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2021.08.17

「早期リタイア」したい人に教えたい健康の重要性|今から運動「始めて」「続ける」たった2つのコツ


コロナ禍で通勤や外出を控えることで、コロナにまつわる心身の不調に悩んでいる方が増えている……(写真:MediaFOTO/PIXTA)

コロナ禍で通勤や外出を控えることで、コロナにまつわる心身の不調に悩んでいる方が増えている……(写真:MediaFOTO/PIXTA)

東京オリンピックが終わり、8月下旬からはパラリンピックの開催が予定されている一方、東京をはじめ多くの地域で新型コロナウイルスの感染拡大も続いています。感染自体もそうですが、通勤や外出を控えることで、いわゆる「コロナ太り」など、コロナにまつわる心身の不調に悩んでいる方も少なくないようです。

オリンピックとコロナ、どちらにも「健康」がキーワードとして密接に関わっていることを感じながら日々のニュースを見ています。また、それぞれが人生後半をどう生きるか、というこの連載「人生後半のトリセツ」の観点でいうと、健康こそ「資産」なのだと感じています。つまり、心身の健康がなければ、働いてお金を稼ぐことに制約を受けますし、そのお金を増やすこともしかり、だと思うのです。

最近は、特に若い人たちの間で「FIRE」と呼ばれる早期に経済的自立を果たして早くにリタイヤする考え方が注目を浴びていますが、それもやはり健康という資産が前提になければなかなか果たしえないことです。

健康を維持するために必要な2つのこと

では、この健康という資産をどのように形成し、そして運用・活用すればいいのでしょうか。

心身の健康を保つために必要な大きな要素として「運動」と「食事」があると思いますが、今回は運動について考えてみたいと思います。

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健康が資産であるなら、資産は継続的に守って維持していかなければ、細ってしまったり、消えたりしてしまいます。健康を維持するということは、例えばこの夏休みの間だけ取り組めばいいというものではなく、長く継続することが非常に重要になります。

継続するのに重要なのは、(1)きっかけ作り、そして(2)習慣化です。

まず、何をきっかけにすればいいでしょうか。1つは、職場で実施される健康診断や、個人で受ける人間ドックなどの健康チェックが挙げられます。これはわかりやすく、また多くの人にとってきっかけにしやすいと思います。

私自身も継続的に健康診断の結果を見ていて、ある時から血糖値がじわじわと上昇してきていることに気がつきました。祖父が糖尿病だったこともあり、家系的に血糖値に気を付けなければいけないことはわかっていました。このため、食事にも気をつけていたのですが、いよいよ食事だけではコントロールができないと判断し、7年ほど前の健康診断をきっかけとして定期的な運動を始めることに。

もっとも、健康診断の結果がよくなかったというのはネガティブなきっかけで、あまり精神的に快いものではありません。できれば、ポジティブなきっかけ、動機が欲しいところです。

例えば、今回のオリンピックを機にかつてやったことのあるスポーツをもう一度やってみよう、と思ったのであればそれはポジティブです。これは自身にとっても記念になりますし、ほかの人にも話しやすいエピソードになるでしょう。または、この夏休みに家族で同じスポーツ、例えばテニスを楽しむというのもいいと思います。

きっかけがネガティブなものにしろ、ポジティブなものにしろ、重要なのはその「イベント」をうまく活用し、それを起点にアクションを起こすことです。

始めたことを習慣化するカギ

次に重要なのはそれを習慣化することです。そのカギの1つは、目標を定めてそれに向けて計画を立てて取り組むことです。

前の例でいえば、来年の夏に開かれるテニス大会に出場することを目標にし、それに向けて自分のトレーニングの計画を作り、その計画どおり進んでいるかどうかを毎月チェックするプランを立てれば、それが習慣化のための仕組みになるでしょう。

毎週末にテニスをすると決めた場合、それを継続するためにはテニスが好きな仲間を誘い、毎週末に必ず一緒にプレーをする約束をするという方法があります。その人といい友人関係であれば、会うこと自体も楽しみとなって習慣化しやすいでしょう(このご時世ですので、三密回避など感染予防には配慮したうえで、ですが)。

あるいは、毎日1万歩歩くことを目標にした場合、歩き回るような副業を選ぶことによって、仕事の中で運動をする方法もあると思います。歩きではありませんが、フードデリバリーの副業を自転車に乗ってやる、といったことも考えられるでしょう。

いずれにしても、何らかの強制力が働いて自分が運動をしなければいけない、またその運動をすることが楽しみになるという習慣化の仕組みを工夫することがとても大切です。友達と一緒にスポーツをする楽しさや、体を動かすことでお金が稼げるうれしさ、といったことが習慣化を促します。

テニスの例で言うなら、テニス大会が北海道で開催されるとするなら、テニスの遠征で北海道旅行に行くこと、その旅行自体を楽しみな目標にすると、モチベーションを保ちやすいでしょう。毎週末に友人とテニスをするのであれば、プレー後にともにビールを飲む、ランチをする、といったことも楽しみになるでしょう(今はコロナウイルスの関係で会食がしにくい状況ではありますが)。

