2022.06.05
高野豆腐って健康に良いの?~栄養素をダイエットの視点からも解説します~
当記事を監修した専門家:管理栄養士・斉藤裕子、編集長 宮田亘造(詳しいプロフィールはこちらをご覧ください) ※外部サイトに遷移します
高野豆腐は、高野山で作られた豆腐を指します。東北地方で使われる凍み豆腐も実は同じもの。地域によって他の呼び名もありますがこれらを総称して凍り豆腐と呼びます。
高野豆腐は一見地味で、名前もさまざま。しかし、すごい効果を持っていました!
そこで今回は、生活習慣病予防にも驚きの効果を発揮する高野豆腐の、栄養成分と活用方法についてお伝えします。
高野豆腐がダイエットに活用できる食品である理由も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
高野豆腐の栄養成分と効能
その名の通り、凍らせた豆腐である高野豆腐にはどのような栄養素があるのか確認していきましょう。
あなたはどう感じる?カロリー
大豆から作られた豆腐はヘルシー食材と言われていますが、高野豆腐はこの豆腐をぎゅっと凝縮したもの。
そのため100gあたりのカロリーは、496kcalと普通の豆腐(木綿豆腐100gあたりのカロリーは73kcal)よりも多くなります。しかし、注目すべきはその中身です。なんとカロリー(※)の40%をたんぱく質が占めています。
つまり、ただカロリーがあるというだけではないのです。その内訳にも着目してみましょう。
(※)カロリー(エネルギー)は、エネルギー産生栄養素と呼ばれる「炭水化物、脂質、たんぱく質」の量から算出されます。
様々な機能が見つけられてきている優秀なたんぱく質
高野豆腐は大豆から出来ているため、植物性のたんぱく質が豊富。さらに、レジスタントプロテインが多く含まれるのが最大の特長です。
レジスタントプロテインには、食後の血糖値の上昇を抑えたり、中性脂肪の値を下げる働きがあります。また、このレジスタントプロテインを含む高野豆腐を摂取することによる糖尿病予防効果も期待されています。
その他、たんぱく質は分解するとアミノ酸という状態になりますが、高野豆腐にはこのアミノ酸の中でも、アルギニンが多く含まれるのがさらなる特長。アルギニンは、免疫機能を高めるといわれるほか、血圧を低下する作用もあるのです。
特に日本人の食事では、年齢を重ねるとたんぱく質摂取が不足するといわれています。高野豆腐は、肉や魚はそんなにしょっちゅう食べられないという方に、ぜひ利用していただきたい食材です。
関連記事:糖尿病に良い食べ物は?食材やメニューをわかりやすく紹介 ※外部サイトに遷移します
貧血予防になる鉄分
高野豆腐には鉄分も豊富です。
100g中に7.5mgと、豆腐の約6倍もの鉄を含んでいます。鉄は酸素の運搬にかかわり貧血を予防する栄養素ですが、たんぱく質と結合することでこの働きを持ちます。
高野豆腐にはたんぱく質も多く含まれているので、鉄の機能を助けるためにも良い組み合わせとなる食材ですね。
身体にとって良質な脂質
高野豆腐に含まれる脂質は100g中34.1gです。木綿豆腐の脂質は100gあたり4.9gですので、多いと感じる方もいるかもしれません。
さて、脂質には種類があります。
一般的に、中性脂肪やコレステロールの元となるため、多く摂り過ぎないように言われる脂質を飽和脂肪酸と呼び、動脈硬化の予防効果がうたわれる脂質は不飽和脂肪酸と呼びます。
高野豆腐の脂質の多くは不飽和脂肪酸です。そのため、私たちの体にとって必要な脂質が多く含まれていると言えます。
女性に嬉しいイソフラボン
イソフラボンは、女性ホルモン様の働きをするといわれており、骨粗しょう症の予防や、更年期障害の軽減をすることが期待される成分です。
高野豆腐には100g中に88.5mgのイソフラボンが含まれます。これは豆腐の約4倍にもあたりますので、積極的に摂りたい食品ですね。
食べ過ぎた場合は健康に悪い?欠点はある?
どのような食材でも、食べ過ぎはおすすめできません。
高野豆腐の場合は、ミネラル類の補給には活用しやすい食材ですが、ビタミンが少ない欠点があります。そのため高野豆腐ばかり食べていると、摂取ビタミンが偏る場合も。
1つの食材を続けて食べるのではなく、適度に利用するようにしましょう。
ダイエットには活用できる食品か
乾燥した状態の高野豆腐100gあたりで見ると、カロリーや脂質が多く含まれています。しかし食べる際に、水で戻した状態で換算すると、多かったカロリーや脂質類は約20%程度になります。
また、糖質は100gあたり4.2gと、非常に少ない食材なので、糖質の摂り過ぎを気にする人にはオススメの食材です。
高野豆腐を肉や魚などの代わりに利用すると、カロリーが抑えられるだけでなく、ダイエット時に積極的に摂りたいたんぱく質が確保できます。ぜひ食卓の1品として取り入れてみてください。
まとめ
高野豆腐には、生活習慣病予防になる栄養素やダイエットに活用できる栄養素などが含まれていることが確認できました。
一見その存在は、脇役にも感じられる食材ですが、ぜひメインとしてどんどん食卓に並べてみてください。
高野豆腐に含まれる成分が、きっとあなたをより健康的にしてくれるでしょう。
それでは、当記事を参考に高野豆腐を食生活に取り入れてくださると幸いです。
参考文献 ※外部サイトに遷移します
Takashi Ishiguro et.al.,Kori-tofu Making Processes Increase High-molecular-weight Fraction(HMF)
監修:編集長 宮田 亘造 H2株式会社 シニアマネージャー
早稲田大学社会科学部卒業後、証券会社での新規開拓営業、製薬会社でのMRなどを経て香港中文大学MBA卒業。同時に北京大学MBAに交換留学、そして北京語言大学にて漢語修習生として学ぶ。帰国後、Webマーケティングのコンサルティング会社を経て、デジタルと医療の融合が患者への新しい価値提供ができると感じ、H2株式会社に入社。
監修:管理栄養士 斉藤裕子
実践女子大学卒業、東京学芸大学大学院修了。卒業後は食品メーカーやスポーツアパレルメーカーに所属し、管理栄養士としてプロスポーツ選手の試合帯同・栄養サポートや運動愛好者に対する栄養アドバイスを実施。また、セミナーなどを通し、ジュニア世代から一般成人まで生活スタイルに応じた健康増進アドバイスを行う。2018年から4年間プロ野球チームに常駐した後、個人アスリートサポートや健康増進に従事、食事面から対象者を支える。公認スポーツ栄養士、NSCA-CPTを保有。
記事提供:H2株式会社
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