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2021.04.23

「気弱でノーと言えない人」が自分を守る対処法|もし無茶なお願いをしてくる相手に出会ったら


断れない性格の「気弱さん」はどう対処したらいいのでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)

断れない性格の「気弱さん」はどう対処したらいいのでしょうか(写真:Graphs/PIXTA)

自分に自信がないことが原因で、生きづらさを強く感じている――。そういった「気弱さん」が、降りかかってくる困難から自分自身を守るには、どのようなコミュニケーション作法を身につけたらいいのでしょうか。スピーチライターの蔭山洋介氏が上梓した『「気弱な人」の失敗しない話し方』より一部抜粋・再編集してお届けします。

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「守り」のコミュニケーション術を身につける

コミュニケーション術というと、自分の意見を堂々と話したり、相手をわかりやすい言葉で説得して商品を販売したりすることを目指す「セールストーク」のようなイメージがあるかもしれません。話し方の本の大半は、そのような積極的な「攻め」の話し方を紹介しています。

例えば、お笑い芸人の中田敦彦さんは、YouTube大学で華麗なプレゼンテーションを披露して人気を集めています。YouTube大学では、本の内容をホワイトボードに書いたアウトラインに沿っておもしろおかしく話していくのですが、ほぼ間違いなく、著者がしゃべるよりも、より興味深く伝えられていると思います。

あんなふうに話せたらなあと思うかもしれませんが、気弱さんが目指しても簡単には習得できませんし、そもそも目指す必要もありません。

気弱さんにとって重要なことは、巧みな話術を身につけることではなく、コミュニケーションの中で発生する同調圧力、「私はこう思うんだけど、あなたもそう思うよね?」とか「これ、やってくれるよね?」というものに対して、「そうは思わない」とか「やりたくない」と伝えられるようになること、ただこの一点だけなのです。

もちろん話術を身につけてもいいのですが、それは気弱さんの気弱を克服することと、ほとんど関係がありません。実際、セミナー講師として活躍している気弱さんもいます。セミナー講師ですから、熟練した話術を身につけていますし、原稿どおりであれば場をリードする力も持ち合わせています。

しかし、このような話術は、原稿があればこそです。同調圧力の中で意見を求められたり、お願いされたりすると、結局自分を貫けず、苦しい思いをします。攻めの話術では、気弱さんに降りかかってくる困難から自分を守ることができないのです。

ですから、攻めの話術ではなく、守りのコミュニケーション術を身につけたいわけですが、こういうと、気弱さん以外の人は、「そんなの勇気を振り絞ってノーと言うだけじゃないか」と思うはずです。

しかし、気弱さんには、それができません。実際、ノーと言えないので、代わりにノーと言ってもらうためのサービスが登場するほどです。そのサービスとは、「退職代行サービス」です。

上の世代では、最後くらい自分の口でしっかりと事情を説明するのが礼儀だと考える人が多いと思うのですが、そういう考え方はもはや過去のもののようです。気弱さんが、退職代行を使うのは、退職の相談をするときに相手に何を言われるのかわからないということと、退職でさえも説得されてしまって辞められないのではないかという恐怖があるからでしょう。

今の時代、想像以上にノーと言うのが難しくなっているのかもしれません。しかし、このようなコミュニケーションの代行サービスが使えるのは、ごく限られたシーンだけですから、代行サービスを使わなくても、自分を守れるようになる必要があります。

無茶な要求をしてくる人にはどう対処?

気弱さんは、とにかく断るのが苦手です。とくに強引に誘ってくる相手には、ノーと言うことができません。一度ノーと言っているのに、その意見を「ないわぁ」「大丈夫でしょ」などの言葉で打ち消されて、その場のノリを優先するよう強要されます。

そして、強くノーと言えずに、嫌な気持ちを察してほしそうな曖昧な態度を取っていると、なぜか逆に、イエスと返事をしたことになって、そのお願いを受け入れざるをえなくなるのです。

これが、我慢できる範囲のお願いであれば、ちょっと嫌な思いをするだけで済むのですが、時々無茶なお願いをしてくる人がいます。絶対に動かせない予定を動かすように強要してきたり、厳しい束縛をしてきたり、他人を攻撃するようなお願いを強要されることもあります。

このような無茶なお願いをしてくる相手には、気弱さんの嫌な気持ちを理解したうえであえて頼んでくる人と、気づかずに頼んでくる人がいます。どちらも、気弱さんにとっては大きな心の負担になるのですが、より危険なのは、あえて頼んでくる人です。

その場合、気弱さんを子分のような存在だと考えていて、自分への忠誠を試し、より従順な子分に仕立てようとしている可能性があります。

これは無理難題を聞いてくれるなら、子分でいてくれるだろうという考え方です。また、強要される側も、一度従ってしまったら引き返せないと覚悟が固まってしまい、よりいっそう自分を殺して従順であろうとしてしまいます。これは、マインドコントロールの手法そのもので、とても危険です。

気弱さんは優しいので、相手がこちらの状況や気持ちを理解してくれれば、対応を変えてくれると思うかもしれません。しかし、このような相手は、「話せばわかってくれる」という可能性はありません。嫌な気持ちを理解したうえで、あえてお願いをしてきているからです。

心を壊す前に「逃げる」

気弱さんが、この種の操作してくる人と出会ってしまったら、とにかく逃げるしかありません。コミュニケーション力を高めれば戦えるようにもなるのですが、すぐには難しいでしょう。理屈が通っていないような話でも、気弱さんの場合、少し恫喝されればパニックになって黙ってしまうからです。

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ですから、もし自分の嫌な気持ちを伝えてもなお「あなたのため」などと言って、無理なお願いを繰り返してくる人、威圧してくる人に近づいてしまった場合、とにかく逃げてください。

逃げる方法は、基本的にはなんの前触れもなく連絡先をブロックするだけです。何をされるかわからずものすごく怖くなると思いますが、勇気を出してブロックしてください。

会社や学校、家庭などで逃げ場がないときは、耐えるか、物理的に本当に逃げるかの選択が必要です。耐えられないと判断したときは、早めに逃げてください。

心は意外にもろいものです。人は長く我慢し続けることはできません。逃げた後のことが心配になるかもしれませんが、そのままで心を壊すより、ずっと良い選択です。

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提供元:「気弱でノーと言えない人」が自分を守る対処法|東洋経済オンライン

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