2021.10.18
はちみつは血糖値に影響するの?〜糖尿病に良いのか検証しました〜
「はちみつは栄養もありそうだから、毎日食べているよ」
古来より薬用としても使われているはちみつ。自然でマイルドな甘さが好きで、パンに塗ったり紅茶に入れたりする方も多いと思います。
しかしはちみつも甘味料の一種。果たして糖尿病に良いのでしょうか。
その答えですが、実は良いとは言い切れない食材なのです。
そこで今回は、はちみつと血糖値の関係に着目することにしました。
砂糖との比較や適量までご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは始めましょう。
はちみつとは
はちみつはミツバチが花の蜜を吸い取って集め、巣の中で加工・貯蔵された天然の甘味料です。
栄養が豊富で、疲労回復や口内炎にも効果があると言われています。また漢方でははちみつの効能を重視し、治療薬として使うこともあります。
純粋はちみつをはじめ様々な種類がある
はちみつには様々な種類がありますが、主に見かけるのは加糖はちみつ、精製はちみつ、純粋はちみつの3つでしょう。
加糖はちみつは、水あめやブドウ糖を加えたものです。そして精製はちみつは、はちみつを加熱して脱色や脱臭などを施し、栄養を取り除いたものになります。
3つ目の純粋はちみつが、加工処理を行っていない天然のはちみつです。つまり、はちみつとしての質や栄養価が高いのが純粋はちみつと言えます。
蜂蜜の女王はアカシアはちみつ
アカシアはちみつは、ニセアカシアという樹木の花から採取されるはちみつです。
風味にくせがなくスッキリした甘さが楽しめるはちみつで、料理やお菓子にも使いやすいのが特徴です。
はちみつと砂糖の糖質量を比較
はちみつと砂糖の糖質がどのくらいなのか見てみましょう。
上記の通り、はちみつの糖質は砂糖より少ないことが分かります。しかし、一般的な食品と比べると、はちみつの糖質は高いです。
参考までに、はちみつ大さじ1(約21g)で16 gほどの糖質で、これはコンビニおにぎり1/2個とほぼ同じ量になります。
参考記事:はちみつのカロリー&糖質は多め~スイーツのお供にバランスよく摂取を~ ※外部サイトに遷移します
はちみつが血糖値に与える影響
砂糖より糖質が少ないはちみつですが、 安心はできません。なぜならはちみつに主に含まれる果糖は、血糖値をあげやすい糖だからです。
上に示すように、糖質の種類には単糖類(はちみつの果糖)、二糖類(砂糖の主成分ショ糖)、多糖類があります。そして最も体内に吸収されやすいのは、単純な構造としている単糖類です。
つまり、砂糖のショ糖よりはちみつの果糖の方が体内吸収が速いです。そして果糖は体内に吸収されるとすぐ、10-20%が肝臓でブドウ糖と中性脂肪に作り替えられます。
そのため、果糖の量が多い(はちみつの量が多い)とブドウ糖の量が増え、血糖値を上昇させてしまいます。
血糖値が急上昇?朝に人気のスムージーに注意
はちみつと組み合わせる食材によって、血糖値が急上昇する場合があります。その一例がフルーツのスムージーです。
実は果物にも、単糖類である果糖やブドウ糖が多く含まれています。
もともと果物は吸収の良い食べ物なのですが、ミキサーにかけたスムージーは食物繊維が砕かれてさらに吸収が良くなります。そこにはちみつを加えたら、血糖値はさらに急上昇。一気に跳ね上がる可能性が高くなります。
はちみつ入りのスムージーには気をつけてくださいね。
糖尿病では控える方が良いのか
結論から申しますと、基本的には控える方が良いでしょう。
その理由は、糖尿病では糖質の量をコントロールする必要があるからです。糖質の多いはちみつはお勧めできません。
しかし、どうしてもはちみつを食べたいという方のために、下記にてポイントをお伝えしますね。
糖尿病でも大丈夫なはちみつの食べ方
はちみつの量は1日あたり、小さじ1程度にします。そうすると糖質は約4gとなり、血糖値に大きな影響を与えるリスクは少ないでしょう。
砂糖の代用として料理に使う程度にすると安心です。
はちみつレモンを手作り
レモンには抗糖化の働きがあると言われています。
ちなみに抗糖化とは「糖化を防ぐこと」です。具体的には糖化が原因で発症する動脈硬化や白内障などのリスクを減らし、また糖化が進行して起こる糖尿病を防ぐことでもあります。
そんな効果のあるレモンに少量のはちみつを加え、はちみつレモンを作ってみました。
【材料】
・レモン 2個
・はちみつ 大さじ2
【作り方】
(1)レモンはよく洗ってヘタを切り落とし、薄くスライスする。
(2)ふた付きの便にスライスしたレモンを入れて、はちみつを加える。
(3)冷蔵庫で2日ほど置いて、完成。
※1日あたり、はちみつレモンは1枚までにします。もも肉のソテーに加えたり、オリーブオイルと混ぜてドレッシングとしてサラダに活用すると美味しいですよ。
マヌカハニーを活用
マヌカハニーとはニュージーランドで生産される天然のはちみつで、ニュージーランドの政府が管理している特殊な食材です。殺菌作用が強く、医薬品としても使われています。
糖尿病の方は、肺炎や歯周病などの感染症にかかりやすいと言われています。なぜなら糖をエサにしてウイルスや細菌が増殖するからです。
マヌカハニーで感染症を防げると断言はできませんが、うまく活用すると、合併症の予防に役立つかもしれません。しかしはちみつには変わりありませんので、量には注意が必要です。
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まとめ
以上、はちみつは糖質が多い食材ですので、基本的には糖尿病にお勧めできないことがお分かりいただけましたね。
さらに、はちみつに含まれる果糖は血糖値をあげやすい糖です。そのため果糖の量が多い(はちみつの量が多い)とブドウ糖の量が増え、血糖値を上昇させてしまいます。
ですから、どうしてもはちみつを取り入れたい場合は小さじ1程度にし、できる限り料理に使うなどして使用することをお勧めします。
なお糖尿病の感染症予防の観点では、マヌカハニーが良いですね。
それでは当記事が、あなたの血糖コントロールに役立つことを願っています。
■参考文献
一般社団法人 日本養蜂協会 ※外部サイトに遷移します
薬膳漢方 食材&食べ合わせ手帖 植木もも子監修 西東社
日本食品成分表 2021 八訂 医歯薬出版株式会社
有限会社美甘養蜂園 公式ホームページ ※外部サイトに遷移します
武州養蜂園 アカシアはちみつは栄養満点!おいしい食べ方・おすすめ商品を紹介 ※外部サイトに遷移します
食前のレモン果汁摂取による食後血糖値抑制効果 糖化ストレス研究会 Glycative Stress Research誌, 第7巻2号, P174~180
執筆者:管理栄養士・糖尿病療養指導士 白石 香代子
山口県立大学家政学部栄養学科卒業後、人材業界を中心にセールスやコンサルタントとして交渉力・語彙力など幅広いコミュニケーションスキルを培う。その後、中国大連にて日系企業のフードアドバイザー、日本人学校の食育セミナー講師として活動。現在、H2株式会社とクリニックでの栄養士業務、特定保健指導を兼任。その他、中国高齢者施設の栄養監修なども手掛けている。管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の資格を保有。
記事提供:H2株式会社
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提供元:はちみつは血糖値に影響するの?〜糖尿病に良いのか検証しました〜|【シンクヘルスブログ|H2株式会社】