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2021.08.03

30代後半から無慈悲に太り続けてしまう根本原因|「ミトコンドリア」の量が脂肪燃焼の鍵を握る


「昔は食事制限すればすぐにやせたのに!」となってしまうカラクリとは?(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

「昔は食事制限すればすぐにやせたのに!」となってしまうカラクリとは?(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

コロナ禍の運動不足で体重増加が止まらないという声を、よく耳にするようになりました。しかし通勤や外出の回数が減っていなくても、運動量が減っていなくても、特に食事を変えていなくても、じつは30代半ばを過ぎると男女問わず体重も体脂肪率も増える傾向にあるようです。これを「歳を取って代謝が落ちたから」と結論づけてしまうのは簡単ですが、いいのでしょうか。

鍼灸師・柔道整復師として20年以上のキャリアを持ち、痩身や産後ケアをメインに行う整骨院を営む今村匡子氏の最新著書『「やせたい」なんてひと言もいってないのにやせた1分ねじれ筋のばし』の内容を一部抜粋し、ご紹介します。

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ミトコンドリアっていったい何?

歳を重ねるごとに「食べなければやせるが通用しなくなった」と悩む方は多く「30代半ばを過ぎてからはやせるどころか体重が増え続けた」とおっしゃる方も少なくありません。もし日々の活動量や食事の内容に大きな変化はなく、これという原因もないのにダイエットをしても体重が減らなくなったとしたら、体内の「ミトコンドリア」が激減してしまったのかもしれません。

「ミトコンドリア? なんだか難しそう……」

こう思われた方、ご安心ください。

ミトコンドリアは、体内に溜め込んだ脂肪や糖をガンガン燃やしてくれる強力な味方です。脂肪や糖を消費して、体を動かすエネルギー源となる「ATP(アデノシン三リン酸)」を24時間休むことなく合成してくれる細胞内の小器官で「細胞のエネルギー工場」と呼ばれることもあります。

このミトコンドリアが減ると、体は火をつける芯を失ったロウソクのような状態に。ロウ(脂肪や糖)を燃やすために火をつける芯(ミトコンドリア)が減れば当然、脂肪は体に溜まる一方になります。きれいにやせるには、溜まった脂肪をいかに消費するかが最重要課題。ミトコンドリアが減ると、それが困難になるわけです。

「体内のミトコンドリアが減っている」なんていわれても、見ることも意識することもできないし何のことやら、と思われたかもしれません。ミトコンドリアが減ったかどうかを知る目安は2つあります。1つは体の冷えです。ミトコンドリアの含まれる量が多い筋肉細胞が加齢とともに減ると、体が 熱をつくる量も少なくなります。これが冷えを起こすのです。

もう1つは、体の硬さ。ミトコンドリアがたっぷり含まれる筋肉の多くは、骨や関節の位置を正しく維持するために使われています。しかし体を大きく動かす機会が減ると関節の動きが悪くなり、関節を支える筋肉は働けなくなって、やせ細る一方に。関節を支える筋肉の衰えが進むほど関節にもゆがみが生じ、ほかの筋肉まで動きにくくなって衰えるという悪循環を起こすのです。こうしてミトコンドリアの数は減っていきます。

背骨を横に曲げる動き、肩甲骨を背骨に近づける動き、脚を内外にねじる動きの不足は、関節の動きを悪くするワースト3です。なかには関節が正常に動く人と比べ、可動域が平均7割減している部位すらあります。

憎き脂肪を減らす救世主、ミトコンドリアが減る理由

では、なぜミトコンドリアは減ってしまうのでしょうか。

ミトコンドリアはほとんどの細胞にあるものの、じつは細胞によって含まれる量が大きく異なります。膨大な数のミトコンドリアが詰まっているのは、体の奥でつねに姿勢の維持などに活躍している筋肉の細胞です。

