2022.08.01
アンケート企画:あなたの悩みに専門家が答えます(20)塩分排出を促す方法とは?
私たちは、インターネットなどの多種多様なメディアからさまざまな健康情報を入手することができます
が、それって確かな情報でしょうか?専門家に聞いてみたいお悩み、ありませんか?
本企画では、リンククロスシル編集部が、アンケートで募集した健康に関するお悩みについて、専門家に聞いてみました。
第20回目は、50歳代男性より塩分排出を促す方法について、管理栄養士・南田さとみさんに回答していただきました。
Q. 塩分排出を促す方法とは?
回答
食塩(塩分)のとりすぎは、高血圧をはじめとした生活習慣病の原因となるため、できる限り避けたいものです。厚生労働省が定めた『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、食塩摂取量の一日あたりの目標量は18歳以上男性7.5g未満、女性が6.5g未満ですが、実際の食塩摂取量の平均値は男性10.9g、女性9.3g(令和元年国民健康・栄養調査の結果より)であり、食塩をとり過ぎている人が多いという実態がうかがえます。
質問者様は味噌汁の塩分を気にされていますが、その他にも注意してほしいところがあるのでみていきましょう。減塩のためになるべく避けたいNG習慣と、食事のポイント・排出を促す方法を次に回答します[1,2]。
あなたは大丈夫?塩分過多のNG習慣
毎日の食生活でついやってしまいがちな、塩分過多のNG習慣を以下に紹介します。
当てはまるものに関しては、改善を心がけることをおすすめします。
味付けを確認する前に、しょうゆやソースなどをかける
料理に調味料をかける前に、味見をする習慣をつけましょう。味見をすると、意外と味がしっかりしていて、調味料をかける必要がなかったり、少しの調味料で済んだりします。
麺類のスープを飲み干す
麺類などのスープを全部飲み干すとラーメン1杯あたり6g近い食塩をとってしまいます。スープは残すようにしましょう。
主食を抜いておかずをたくさん食べる
糖質制限がブームのなか、ごはんなどの主食を抜く習慣はありませんか?主食を抜くと、おかずをたくさん食べてしまいがちで、気が付けば塩分をとりすぎてしまいます。
外食や加工食品をよく利用する
外食や加工食品をよく利用される方は“見えない塩分”をとりすぎている可能性も。
調味料のほかに、どんな食品に塩分が多く含まれているかご存じでしょうか?次の段落で、実は塩分が多い食品の具体例をみていきましょう[3,4]。
実は塩分が多い食品
日本人は調味料以外で、魚介類・麺類・パン・加工肉・漬物から塩分をとることが多いということが報告されています。以下に、お酒のおつまみや、普段の食事でつい食べ過ぎてしまいがちな食品をピックアップしました。これらをよく食べる習慣がある方は、量や頻度に気を付けましょう[5,6,7]。
日常的に食べている食品はありましたでしょうか?今後の食品選びの参考にしてくださいね。
塩分過多を防ぐ食事のポイント
次に、塩分過多を防ぐ食事のポイントを4つご紹介します。ご自身の取り組みやすいものから実践していきましょう。
(1)調味料のかけ過ぎに気を付ける
調味料をかけるのではなく、小皿などにつけて食べるようにしましょう。また、調味料をスプレーボトルに入れ替えて使うことで、使用量を抑えることができます。
(2)肉加工品やインスタント食品の“見えない塩分”に要注意
先ほどご紹介したように、ハム・ソーセージなどの肉加工品には塩分が多く含まれています。同様にカップ麺などのインスタント食品などにも塩分が多いため、お買い物の際はパッケージに記載されている食塩相当量もチェックしてみましょう。
(3)味付けにメリハリを
味付けの際には酢やレモンなどで酸味を効かせたり、香辛料などの辛味で味にメリハリを付けたりすると少ない塩分量でも満足できるのでおすすめです。
(4)味噌汁を飲むなら具沢山で
味噌汁=塩分が高いとイメージされる方も多いと思いますが、具材をたっぷりにすることで汁の量は少なく済み、減塩につながります。また具材に野菜を入れ加熱することでかさが減り食べやすくなるので、是非取り入れてみてください[3,8]。
塩分排出を促す方法とは?
カリウムには腎臓から塩分を排出しやすくする働きがあるので、塩分過多を気にされる方に積極的に取り入れて欲しい栄養素です(腎臓の病気がある方はカリウム摂取の制限が必要な場合があり、主治医と相談する必要があります)。
カリウムが豊富な食品には野菜や果物、大豆製品がありますので、普段の食生活に不足しないよう意識していきましょう [3,5,9]。
日々の心がけで塩分過多を防ぎましょう
塩分=調味料というイメージを持たれる方も多かったと思いますが、その他にも工夫できるポイントがありましたね。ご自身の生活で取り入れやすいところから実践して、塩分のとり過ぎを防ぎましょう。
【参考文献】(すべて2022年6月10日閲覧)※外部サイトに遷移します
[1] 厚生労働省:令和元年国民・健康栄養調査報告|食塩摂取量
[9] 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)|ナトリウム
【プロフィール】管理栄養士/便秘改善アドバイザー 南田さとみ
15年悩み続けた辛い便秘をたった3ヶ月で卒業できたオリジナルの食事法、10分以内で作れる「スルっと快便!ガチ速!腸改革メシ」で、便秘でお悩みの方をサポートする「腸改革講座」主宰。管理栄養士の資格取得後、委託給食会社、介護施設での栄養管理に携わり、現在はフリーランスとして、レシピ開発、コラム執筆など幅広く活動中。
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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