2022.08.15
オンラインで「仕事と勉強」のやる気を出すコツ|「自分が集中しやすい物理的な環境」を整える
ここ数年で定着してきたテレワークやオンライン学習。やる気のスイッチを入れるにはどうしたらいいのでしょうか? (写真:shimi/PIXTA)
こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。
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ここ数年で、すっかり定着してきたテレワークやオンライン学習。通勤、通学しなくて済むメリットはあるものの、人によっては「自宅だとなかなかやる気のスイッチが入らない」と悩む人も少なくありません。そんなとき、やる気のスイッチを入れるにはどうしたらいいのでしょうか?
著書『1ステップで気分があがる↑気持ちのきりかえ事典』から一部抜粋、再構成してお伝えします。
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在宅では「気分のきりかえ」が難しい
自分の家で仕事をする人やオンライン学習が増え「自宅だとどうしてもやる気が出ない」という方のお話もたくさん伺います。やる気が出ない大きな原因は「気分のきりかえ」が生まれないことです。
会社や学校に出勤していたときは、必ず決まった時間に起きて、身支度をして、家を出ていました。その行程のすべてが、仕事や勉強モードになるうえでのある種の気分転換のプロセスになっていたわけです。
しかし、在宅で行う場合は、そのプロセスがありません。人目もなく、好きなときに横になることができるし、休憩も自由に取れます。オンラインミーティングなどがない日はなおさら。髪の毛をとかすこともなければ、下手をすればパジャマで1日過ごす……なんて人も多いのではないでしょうか。
日常に緩急を付けないと、だらだらしてしまって、やる気がなかなか生まれません。1日中、仕事や勉強と休みの境界線があいまいなまま過ごしてしまうと、身体は楽だけど、気分がきりかわらず、効率はすっかり落ちてしまい、なかなか終わりが見えないことも多くなります。「意識のきりかえ」は、やる気を出すにあたって最も重要なことの1つです。仕事着や制服に着替える。髪型を整える。誰に会うわけでもないけれども、身支度をして仕事に臨むだけで、やる気が生まれやすくなります。
いつもと座る位置を変える
洋服だけではなく、「場所」を分けるのも、やる気をアップさせるには有効です。欲を言えば、生活をする場所と仕事や勉強をする場所は、分けたほうがいいと思います。
しかし、家のスペースには限りがあるので、「ほかの部屋には家族がいるから無理」「ワンルームなので無理」という人もいるでしょう。そんな場合は、座るイスを変えてみるだけでも効果があります。また、同じダイニングテーブルを使うにしても、普段は右側に座っているなら、その反対側に座ってみるなど、いつもと座る位置を変えてみるのも手です。視界が変わると目に入る風景も異なるので、自然と気持ちがリフレッシュされます。
住んでいる家ではどうしてもはかどらないという人は、図書館やカフェ、コワーキングスペース、自習室など、家以外の選択肢を試してみるのもおすすめです。私の知人には、「テレワークがはかどらなくて困っていろいろ試してみた結果、家の車庫に停めた車の中で仕事をするとはかどるので、以来ずっとそうしている」という人もいました。やる気を出すための「きりかえ」は、人によって千差万別です。ぜひ自分に合う場所、服装、環境など、あなたが集中できる条件を探してみてください。
どうしてもやらなければならない大切な仕事の〆切があるとき。まず、やっておきたいのが「自分が集中しやすい物理的な環境」を整えることです。現代人が集中力を削られる大きな要因となるのが、メールや電話の存在です。せっかく仕事に向き合っているのに、メールや電話などが入るたびに、集中力が途切れてしまい、またゼロから取り組みなおす……という事態になりかねません。作業の邪魔をされないように、スマホをサイレントモードにするなり、パソコンのメールは見ないなどして、外からのアクセスをシャットアウトしましょう。
スマホや電話、パソコンのみならず、自分の集中力がそがれる対象は徹底的に排除を。たとえば、周囲が騒がしいときは、耳栓をして部屋にこもる。そのほか、事前に「今日はやらなければならない作業があるから」と伝えて、周囲の人にできるだけ話しかけられない環境を作るなどして、外的な情報をシャットアウトすることで集中力は高められます。
ごく単純なことに感じられるかもしれませんが、自分が集中できる環境を作れるかどうかで、結果は大きく変わります。また、集中力を高めるためには、自分がリラックスできる状況をきちんと把握しておきましょう。具体的には、「今日は集中力が高まった」「作業の効率があがった」と思った日はどんな環境で、どんな条件だったのかを、自分で記録し、ストックしておくといいです。
集中できる環境というのは、人によって違います。たとえば、オフィスで仕事をするほうがいい人もいれば、適度に雑音がある喫茶店などで作業をするほうが仕事の効率があがる人もいます。「この場所だと集中力があがるな」「この音楽だとはかどるな」「この飲み物があると落ち着くな」と思うアイテムや条件が整ったときは、ぜひ記録を。そして、自分なりの「集中力があがる場所」「集中力があがるBGM リスト」「集中力があがる食べ物リスト」などを作っておきましょう。
勉強する量を細分化する
同じく集中力を要するのが、試験などの勉強です。ここで効果的なのが、「勉強する量を細分化する」こと。なぜ目標を細分化する必要があるのかというと、あまりにも大きな目標を目の前にすると、人はやる気がなくなってしまうからです。
たとえば、「10枚のプリントを一気にやりなさい」と言われると、越えなければならないハードルが高くて、途端に億劫に感じます。しかし、「10枚のプリントを、10回に分けて1枚ずつやってください」と言われたら、ぐっとハードルが下がって「それならできるかも」と思うのではないでしょうか。
大きな目標であっても、細分化して1回に越えるハードルを小さくして、リズムを作っていけば、集中を切らさずに達成できることも多いのです。資格試験ならば、「参考書を1冊やりきる」という大きい目標を立てるのではなくて、「参考書を毎日30分間開いて、できる範囲をやる」など小さな目標に落とし込んでいきましょう。
そして、目標を細分化したら、次にやってほしいのがご褒美を設定することです。多くの人は「勉強=必要なのはわかるけれども、できればやりたくないもの」と考えがちです。だから、「今日は勉強しなければ」と思うことすらストレスになってしまうこともあります。
そのイメージを変えるためにも、「30分間、仕事をしたら、好きな曲を1曲聴いてリラックスする」「参考書を3ページやったら、好きな動画を15分見る」「机に2時間向かった後は、好きなお菓子を食べる」など「目標」と「ご褒美」をワンセットにしておくと、「勉強=イヤなもの」という印象がやわらいでいき、取っかかりやすくなります。ご褒美はできるだけ自分のテンションがあがるものを用意しておくことが大切です。
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勉強法に正解はありません。まったくはかどらなくても、「自分はダメなんだ」と思わないでください。それは、自分にとって相性がいい方法が見つかっていないだけ。きっとハマるものは見つかるので、積極的に探していきましょう。
ただやる気がわき出てくるのを待っているより、小さな行動を起こしてみることをお勧めします。
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提供元:オンラインで「仕事と勉強」のやる気を出すコツ|東洋経済オンライン