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2021.05.31

「コーヒーを夜中にも飲む人」に襲いかかる超危険|深夜のカフェイン摂取「脳にムチ打つ」のと同じ


コーヒーを夜中に飲んでしまう人に襲いかかる「危険」とは?(写真:jessie / PIXTA)

コーヒーを夜中に飲んでしまう人に襲いかかる「危険」とは?(写真:jessie / PIXTA)

コーヒーやお茶、最近だとエナジードリンクなど、普段からカフェインが含まれるドリンクを飲む方は多いでしょう。

カフェインのメリットとしては、(1)覚醒効果(眠気防止効果)、(2)脂肪燃焼効果、(3)鎮痛効果、(4)食欲増進効果(胃酸分泌促進)などがあります。

コーヒーやお茶のすごいメリット

さらにコーヒーやお茶には、科学的にも病気の予防効果、寿命の延長効果などの健康効果が、多数報告されています。飲みすぎない、遅い時間に飲まない限りにおいて「コーヒーやお茶が健康にいい」ことは間違いないでしょう。私自身、コーヒーや中国茶をほぼ毎日飲んでいます。コーヒーにはクロロゲン酸、日本茶や中国茶にはカテキンなど、さまざまな種類のポリフェノールが大量に含まれています。

ポリフェノールは、植物に含まれる苦みや色素の成分で、自然界には5000種以上存在すると言われます。抗酸化作用が強く、活性酸素を減らし、動脈硬化や生活習慣病の予防にも役立ちます。

具体的には、継続的なコーヒーの飲用は、さまざまながんのリスクを50%以上低下させると言われています。心臓疾患リスクを44%低下、糖尿病リスクを50%低下、胆石、白内障などのリスクも減らし、さらには死亡率を16%減らすといった報告もあります。

また、コーヒーや緑茶は、メンタルへの予防効果が報告されています。コーヒーの飲用でうつ病リスクが20%減少、自殺の危険性が約50%減少、アルツハイマー病のリスクを65%低下させ、その発病や進行を2~5年遅くするという報告もあります。

日本では、緑茶を1日4杯以上飲む人は、1杯以下の人と比べて、うつ病リスクが半分になるという研究もあります。

カフェインには、眠気を払い、集中力を高めてくれる効果もあります。一方で、飲み方を間違えると、「睡眠障害」につながるリスクもあります。

ではコーヒーやお茶は何時までなら飲んでいいのでしょうか? 最近の研究では、「寝る前6時間以内のカフェイン摂取」は、睡眠に悪影響を与えことがわかっています。

カフェインの半減期は4〜6時間ほど。つまり、コーヒーを飲んで5時間経っても、その半分のカフェインが体内に残っていることです。カフェインの分解には意外と時間がかかります。

さらにカフェインの代謝は個人差があるため、実際の半減期は2〜10時間と人によってかなりばらつきがあります。また、高齢になると代謝能力が低下するため、高齢者ほどカフェインの取りすぎには注意したほうがいいでしょう。これらすべての条件を加味すると、コーヒーやお茶、エナジードリンクを睡眠障害のリスクなしに飲める門限は、なんと「14時まで」と言われています。

「自称・カフェインに強い人」ほど要注意

時折、「私はカフェインに強いので、夜にコーヒーを飲んでも大丈夫」という人を見かけますが、こういう人も要注意です。

以前、「自称・カフェインに強い人」を対象に、寝る直前にコーヒーを飲んでもらったところ、入眠までの時間が普段よりも1時間延長しました。しかも、睡眠時間の延長を自覚できた人は一人もいませんでした。つまり、「自称・カフェインに強い人」も実は睡眠障害を引き起こし、さらにその事実に気づいていないわけです。

カフェインは、睡眠障害の「隠れ原因」の1つ。普段、睡眠薬を飲んでいる人は、カフェイン摂取を避けたほうが賢明でしょう。

オーストラリアの長距離ドライバーを対象にした研究では、カフェイン摂取により事故リスクが63%低下していました。カフェインは、運転中の眠気を減らし、集中力を高めて、事故リスクを減らします。運転中に眠気が出たとき、緊急回避的にカフェインで眠気を払うのは、ありだと思います。

一方で、徹夜仕事になりそうなとき、深夜にエナジードリンクを何本も飲む人がいますが、これは全くお勧めできません。カフェインは脳の疲労物質アデノシンを抑制し、眠気を感じさせなくします。つまり、眠気の感受性を低下させる、脳を誤魔化しているだけで、実際に疲労回復しているわけではありません。

徹夜明けに帰宅しても、深い眠りに入ることはまず困難。結果、睡眠不足に陥り、脳の疲労が解消されないまま、次の日の仕事に向かうことになります。

深夜のカフェイン摂取は、脳にムチ打つのと同じです。脳に過剰な負荷をかければ、ストレスホルモンも増加します。さらに、毎日のように大量のカフェイン摂取を続ければ、体はより多くのカフェインを要求するようになり、「カフェイン依存症」になります。そうなると、脳のパフォーマンスだけでなく、眠気や疲労を感じるセンサーも壊れてしまい、健康には極めて有害です。

コーヒーは「1日何杯」まで飲んでいいのか?

結局のところ、コーヒーやお茶は「1日何杯」まで飲んでいいのでしょうか。

体型やカフェインを代謝する能力には個人差があるので、非常に難しい問題ですが、「1日2杯程度のコーヒーを14時までに飲む」というのはカフェインとの健康的な付き合い方と言えます。

(画像:『ブレインメンタル強化大全』(サンクチュアリ出版)より)

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カフェイン、そしてカフェイン含有飲料にはメリットとデメリットがあります。それらを理解した上で上手に付き合えば、仕事や運動のパフォーマンスを高め、リラックス効果も得ることができます。

「遅い時間に飲まない」「大量に摂取しない」、この2つのルールを守って、あなたの健康に役立てていただければ幸いです。

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提供元:「コーヒーを夜中にも飲む人」に襲いかかる超危険|東洋経済オンライン

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