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2021.12.29

糖尿病が脂質異常症を起こしやすいのはなぜ?〜原因や対策も紹介します〜


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糖尿病の栄養指導で、「脂質異常症にも気を付けてください」と言われたあなた。

どうして糖尿病になると脂質異常症を起こしやすいか気になりませんか?

そこで本記事では、糖尿病の人が脂質異常症を起こしやすい原因や対策について紹介していきます。

編集&執筆者情報:こちらをご覧ください ※外部サイトに遷移します

そもそも脂質異常症とは

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脂質異常症は、血液の中の脂質の数値が基準から外れている状態のことで、放置しておくと動脈硬化を起こす恐れがあります。

健康診断の採血結果を見ると、LDLコレステロール・HDLコレステロール・トリグリセライド(中性脂肪)といった数値が記載されていると思いますが、これがあなたの体の中の脂質の値になります。

3つの中でも、HDLコレステロールとトリグリセライドは、メタボリックシンドローム(※)の診断にも使われる数値です。

(※)メタボリックシンドロームとは内臓に脂肪がついて肥満となっている状態に、高血圧や高血糖、脂質異常症が組み合わさって、心臓病などになりやすい状態のことを言います。

糖尿病と脂質の関係

それでは、糖尿病と脂質異常症にどんな関係があるのかをお伝えしますね。

なぜ糖尿病は脂質異常症を合併しやすいのか

糖尿病になって血糖値が高くなると、あなたの体の中で余ってしまった糖分を使って、肝臓がトリグリセライド(中性脂肪)を作り出します。

また血糖値を下げるホルモンであるインスリンは、脂肪を分解する働きも持っているのですが、糖尿病だとインスリンがうまく分泌されなくなったり働きにくくなってしまったりするので、トリグリセライドを分解することができなくなります。

つまり脂肪は分解できないのに作られていくので、結果的に血液の中の脂質も増えてしまうのです。

高まるのは動脈硬化のリスク

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糖尿病も動脈硬化のリスクを高めますが、先ほど述べた通り、脂質異常症も動脈硬化のリスクを高くします。

その理由ですが、糖尿病は血液中の糖分が増えることで、血液がドロドロになり血管が詰まりやすくなるために動脈硬化が起こりやすくなります。

そして脂質異常症の場合は、血液中の脂が増えて、血管の壁に脂が溜まっていくことで血管が細くなり、詰まりやすくなって動脈硬化になってしまうのです。

参考記事:糖尿病は心筋梗塞・脳梗塞に要注意〜リスクと予防のポイントをシンプルに解説〜 ※外部サイトに遷移します

コレステロールと中性脂肪の目標値を紹介

実際にどのくらいの数値になったら脂質異常症と診断されるのかをまとめてみます。

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あなたの採血結果と比べてどうでしょうか?

LDLコレステロールと中性脂肪(トリグリセライドはTGと記載されます)ではこの数字を超えないこと、HDLコレステロールの場合はこの数字を下回らないことを目指してみてくださいね。

糖尿病に脂質異常症を合併させないために

糖尿病に脂質異常症を合併させないために大切なのは、やはり食事と運動です。

食事では魚と食物繊維を増やそう

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中性脂肪が高いあなたは、脂質の摂取量を20%程度に制限することが必要です。

すでにお伝えしたように、糖分が多くなると肝臓がトリグリセライド(中性脂肪)を作ります。ですので、砂糖の入っている飲み物やお菓子、果物の摂りすぎには気をつけましょう。

また、アルコールを控えたり炭水化物の割合を減らしたりすることも大切です。

一方で、魚の脂には中性脂肪を下げる効果がありますので積極的に食べてみてください。

LDLコレステロールが高い場合には、動物性の脂肪(ラードやバターなど)を控えることも大切です。

野菜・海藻・豆類・きのこ類などの食物繊維が多い食べ物は、コレステロールを抑える作用があるので推奨されます。

運動は出来ることの継続を

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運動はHDLコレステロールを増やす働きもあるので、ぜひ取り入れてください。

推奨されるのは、やはり有酸素運動です。有酸素運動には、ウォーキングやジョギング、体操や水泳などがあります。

目標は、1日30分以上の有酸素運動を週に3日以上行うことですが、あなたの体調に合わせて無理なく継続していくことが一番大切です。

場合によっては薬が処方される

まずは食事や運動で脂質をコントロールしていくのですが、主治医が薬も使ってコントロールしていった方が良いと判断すると、薬が処方されることがあります。

あなたの状態に合わせて医師が薬を組み合わせたり量を調整してくれたりしますので、処方に従って薬を飲んでくださいね。

まとめ

それでは本日のまとめです。

・脂質異常症は、血液の中の脂質の数値が基準から外れている状態のこと
・糖尿病の人は、余った糖分で脂肪が作られたりインスリンが働かなくて脂肪が分解できなかったりするので、脂質異常症を合併しやすい
・糖尿病の合併症である脂質異常症の発症リスクを下げるには食事と運動が大事

以上です。

本記事が、あなたが生活習慣を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。

■参考文献

・厚生労働省:e-ヘルスネット 脂質異常症,(参照日:2021.8.5) ※外部サイトに遷移します

・厚生労働省:e-ヘルスネット メタボリックシンドロームとは? ※外部サイトに遷移します

・国立循環器病研究センター病院:糖尿病・脂質代謝内科,(参照日:2021.8.5) ※外部サイトに遷移します

・検査値に基づいた栄養指導(新改訂版)せんぽ東京高輪病院 足立香代子著 チーム医療出版

・公益財団法人長寿科学振興財団:健康長寿ネット 三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量,​​(参照日:2021.8.7) ※外部サイトに遷移します

執筆者:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石 香代子

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山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。

記事提供:H2株式会社

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提供元:糖尿病が脂質異常症を起こしやすいのはなぜ?〜原因や対策も紹介します〜|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】

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