普段から、この筋肉を使えていれば血流がよくなり、筋肉の密度も高まってミトコンドリアの数も維持できます。しかし使えていないと、ミトコンドリアは眠ったような状態になるため脂肪や糖を燃やす働きが低下。さらに数まで減っていきます。何をしても落ちない嫌な脂肪を燃やす鍵を握る、この筋肉が知らぬ間に衰えてしまうのです。

筋肉というと「また筋トレ?」と思われるかもしれませんが、ミトコンドリアたっぷりの筋肉は、うれしいことに頑張って鍛える必要はいっさいなし。つまりダイエットしたい人の救世主とでも呼ぶべき存在なのです。それだけではありません。ミトコンドリアは脂肪や糖を燃やしてエネルギーをつくる「発電所」ですから、減れば体が冷えて不調を抱えやすくなる一因に。逆に増えると疲れにくくなり、朝のめざめもよくなるうれしい効果が得られます。

つまりミトコンドリアは健康維持の鍵も握っているのです。

増やすといいことだらけのミトコンドリアだけに、どうすれば増えるか、さまざまな研究が行われてきました。たとえば「きつい」と感じる運動を長時間行うことを習慣化できれば、ミトコンドリアは増えることがわかっています。体が追い込まれてエネルギー不足を感じると、細胞はミトコンドリアを増やすように働き始めるというしくみです。

あとは食事を腹七分以下にとどめたり、1日の総摂取カロリーを減らしたりして空腹状態を保つという方法で「長寿遺伝子」とも呼ばれるサーチュイン遺伝子が活性化し、ミトコンドリアが増えたという報告があります。

ほかにも、冷水風呂に浸かったりアイスパックを体に当てたりする寒冷刺激でも、細胞はエネルギーが必要と認識してミトコンドリアを増やすことがわかっています。ただ、いずれも鍵となるのは「体を限界に追い込む」こと。どれも並大抵の努力や精神力、忍耐力では続かない苦行のようなものです。「それができるならいまの体形にならない」と思う方も多いかもしれません。

もともと運動が苦手で続かない方や、食べることが大好きで食事や間食を控えることが難しい方にとっては、ハードルの高い解決策です。

最も楽にミトコンドリアを増やす方法とは

ここで朗報です。じつは体内には、特に多くのミトコンドリアがみっちり詰まっている7つの筋肉があります。お腹の深部にある大腰筋、太もも内側にある内転筋、太もも裏側の半腱様筋と半膜様筋、ふくらはぎにあるヒラメ筋、そして肩甲骨のあいだにある菱形筋とお腹を覆う腹横筋の7つです。これらの筋肉でうまく働いていない部分を使えるようにするだけで、一気にやせやすくなるのです。

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おもに背中やお腹、腰まわりで姿勢の維持に使われる、この7つの筋肉は、骨に直接くっついて骨格や関節を正しい位置に保持することから「インナーマッスル」とも呼ばれています。体内の脂肪をどんどん燃やしてエネルギーに変換するミトコンドリアの働きが活発なので「ミトコンドリア筋」とでも呼びたい筋肉です。この「ミトコンドリア筋」は、筋トレで鍛える筋肉のように大きくのび縮みはしませんが、少しのばし続けることでかなり血流が促進され、体温が上がって基礎代謝も高まります。

ここがよく動くと、付随する関節の可動域も広がり動作も大きくなるため、日常生活でのエネルギー消費量もアップ。筋繊維の密度まで高まっていくので、ミトコンドリアもさらに増加します。こうした変化が、脂肪をどんどん燃やしてエネルギーに変換しまくる体を取り戻すのです。

「ミトコンドリア筋」に秘められた脂肪を燃やす力は、ミトコンドリアの少ないアウターマッスルの約30倍。つまり「やせ力」を爆発的に高められる筋肉ということです。

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提供元:30代後半から無慈悲に太り続けてしまう根本原因|東洋経済オンライン

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