暑い今こそ実は運動を始めるチャンス

言ってみれば、自分で自分の目の前に「人参」をぶら下げることがとても大切です。これは、何かを学びなおしそれを継続する場合など、習慣化を成功させるために共通するスキルなのです。

最近では、アップル・ウォッチのように自動的に自分の活動量を記録してくれるデバイスもあります。こうしたものを活用することによって、自分が通常、1日にどれくらいの運動をしているかを見える化し、目標を決めて日々それを達成できているかどうかチェックするなどゲーム化することも、運動の習慣化につながるのではないでしょうか。

いざ運動を始めようと思っても、今の暑い時期の場合、昼間の時間帯は体を動かすことに必ずしも適さない気温であることも少なくありません。上手にタイミングを選んで、健康上の問題が起きないように注意することもとても大切です。

ですが、夏の間に体を動かす習慣を作り始めることはとても大切です。秋になれば気候的に少し体を動かしやすくなりますが、すぐに寒い冬がやってきます。そうすると体を動かすこと自体が億劫になってしまうので、きっかけ作りや習慣化が難しくなりかねません。

夏の間にきっかけを作って習慣化の筋道を立て、短い秋の間に習慣を定着させることができれば、冬になっても継続しやすくなりますし、翌年暖かくなってからの目標があれば、冬の間も運動をし続けることができると思います。

私自身は、山歩きやスキーをしたり、ヨットに乗ったりなど、アウトドアスポーツは若い頃から好きでした。ただ陸上競技のような、毎日の生活の中に取り入れられるスポーツは得意ではなく、体育の成績もひどいもので、運動には苦手意識がありました。

ランニングであれば続けられる

このため、40代の半ばまでは特に運動習慣を持たずにいたのですが、前述のとおり糖尿病家系の影響もあってか、食事だけでは血糖値のコントロールをしきれない状況になり、体を動かすことに決めたのです。

最初は自宅近くの24時間使える簡易型スポーツジムに行って、筋トレマシンやランニングマシンで走っていたのですが、マンネリで義務感になってしまい、どうしても面白いと思えませんでした。

そこで、ランニングマシンを走る代わりにジムの外に出て近所の道を走ってみたところ、近くにありながら自分が通ったことがなかった道や、そこにあるお店や旧跡などを見つけることがとても新鮮で、ランニングであれば自分に合っているかもしれないと、運動は走ることに絞ったわけです。10km 走れるようになったころから、毎月1回各地のランニング大会に走りに出かけて行くことを、習慣化のためのモチベーションにしました。

最初は皇居2周10km を走ることからのスタートでしたが、その翌月には福岡に、その次の月には福島にと、自分の手持ちのマイルを活用などして費用を抑えつつ各地に走りに行くこと、いわゆる「旅ラン」が私の趣味になっていき、走ることが習慣として定着しました。

そうこうするうちにハーフマラソンの約21km を走れるようになり、10km までの大会のほかにハーフマラソンの大会にも出るようになり、皇居10kmを走ってから1年も経たないうちに台北マラソンのハーフの部に出場し、完走することができました。

こうして走りに行く場所が日本国内だけでなく海外にも広がっていき、今はコロナのためになかなか大会が開催されませんが、海外に走りに行くことも楽しみの1つとなりました。毎年末の台北マラソンのほか、ベルリンマラソンや、運よくナイロビ出張時の週末に開催されたナイロビマラソンも走ることができました。

走り始めてみると、自分の友人の中にもランナーがいることに気がつき、遠くに住んでいる友人と同じ大会に出て現地で久しぶりに再会することも、走る楽しみの1つに加わりました。台北マラソンの時は、仲間たちと走った後に一緒に食事をとることも恒例になりつつあります。

さらには、走り始めた頃にランナー向けのサービスを提供しているスタートアップ企業と縁ができ、同社の事業成長のサポートを仕事として取り組むことに。走ることは仕事にもつながるようになりました。

運動で得られるのはお金や健康だけではない

長らく運動音痴を自認していた私にとって、自分がランナーであると言えることは、自分自身を肯定するためのアイデンティティーとしてとても大切なものになりました。そして、仕事にもつながって、多少なりともお金を生むことになり、まさに「健康が資産」として機能していることを実感します。

何もお金になることだけでなく、例えば自分が将来年をとって走ることができなくなったとしても、今度はランナーをサポートするボランティアなどの形で関わり続けていくことができると思いますし、その時に、ランナーであった自分は、走る経験をしたことがないボランティアの人とはまた違ったかかわり方ができるであろうと思っています。

お金の面だけでなく精神的にも豊かにしてくれる運動。それによってもたらされる健康を維持する方法が人それぞれに見つけられれば、それはご自身の人生の後半を支えてくれるかけがえのない財産となるはずです。

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提供元:「早期リタイア」したい人に教えたい健康の重要性|東洋経済オンライン

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