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2022.07.06

50歳から「求められる人」にあるスキル以外の資質|「あなただからお願いしたい」と言われるには


「あなただから、お願いしたい」と言われる存在になることが、仕事の“希少価値”になる(写真:Ushico/PIXTA)

「あなただから、お願いしたい」と言われる存在になることが、仕事の“希少価値”になる(写真:Ushico/PIXTA)

自分には、立派なキャリアも特別なスキルもないから「希少な人材」になるのは無理……というのは思い込みかもしれない。考えすぎなくてもいい。「あなただから、お願いしたいんです」と言われる存在になることが、仕事の“希少価値”になり、報酬や次の仕事として返ってくる。

大事なのは、「自分はココが違う」という意識をもっておくことだ、と作家の有川真由美氏は述べる。同氏の新刊『50歳から花開く人、50歳で止まる人』から、「会社優先の生き方」ではなく、「自分優先の生き方」にシフトするための考え方を、3回にわたってお伝えする。今回は第3回。

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「あなただから、お願いしたい」と言われるためには?

仕事にするためには、「その仕事ができる」というだけでなく、「ニーズがある」、つまり求めてくれる人がいることが必須です。私はこのニーズを探ることさえできれば、一生、仕事には困らないと思っています。

ただ、求人のある場所とか、人手不足の場所に行けばいいというわけではなく、「あなただから、お願いしたいんです」と言われる存在になることが、仕事の“希少価値”になり、報酬や次の仕事として返ってきます。たとえるなら、「どこにでもある個人商店」ではなく、「ほかにはなくて、なくてはならない個人商店」を突き詰めて考えるとよいのかもしれません。

なにも立派なキャリアや特別なスキルがなければいけないわけではありません。

40代50代ともなれば、経験していること、詳しい知識、人間関係など、なにかしらもっているもの。特性も際立ってきて、すでに存在自体が希少価値のようなもの。大事なのは、なんとなくみんなと同じことをやろうとするのではなく、「自分はココが違う」という意識をもっておくことです。

50代からは「人と違うこと」こそ、価値になるのです。最初は平均より少し得意ぐらいのスキルでもいいので、なにか軸となる仕事をやっているうちに、「これを加えればいい」「ここをもっと深掘りすればいい」など、見えてくるものがあるはずです。

ときどき、ブログや名刺に「不動産投資でFIREを叶えるファイナンシャルプランナー」「食で愛を育てる育児コンサルタント」(あくまでも仮です)などと書いている人がいて興味をそそられますが、最初から無理にサービスやニーズをつくり出そうとしても、うまくいきません。やっているうちに自然な流れで「+α」ができていくのが、理想的なパターンです。

スキル×人が喜んでくれるオプション

ここでは【希少価値をもつ仕事人の4つのパターン】をご紹介します。これから先、自分の仕事が価値をもつパターンをいくつか考えてみてください。

1 自分の強みを掛け合わせる

軸となるスキルに、人が喜んでくれるオプションを加えていく方法です。ある女性は、大学で日本語講師をしながら、外国人学生にときどきお寿司などの日本料理を教えていました。

評判がよかったこともあり、50代で退職して、料理教室をスタート。おもに外国人を相手に、インスタ映えのする巻き寿司などの料理で、依頼が多いとか。「英語×日本料理×外国人の人脈」で、その人にしかできない仕事です。

2 だれもやっていないことをする

人がやっていないことで、ニーズがあることをする方法です。私は仕事をするなかで、多くの人がやることをやっても勝ち目はないと、できるだけ競争相手のいない場所を選んできました。

フリーカメラマンになったときも、山ほどいるカメラマンのなかに埋もれないように、ポートレート写真のオプションとしてモノクロ写真を手焼きしていました。喜んでくれる人が多かったので、だんだん大きな軸となって、個展も開催。インテリアとしても注文を受けるようになりました。

3 専門性を部分的に深めていく

専門的な仕事のなかで、さらに専門をつくる方法です。50代のある心理カウンセラーは、自身も家族も発達障害であることを、あえてカミングアウト。すると、全国から相談が来るように。発達障害の知識が深いだけでなく、当事者としても家族としても体験しているので、より相談者の気持ちに寄り添えて、説得力があるのです。

