2021.04.07
管理栄養士直伝!心と体を満たす“おやつの賢い選び方“
子どもの帰宅後のおやつ。「お菓子ばかり食べていて心配。だけど、一体何を食べさせたらいいの?」と悩んでいませんか?おやつは毎日のことだからこそ、子どもの体に必要なもの、そして手間のかからないものを用意したいですよね。この記事では、活動の幅が広がっていく小学校低学年の子どもにおすすめのおやつをシーン別にご紹介します!
子どもにとって「おやつ」とは?
子どもはおやつが大好き!でももしかしたら「おやつ=甘いもの・スナック菓子」と思っているかもしれません。
おやつの役割は主に二つあります。一つは、気分転換や生活にうるおいを与えるなど“心の栄養”となること。甘いものやスナック菓子は幸せな気分をもたらしてくれる代表的なものですよね。
そしてもう一つの役割は、食事では摂りきれないエネルギーや栄養素を補うこと。好きなものを好きなだけ食べてよいわけではなく、心も満たしながら、成長に必要なエネルギーや栄養素を摂ることが大切です。子どもの食事を調査したところ、食塩と脂質の過剰摂取、食物繊維とカルシウムの不足が見られたそうです。これらの過不足を調整することもおやつに求められているのです[1-2]。
甘いものやスナック菓子との付き合い方
子どもにとって、甘いものやスナック菓子を食べられるおやつの時間はとても楽しみな時間。しかしながら、これらは炭水化物や脂質が多く、エネルギー(カロリー)が高い傾向にあります。好きなだけ食べていると、エネルギー(カロリー)が過剰となり肥満につながる可能性もあります。また、食べ過ぎにより夕飯が食べられなくなってしまうと、ますます必要な栄養素を摂ることができなくなってしまいます。スナック菓子は、子どもの食の最大の課題でもある食塩が多いことも心配です。甘いものやスナック菓子を食べる時には、量や頻度に注意が必要となります。食べない日をつくったり、他のおやつと組み合わせて量を減らしたりすることで調整できるといいですね!
また、見落としがちなのが飲み物のエネルギー(カロリー)。基本的にはお茶、もしくはカルシウムの補給のために牛乳がおすすめです。ジュースを飲むときは量を決めて飲み過ぎないようにしたいですね[1-2]。
シーン別おすすめおやつ
ひとくちに「おやつ」といっても、さまざまなシーンがあります。習い事に行く日があったり、スポーツをする子では活動量が増え、必要なエネルギー量が増えていたりするので、シーン別におすすめのおやつをご紹介します。
(1)帰宅後の夕食までの間に食べるおやつ
夕食に響かない程度の軽めのおやつがよいでしょう。エネルギー(カロリー)は、200kcal以内を目安に、不足しがちな食物繊維やカルシウムを補えるといいですね。果物やヨーグルト、チーズがおすすめです。きな粉やドライフルーツをヨーグルトにトッピングすると手軽に栄養素を補給できますよ!手作りできるなら、野菜のおやきや芋もち、レンコンもちをつくるのもいいかもしれません。小麦粉・片栗粉に混ぜて焼くだけなので簡単につくることができます[3]。
(2)習い事で夕食が遅くなる場合のおやつ
習い事の途中に空腹を感じないよう腹持ちのよいものを食べさせてあげたいですね。軽めの食事と考えて、おにぎりやサンドイッチ、具沢山の野菜スープなどがおすすめです。菓子パンは栄養面ではそれほど期待できないため、具材によってたんぱく質やビタミンなども摂ることのできるサンドイッチのほうがいいですね[3]。
(3)スポーツをする子のおやつ
運動量が多い分、エネルギーや栄養素をたくさん必要とします。スポーツの上達のためには土台となるからだ作りも大切なこと。おにぎりやサンドイッチ、ふかし芋などでエネルギー源をしっかりと補給しましょう。不足しがちな栄養素を十分に補うこともからだ作りには重要です。果物や乳製品も積極的に摂りたいですね。甘いものやお菓子では強い体は作られません。食事の大切さを伝えることがとても重要です[3-4]。
(4)休日のおやつ
給食のある平日と比べると、休日はカリウムとカルシウムが少ない傾向にあると言われています。学校給食が子どもに必要な栄養素摂取を支えてくれていることには感謝しつつ、家庭でもこれらの栄養素を意識してとることも大切です。
家族がそろう休日には、ちょっと特別なおやつもうれしいですね!外出先で食べたり、家族で作って食べたりすれば、記憶に残るおやつタイムとなりますね[2]。
手間いらずのおすすめストック食材
おやつは毎日のことだからこそ、できるだけ手間をかけないことも必要です。牛乳やヨーグルト、チーズ、旬の果物は常備しておくと便利です。バナナやパイナップルは冷凍しておくと、特に夏場はアイス代わりになり重宝します。干し芋やドライフルーツ、おもちは長期保存が利くのでストックしておくことをおすすめします。トッピング用にきな粉やゴマ、ちょっとした甘味付けにはちみつがあると助かりますよ!
時には子どもと一緒に作ることで、食育にもなります。白玉だんごやスコーン、クッキーなどは冷凍しておくこともできるので、多めに作っておくと便利ですね!
心も体も満たされるおやつタイムを!
帰宅後の過ごし方や平日と休日のちがいなど、おやつの種類や量はそのときどきで変化するもの。自分の生活スタイルに合わせて食べるものを選べるようになることは、子どもの将来にとても大切な力です。毎日のおやつを通して、食べる量や内容・時間など、子どもが自分で食を選ぶことができる力(食選力)を身につけられるといいですね。
おやつの“心の栄養”という役割は非常に大きいと思います。子どもと一緒に笑顔あふれる楽しい時間を過ごしてくださいね。
【参考文献】 (すべて2020年4月29日閲覧)
[1]厚生労働省「e-ヘルスネット|間食のエネルギー(カロリー)」 ※外部サイトに遷移します
[2]佐々木敏, 「一枚の図からはじめるEBN 佐々木敏がズバリ読む栄養データ(第77回)子どもたちの健康と食事 いま学校給食の役割はなにか?」『栄養と料理』女子栄養大学出版部, 2017年8月号, p.117-121
[3]農林水産省「子どもの食育|おやつの工夫」 ※外部サイトに遷移します
[4]厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)|エネルギー」 ※外部サイトに遷移します
【プロフィール】管理栄養士 諏訪朋子
「子育ても仕事もよくばって楽しむママになろう!」をモットーに活動中。2児の母。
コラム執筆、キャリア支援、子どもの食育スクール「青空キッチン志木」主宰。EBN(科学的根拠に基づく栄養学)の考え方を大切に、子どもの食の悩みやママの働き方を考えるサイト『manma.ME(マンマミー)』を運営している。子ども×おいしいもの×旅が大好きな“よくばりワーママ”実践中。
▼ママを応援するサイト『manma.ME(マンマミー)』 ※外部サイトに遷移します
記事提供:リンクアンドコミュニケーション
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