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2022.02.16

節約の味方「もやし炒め」ベチャッとさせぬ意外技|味を決める要因はフライパンの大きさにあり!


手軽で簡単、そしておいしい「もやし炒め」の作り方を伝授します

手軽で簡単、そしておいしい「もやし炒め」の作り方を伝授します

在宅勤務、外出自粛によって、家で料理をする人が増えたのではないでしょうか。料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番の料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作る方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介します。今回は「もやし炒め」と「もやしの和え物」です。

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最近の気候変動にともなって、よく植物工場が話題に上がりますが、ずっと昔から工場生産されていた野菜があります。安価な価格で日本の食卓を支えてきた「もやし」です。原料種子や人件費の高騰、消費の減少もあり、もやし生産者にとっては苦しい時代ですが、野菜が少ない冬の時期に活躍します。

今日は「もやし炒め」とピリ辛の「もやしの和え物」の2品をご紹介します。材料はごくシンプルですが、作り方にはコツがあります。

まず、もやしの種類から。もやしには大きく「緑豆もやし」と「ブラックマッペもやし」の2種類があります。緑豆もやしはやや太めで、やわらかさとみずみずしい甘みが特徴。ブラックマッペはシャキシャキした食感があります。

もやしの保存は野菜室ではなく冷蔵室で!

もやしの保存は野菜室ではなく冷蔵室で!

昔から関東圏では緑豆、関西圏ではブラックマッペが主流なのですが、食べておいしいのは断然「ブラックマッペもやし」です。

「お店のもやし炒めはシャキシャキしているのに自分でつくるとベチャッとして……」

という人は緑豆もやしを使っているケースがほとんど。とはいえ、緑豆もやしでもポイントさえつかめば、シャキシャキでおいしいもやし炒めがつくれます。もやし炒めは水分との戦いです。低温で長時間炒めたり、高温かつ短時間加熱で、もやしから水分が出るのを抑える方法が一般的ですが、加熱が足りないと水分が抜けず、味が凝縮していきません。

小さなフライパンだと水分が上手に抜けない

もやし炒めの味を決めるのはフライパンの大きさ。例えば、小さなフライパンに1袋(200g)のもやしを入れると、以下の写真のように表面に設置していない面が増え、水分が上手に抜けません。

左が22cmのフライパン。右は26cmです

左が22cmのフライパン。右は26cmです

かといって、フライパンが大きすぎると家庭用のコンロの火力では高温が維持できません。1袋を炒めるのであればフライパンのサイズは26cmを選び、もしも小さいサイズしかなければ半量を炒めましょう。それでは作り方です。

もやし炒めの材料

もやし       200g
ごま油       大さじ1
しょう油      小さじ1+1/2
みりん       小さじ1
にんにくすりおろし 少々
塩         ひとつまみ
炒りごま      適量

小さなボウルなどにしょう油、みりん、にんにくのすりおろしを混ぜ合わせておきます。炒めものは時間が勝負なので、あらかじめ調味料を合わせておくと、あわてずにすみます。

しょう油、みりん、にんにくのすりおろしを混ぜ合わせます

しょう油、みりん、にんにくのすりおろしを混ぜ合わせます

フライパンにごま油をしき、中火で45秒~1分予熱します。日本のガスコンロには法令でSiセンサーという温度センサーと立ち消え防止装置がついています。これはフライパンの底面温度が220℃に達すると火が自動的に弱くなる仕組みです。このセンサーが働いたらフライパンが充分に温まったというサインなので、もやしを投入します。

怖がって少しずつ入れると油が跳ねることがあるので、一気に入れると安全です

怖がって少しずつ入れると油が跳ねることがあるので、一気に入れると安全です

火加減は中火のまま、もやしを広げます。30秒おきにもやしを軽く混ぜながら加熱を続けます。たくさん混ぜたり、鍋をあおったりすると、フライパンの表面温度が下がり、もやしの水分が抜けません。水分を蒸発させることを意識して、じっくりと火を通していきます。

なるべく重ならないように、底に広げることを心がけます

なるべく重ならないように、底に広げることを心がけます

合わせ調味料は2分経過したら一気に加える

2分経過したら、合わせ調味料を一気に加えます。塩ひとつまみも加え、ざっくりと混ぜ、火を止め、器に盛り付けましょう。調味料を加えてから加熱を続けると、もやしから水が出てきて、ベチャっとした仕上がりになってしまうので注意。味付けは最後に! これは炒めものの基本です。

仕上げに炒りごまを振ってください。もやしだけでは淡白ですが、ゴマが加わると咀しゃく感が出るので、自然と噛むことに繋がり、味わいが深まります。

もやしの表面にはかすかに焦げ色がついているはず。鉄板焼屋さんや町中華で食べるもやし炒めがおいしいのはしっかりと加熱され、水分が飛び、味が凝縮されているからです。水っぽくなるのを恐れて中途半端に火を入れると、もやしの持ち味が生きてきません。ステーキの付け合わせなどにも使えるのでおぼえておくといいでしょう。

皿の底に少し汁が出ますが、水っぽくないはず

皿の底に少し汁が出ますが、水っぽくないはず

次はもやしの和え物を作ります

次はもやしの和え物を作ります

もやしの和え物の材料

もやし       1袋(200g)
うす口しょうゆ   大さじ1(なければ濃口しょう油+塩ひとつまみ)
ごま油       大さじ1
にんにくすりおろし 少々
粉唐辛子      小さじ1/2(なければ一味唐辛子少々)
炒りごま      適量

もやしの和え物も炒めものと同様に、水分のコントロールがカギを握ります。鍋にたっぷりの湯を沸かし、もやし1袋を20秒茹でます。

タイマーを使うのがベターです

タイマーを使うのがベターです

ざるなどに開けて、冷まします。うちわで扇いでもいいですし、今の時期であれば外に2〜3分置くのがかんたん。これは陸上げという方法で野菜を水っぽくしないための調理法です。

盆ざるがなければふつうのざるでもかまいません

盆ざるがなければふつうのざるでもかまいません

ボウルにすべての調味料を合わせます。粉唐辛子というのは、以下の写真のような韓国産の唐辛子製品です。近くに売ってなければamazonでも買えますが、一味唐辛子で代用できます。

ただし、一味唐辛子は辛みが強いので量は控えめに。

amazon クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

韓国産粗挽き唐辛子という製品です

韓国産粗挽き唐辛子という製品です

しっかりと冷めたもやしを調味料で和えればできあがり。

和えたてがいちばんおいしいのは言うまでもありません

和えたてがいちばんおいしいのは言うまでもありません

できあがり

できあがり

保存は冷蔵庫で2〜3日ほど。もやしは95%が水分という野菜で、加熱や塩によって水分が流出すると食感が保てません。それを防ぐために役立つのが油です。油でまわりをコーティングすれば塩で味付けしてもダメージが少なくなる、というわけ。というわけで油をたっぷり使うのがもやし料理のコツです。どちらもビールとの相性がいいおつまみです。

(写真はすべて筆者撮影)

前回記事:超簡単で美味「昔ながらのオムライス」家で作る技 ※外部サイトに遷移します

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提供元:節約の味方「もやし炒め」ベチャッとさせぬ意外技|東洋経済オンライン

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