2022.05.13
「言葉のマナー」わかってない大人にならない為に|不用意な一言を発すれば損してしまうし恥もかく
たった一言で印象は良くも悪くも変わることがあります(写真:8x10/PIXTA)
全米で最もマナー・エチケットに詳しいとされるジョン・ブリッジズ氏。シーン毎にマナーから、マナー以前の超基本にいたるまで、最適解をまとめた『ドアはあけたらおさえましょう』より、「言葉遣い」について取り上げます。何気なく口にした言葉で印象は意外と決まるもの。不用意な一言で損をしないためにおさえておきたいコミュニケーションのポイントを一挙紹介。
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前回:「食事のマナー」知らないと恥ずかしい基本の基本(5月2日配信) ※外部サイトに遷移します
褒めてもらったら謙遜しすぎないで
・「褒め言葉」は感謝して受け取る
人から「いいネクタイだね」と言われて、「この古いやつが? 人前でつけるのも気が引けるくらいだ」と返さない(たとえ謙遜であっても)。これでは褒めてくれた相手のセンスを疑うようなもの。「ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです」と、感謝の言葉を返して受け取る。
・「私にできることがあれば」は意外と相手が困る
訃報や落ち込んでいる相手に、「私にできることがあったらなんでも言ってください」とは言わない。深く悲しんでいる相手に助けを求める判断をゆだねることになるから。そのかわりに、「食事をお持ちします」「私が買ってきましょう」など、「○○しましょうか」と具体的な提案をする。
・知らないことは「知らない」と素直になる
観ていない映画を観たと言ったり、書評しか読んでいない本を読んだと言ったりしない。「それはまだ読んで(観て)ないんだけど、とてもおもしろいらしいね。どう思う?」などと伝える。不必要なちょっとしたごまかしのために、後々嘘を重ねたり覚えておくことはしたくない。
・「お願いします」「ありがとうございます」を言う
どんな立場であっても、「お願いします」「ありがとうございます」を必ず言う。
・「懐事情」は会話では避ける
経済的に困窮していても、それについて詳細に語って相手を退屈させない。景気がよくても、そのことは会話で触れない。
・食事中に「ダイエット」はNG
ダイエット中でも、食事の席ではそのことを話題にしない。
・「すみません」ではなく「失礼します」
たとえば混雑した部屋を通り抜けるとき、「失礼します」と言う。「すみません」とは言わない。なぜなら、謝る理由がないからだ。誰かの気分を害したのでなければ、「すみません」とは口にしない。
・「失礼します」と言って電話に出る
仕事の打ち合わせ中でも会食中でも、電話に出る前に「失礼します」と断りを入れる。
・謝罪は「シンプルな言葉」が一番
謝罪の言葉は簡潔にするのが一番。長々と言い訳をしない。
・謝罪されたら受け入れる
心からの謝罪の申し出があったら、それを快く受け入れる。なかったことにはしないが、水に流して根に持たない。
・「会釈」は言葉の壁を越えて伝わる
ほとんどどの言語でも、挨拶や思いやりのある別れのしぐさとして、「会釈」が役に立つ。
適切な「紹介」の仕方
・年下の人を「年上の人」に紹介する
必ず年下の人を年長者に紹介する。例を挙げると、20代のラリー・ライアンズを50代のオールグッド氏に紹介するとき、紳士は「オールグッドさん、ラリー・ライアンズをご紹介いたします」と言う。年下の女性を年上の男性に紹介する場合でも、必ず年長者の名前を先に言う。
・男性を「女性」に紹介する
同年代と思われる男女を紹介するときは、男性を女性に紹介する。たとえば、友人のサリー・ボールドウィン(女性)とラリー・ライアンズ(男性)が知り合いでない場合、次のように紹介する。「サリー、こちらは私の友人のラリー・ライアンズ」。それから、ライアンズのほうを向いて続ける。「ラリー、こちらはサリー・ボールドウィン」
・「紹介させてください」「会っていただけますか」と切り出す
目上の人に誰かを紹介する際、敬意を払ってこのように切り出す。「○○さん、サリー・ボールドウィンをご紹介させてください」「ロスマン先生、私の友人のラリー・ライアンズに会っていただけますか」
・「名前」ははっきり発音する
できるだけ名前をはっきり発音する。もし自然にできるなら、会話が始まってしばらくしてから、もう一度名前を言う。
・電話は「かけた人」が終わらせる
電話で話しているとき、自分がかけて始めた電話なら、自分に切り上げる責任があると心得る。
・「お話しできてよかったです」など簡潔に締める
電話では、「お話しできてよかったです。近いうちにまたお話ししましょう」などと簡潔に伝える。メールやメッセージで要領を得ない長いやりとりを終わらせようとするときにも、ただ「ご連絡いただきありがとうございました。また話せるのを楽しみにしています」と書き、それでやり取りを終える。
カドの立たない断り方とは?
・食事どきに「電話」をかけない
相手が食事中だとわかっている時間帯には電話をかけない。
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・メールでも「時間」に気をつける
インターネットで世界中が繋がったとはいえ、依然として「時差」があることは忘れない。夜遅くや休日にも極力仕事のメールは控える。
・スムーズな「おひらき」
ディナーやランチで少し長居していると感じたら、シンプルにこう切り出す。「明日も早いのでおひらきにしたいと思います。また近いうちに集まりましょう」
・丁重で許される断り方
招待を受けて断る際、シンプルに伝える。「参加できたらよかったのですが、モリス、あいにくその夜には予定が入っていて」
・「言ったこと」は守る
言行一致。言ったことと行動にズレがないようにする。
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提供元:「言葉のマナー」わかってない大人にならない為に|東洋経済オンライン