に自己開示してもらうのが大変だということです。

みなさんは、初対面の人と2人で会って話すとき、自分から自己紹介をしますか。それとも相手からしてもらいますか。試しに一度やってみてほしいのですが、圧倒的に自分から自己紹介をするほうが大変です。

「名前は〇〇です。……えっと、、、」と詰まってしまって、「何を語ればいいんだ? 出身?所属?」と困ってしまうことでしょう。逆に、相手から自己紹介をしてもらうと、とても簡単に自己紹介できます。

「〇〇です!出身はここで、大学はあそこで、今はこんなことをしています。趣味はこれです」

と言ってもらえたら、

「あ、自分は〇〇です。出身が近いですね!実は自分はここなんです。大学も距離的には近いですよね。友人に〇〇大の人いますよ」なんて感じで、相手に合わせて自己紹介ができ、かつ話も広げやすいのです。だから、自己紹介は最初にする人のほうが大変なわけです。

相手のことを知りたいなら、先に自分のことを話す

この話からわかってもらいたいのは、相手と信頼関係を築き相手のことを知りたいと思ったら、まずは自分の情報開示から始めなければならないということです。相手のことを知ろうとするなら、まずは自分の情報を知ってもらわないと話しづらいのです。逆にそうしないと、大変な自己紹介を相手に課してしまうことになるかもしれない訳ですね。

「え、でも自己紹介、どうやってやったらいいの?」と思ってしまう人も多いでしょう。先ほども言ったとおり、これはけっこう大変な作業です。でもこれも、きちんと「型=フォーマット」があり、3つのテクニックに集約できます。順番に見ていきましょう。

(1)返報性の法則を使う

世の中には、「返報性の法則」というものがあります。これは、「もらったものは返さなければならない」と感じてしまう法則のことです。

食品サンプルをタダでもらったときに、なんとなく罪悪感が湧いて「こちらも何かを返さなければならないのではないか?」と思う人もいるでしょう。同じように、人間は何かをもらったらお返ししたいと思うという精神性があるのです。これを利用すると、相手から欲しい情報を得ることがやりやすくなります。

学生時代のことや趣味などを話してみる

例えば、相手の趣味を知りたいと思ったときに、「趣味はなんですか」とストレートに聞いても「ええと…読書ですかね」と硬い回答になってしまうことがあります。

ですが、「自分は最近こういうアニメにハマっているんだよね。漫画とかアニメとかを見ますか」と聞いたら「あ、自分はこういう漫画が好きで……」とより具体的で踏み込んだ回答が返ってくることがあります。このように、自分が自己開示するときに、相手に聞きたいことを交ぜておくと、相手も自己開示してくれやすくなるのです。

だから、まずは仕事の内容以外の自己開示をすることです。学生時代のことや趣味とか、価値観などを含めて伝えることができると、相手も自己開示をしやすくなります。

ちょっと難しいかもしれませんが、人生でどんな失敗をしたのかとか、会社に入ってちょっとつらくなった経験なんかを語ると、「自分もこういうことがありました」と開示してくれることがあります。

「相手から聞きたい情報があるなら、まずは自分がそれを伝えてみる」というテクニック、非常におすすめです。

(2)相手が自分に対して期待できる状況を作る

次に心がけるべきことは、「自分の利用方法を相手に考えやすくする」ということです。人間は、相手に利用価値があると感じてくれれば、勝手に質問をしてくれるようになります。しかし逆に、「この人と話してもなんの意味もないな」と思われてしまったら、その時間は地獄と化してしまいます。

ただ、「自分はすごい」ということを語る必要はまったくありません。「すごい人アピール」をするとウザいと思われてしまったり、「この人は自分とは違う世界の人で、質問しても何も得られない」と思われてしまったりする場合があります。これはとてももったいないので、できることならば避けたほうがいいでしょう。

自分のやってきたことを丁寧に説明する

すごいアピールをしなくても、簡単に自分の利用価値を相手に伝えることはできます。自身のキャリアと行ってきた業務説明を、できるかぎり丁寧に行えばいいのです。

「20代のころに、BtoB向けのSaaS(インターネット経由で利用できるソフト)商品を100店舗規模の飲食チェーンに対して営業してきました。本部の経営企画室、営業部長だけでなく、現場の店長とも対峙しながら導入の推進を行いました」

こんなふうに語ると、例えば「あ、自分も飲食チェーン向けに営業しているけど苦戦しているから聞いてみようかな」と思ってもらえるかもしれません。このようにして、利用価値を明確にするために、自分のキャリアを明示していくのです。

(3)共感ポイントを作る

3つ目は、共感ポイントを作ることです。心理的ハードルを下げるためには、「相手も同じ人間なんだ」と思ってもらえることが重要なのです。

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やはり話が盛り上がるのは、「え、あのバンドの曲が好きなんですか」といった相手との共通点が見えたときですよね。今までしかめっ面をしていたような人でも、共通点が見つかった瞬間に顔つきが変わる、なんてことはよくある話です。

だからとにかく、共通点にできるようなこと、例えば出身地や出身校、学生時代の部活やサークル、バイト、趣味などの話をしてみてください。

また、基本的なプロフィールの説明で共感ポイントを作るのはもちろんのこと、挫折した経験などもシェアするといいでしょう。

失敗やうまくいかなかった話にも、大きな価値があります。浪人をした話や、営業時代に売れなかった時期があったという話など、自分と重ねられる部分があると、ぐっと心理的ハードルが下がります。

いかがでしょうか。部下やチームメンバー・仕事仲間と距離を縮めるためのテクニックを3つ紹介しました。自分のこともきちんと語り、相手の話もしっかり聞く。そういう姿勢を持って相手と接することで、きっと心理的な距離を縮めることができるはずです。

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提供元:初対面でも「すぐ懐に入れる人」がしている3つの技|東洋経済オンライン

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