2021.04.20
話し方が突然うまくなる秘伝「ヤッホーの法則」|30秒で好印象に!「滑舌」も解消!凄すぎる秘策
大事なプレゼンや、普段の話し始めにも応用できる「ヤッホーの法則」を紹介!(写真:EUI/PIXTA)
日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。
その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「話し方が突然うまくなる秘伝『ヤッホーの法則』」について解説する。
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「たった30秒」で印象は劇的に変わる!
新年度が始まりはや半月。入学、入社、転勤などで新生活を始められた方はまだまだ戸惑うことも多いことでしょう。
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コロナ禍で、人に会ったり、おしゃべりしたりする機会も減り、口周りの筋肉も動きにくく、言葉も出にくい。そんな人もいるかもしれません。
この連載では、話し方を変え、人生を変える「魔法のルール」を数々紹介してきましたが、今回はこれまで大勢の日本のエグゼクティブにお教えしてきた即効技の中でも、「最も効き目が高い」と評判の「とっておきスキル」を特別に紹介します。
「30秒で、あなたの印象が劇的に改善する超秘技」。それは、「ヤッホーを3回唱える」。たった、それだけです。
その詳しい解説は後ほどするとして、まずは「声」と「印象」の関係性について考察していきましょう。
『人は見た目が9割』というベストセラーがありましたが、人の印象は大まかに言って、「見た目5割、声4割、言葉1割」で決まるという説があります。
「何を言うのか」よりも、「どのように言うのか」が大切というのは一理ありますが、「容姿」などの見た目だけではなく、実は「声」も人の印象形成に大きく影響してくるというのはあまり知られていません。
これまで、1000人を超えるエグゼクティブに話し方のコーチングをしてきた私からすると、リーダーシップを発揮するコミュニケーションにおいては、「『見た目1』:『声3』:『言葉3』:『情熱(思い・エネルギー・志など)3』」といった配分ではないかなというのが実感です。
これまで何回もお会いした孫正義前ソフトバンク会長や永守重信日本電産会長などのカリスマリーダーの話し方は、まさにこの4つが絶妙なバランスで配合されています(「見た目が……」という意味ではありません!)。
やはり、リーダーは、「見てくれ」だけでは通用せず、強い思いや気を持ち、「心に響く言葉の使い手」でなければなりません。そして、「声」もリーダーシップを大きく左右する要素なのです。
「声はその人そのもの」
「声はその人そのもの」。これは、声が小さい、滑舌が悪いと悩んだ私が、「声修業」のために通ったニューヨークのボイスコーチの言葉です。声はその人の性格や人間性といった「人自身」を映し出す鏡ということ。
ブロードウェー俳優などが通うアクティングスクールのボイストレーニングのコースにみっちり通って、発声のABCを学びましたが、目からうろこが何枚落ちたかわからないほど、納得の内容でした。
声で重要なのは「大きさ」や「滑舌」ではありません。以前、日本でとあるプレゼン教室に参加したとき、講師が「声は大きく、ゆっくり。ジェスチャーもとにかく大きく」と判で押したように繰り返すのには、ほとほと辟易しました。
日本のボイストレーニングクラスにも通ってみましたが、「基本の理論」などをすっ飛ばして、滑舌をよくする練習ばかりひたすらやらされ、すっかりのどを痛めてしまいました。
一方で、ニューヨークのクラスでは、俳優でもあるコーチが、まずは「声が出る仕組み」を徹底的に解説してくれました。
最も重要なポイントは、「声は呼吸」であるということ。横隔膜、咽頭などなど、それぞれが「どういう動きをして、声が出るのか」を学んだうえで、「いかに全身を緩め、声を出すのか」を学びました。
それはのどや口だけの動きではなく、まさに「全身」を使ったエクササイズ。「聞きやすさ」「滑舌」を重視する説明スタイルの「アナウンサー的発声法」と、「腹の底から情念をほとばしらせ、観客の心を揺さぶるか」に勝負をかける「ブロードウェー式発声法」とでは、やはり目的もやり方もまったく違うということなのかもしれません。
滑舌や声の通りやすさ、大きさはもちろん大切ですが、そうしたうまさが心を打つとは限りません。「人を魅了し、動かす話し方」で大切なのは、以下の3つです。
「滑舌がいい話し方」より「自分らしい話し方」が大事
(1)「滑舌」より「個性」のほうが大事
確かに滑舌のよさは武器になりますが、社長や役員で、やたらと滑舌がよくて、アナウンサーのようにしゃべる人が、カリスマ性があるかと言えばそうではないですよね。
とつとつと話しても、時々つかえたとしても、「その人らしい話し方」のほうが、よほど共感されやすいものです。