古き良きものを伝えていく

4 時代性を意識する

あえて時代に合わないことをしたり、古いものを現代的な方法で伝えたりして価値を高める方法です。衣食住の伝統的な手法を現代の生活になじむようアレンジして伝えるのもあり。着付け講師の知人は、着物を現代風に気軽に着られる方法を教えています。古き良きものを伝えていくのも、50歳からの役割だと思うのです。

「自分にできること」を重ねると、「自分にしかできないもの」になります。なにより「これは自分にしかできない」と思うものがあると、人は強く、元気になれるのです。

仕事がAI化、グローバル化、リモート化されていくなかで、中高年の出る幕がなくなってくるのではと考える人も少なくありません。この章でも書いてきたように、なにかの専門性をもった仕事を選ぶことが、まずは大事。

新しいことを始めるにしても、これまでのスキル、知識、経験、人間関係など、すでに蓄積されたものの延長線上で考えるか、または、もともとニーズのある範囲から自分のできることを探っていったほうがいいでしょう。

もう1つ、50歳以上の人たちが見落としがちな資産があります。それはコミュニケーション力や包容力、やさしさ、知恵、経験など「人間ならではの力」です。

個人化する社会、超高齢化社会のなかで「見守る」「寄り添う」「話を聞く」「助言する」「教える」「サポートする」といった人間らしい役割は、もっとも求められていることにもかかわらず、場が少ないためにその力を発揮できないのです。

社会の仕組みでは、介護、医療、育児、生活、教育など、人間性を発揮する仕事ほど、比較的収入が低いということもあります。しかし、それらの多くは、やりがいをもって働ける現場でもあります。「人間ならではの力」は、“現役”を支える強力な武器になるはずです。

70代のカリスマ店員

先日、デパートに礼服を買いに行った際、70代の女性店員が応対してくれました。物腰がやわらかく、接客も完璧。葬儀の際のルールや立ち居振る舞いや、商品についての豊富な知識に感動。ほんとうに心強く、こんな方にまた接客してほしいと、お客様アンケートにお礼を書いたほどでした。

あとで聞くと、有名なカリスマ店員で、親子3代にわたって買いに来たり、遠方からやってきたりする人も多く、年下のスタッフたちの相談役にもなっているとか。

「年の功」を利用した“現役”という道もあるのです。

かつて私がブライダルの会社で働いていたときも、若いスタッフではなく、50代60代のスタッフのほうが「〇〇さんに担当になってほしい」と指名がかかっていました。結婚式は新郎新婦だけでなく、そのご両親と話す機会が多いものです。

後から60歳で入ってきたスタッフは未経験ながらも、新郎新婦に対してはお母さん、ご両親にはお姉さんのように接していたので、安心感があったのでしょう。紹介も多く、数年後には部長にまでなりました。

私のまわりの60代以上で働いている人の多くも、心理カウンセラー、旅館の支配人、介護施設の所長、保育ママさん、介護士など「人間ならではの力」で働いています。

「誰かが待っていてくれる」は力になる

離婚して50歳でクラブのママになった女性は、80歳の現在でもお客さんから「ここがなくなると行く場所がなくなるから、90歳までは続けて」と言われることが多いとか。彼女は「30年間、一度も仕事に行きたくないと思ったことがない。お客さんが来てくれるし、性に合っていたんでしょうね」と言うのです。

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『50歳から花開く人、50歳で止まる人』(PHP研究所) クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

70代の陶芸家の女性は、これまで保護司、同窓会の経理、小学生の郷土カルタづくり、ラジオ体操の手伝いなど、さまざまな活動をしてきました。なかでも、近所の小学生を毎朝、学校まで連れていくのは、孫が卒業したあとも頼まれて、トータルで15年続いているといいます。彼女もこう話します。

「体がきついと思う日はあるけれど、今日は行きたくないと思ったことは一度もない。そう思うことがあったら、すぐにやめようと思っているんですけどね」

ボランティアであっても、地域の人から一目置かれ、絶大な信頼があるので、彼女の力になりたい人は多いのです。仕事でも、仕事でなくても、続けることは、やはりすごいことです。「誰かが待っていてくれる」「誰かが期待してくれる」というやりがいは、人を強くしてくれるのだと思います。

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提供元:50歳から「求められる人」にあるスキル以外の資質|東洋経済オンライン

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