(2)「ゆっくり」「大きく」より「変化」「抑揚」が大事
よくプレゼンなどで、「声は大きく、ゆっくり」などと教える人がいますが、同じトーンでがなり立てる政治家のつじ立ちが印象に残らないように、声は大きければいいわけはありません。
大切なのは「同じトーン」「同じ音量」「同じスピード」で延々と淡々と話し続けず、「変化」「メリハリ」「抑揚」をつけることです。
若い人向けにはスピーディーに、年配者向けにはゆっくり話すなど相手が心地いい速さで話すなどの工夫も大切です。
3つめは「『滑らかさ』よりも『自分の言葉』」を話すことです。
(3)「滑らかさ」よりも「自分の言葉で、思いを込めて話す」のが大事
立て板に水で「上手に話すことを目指す必要はない」のです。原稿を用意して、そのまま読み上げるより、「自分の言葉で、思いを込めて、話す」ほうが伝わりやすいものです。
政治家のスピーチが心に響かないのは、かしこまった書き言葉の原稿をそのまま読んでしまうから。「自分の思いをほとばしらせる話し方」のほうが聞き手はよほど、引き込まれるものです。
「ヤッホーの法則」はさまざまな場面で応用できる
「いやいや、そんなことわかっている……」と思われた方も多いかもしれませんが、実際、頭でわかっていても実践するのはなかなか難しいものですよね。
とくに日本人は、あまり表情を出さず、「一本調子で、棒読み調の話し方」をする人が、世界の中で最も多いかもしれない人たちです。
現実問題として、私のこれまでの「生徒」のほとんどが、「男は黙って」「以心伝心」道を歩んで数十年という「おじさまたち」で、その鉄壁の「鎧」を外し、抑揚を込めて話すなどという経験がまったくない人たちばかりでした。
では、そういった人たちが、どうやって言葉に思いや熱量を乗せていくことができるようになるのか。
さんざん考えた揚げ句、思いついたのが、冒頭にちらっと紹介した「ヤッホーの法則」でした。プレゼンや挨拶のオープニングでも使えますし、「リモート会議」や「普通に誰かと会って話す際」の冒頭でも使えます。
「恥ずかしい」という「殻」を破り、聴衆や話し相手との共感をつくることのできる一挙両得のスゴ技です。実際に試してみると、100人中99人がその「即効性」を実感していただける、とっておきの魔法です。
さっそく、その「奥義」をお教えしましょう。
その「とっておきの魔法」のやり方は、とても簡単です。
(1)「山登りをして、山頂にたどりついた」という想定で、「ヤッホー」と3回叫んでみましょう。
(2)1回目は「ド」、2回目は「ミ」、3回目は「ソ」の音程で。とくに音階の正確性にこだわる必要はありませんが、段階的に上げてください。
(3)それとともに、声量も上げていきます。
(4)発した声を放射線の弧のように飛ばし、隣の山まで届かせるイメージをもちます。
(5)3回目のヤッホーの直後にその音程と音量を保ったまま、プレゼンの第一声を発します。
たったこれだけです。つまり、
「ヤッホー」「ヤッホー」「ヤッホー」「みなさんこんにちは!」
といった具合です。
話し方が劇的に変わる「ヤッホーの法則」の実演は、こちらで詳しく見ることができます(画像:編集部作成) ※外部サイトに遷移します
この練習は、声のエネルギーとテンションを上げることが目的です。
みなさんはどうしても1回目の「ヤッホー」の低いテンションで第一声を発してしまいがちです。聴衆のエネルギーレベルは、あなたのエネルギーレベルに比例します。元気のない、張りのない声では、聴衆を魅了することはできません。
もちろん本番では「ヤッホー」は心の中で唱える形になります。しかし、「何もせずにいきなり話しはじめる」のと、心の中で3回「ヤッホー」を唱え、「そのエネルギーを維持したまま話す」のでは、冒頭の印象が「劇的」に変わってくるのです。
「ヤッホー」で「『恥ずかしさ』の壁」が突破できる
この「ヤッホーの法則」がなぜ「効く」のか。それは「ただ声を大きく」「エネルギーを込めて」と言われても、どれぐらいの大きさで、どれぐらいの熱量を込めればいいかわからないわけですが、この法則だと、「ホップ・ステップ・ジャンプ」というように勢いをつけて、エネルギーを上げていけるからです。
走り幅跳びの助走や跳び箱の踏切板のように「声に弾みをつける」という感覚でしょうか。また、プレゼンなどでは、会場の最も遠くまで放物線上に声を届けてほしいわけですが、実際に「ヤッホー」と隣の山まで届かせようとする姿はイメージしやすいですよね。
「ヤッホー3回」で、「恥ずかしさ」という「重力の壁」を突破すれば、あとは、もう「無重力空間」で縦横無尽、「無敵」の話し手になれるはず。
だまされたと思って、「世界最高の話し方」スキルの1つ「ヤッホーの法則」ぜひ、お試しください!
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提供元:話し方が突然うまくなる秘伝「ヤッホーの法則」|東洋経済オンライン