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2021.04.01

「朝から集中できる人」が寝る前にやっている事|机の上を片付けるだけでも翌朝の調子が変わる


「寝る前に机を片付ける」……夜の時間の有意義な使い方を指南します(写真:Rhetorica/PIXTA)

「寝る前に机を片付ける」……夜の時間の有意義な使い方を指南します(写真:Rhetorica/PIXTA)

世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスによるパンデミックで、時間の使い方を見直した人は多いのではないでしょうか。通勤や飲み会に費やしていた時間が減ったことで自由時間が増えたにもかかわらず、時間がうまく使えないと考えている人も少なくないはず。本稿では、リーダーシップ・行動心理学の研究者であり、『タイムマネジメント大全』の著者、池田貴将氏が、朝のパフォーマンスを向上するための、夜時間の有意義な使い方を指南します。

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夜寝るのがつい遅くなってしまうワケ

コロナ禍で自宅にいる時間が増えた人にとって、生活サイクルを変化させることは人生に大きな影響をもたらします。そのためか、一時さまざまなメディアでモーニング・ルーティンが話題になりました。が、本当に朝時間を活用するには、その前に夜、早く寝なければなりませんよね。

しかし、夜というのは魔の時間になりやすいもの。朝、出勤する必要がないという気のゆるみから、ついネットサーフィンをしたり、動画を見たりして、寝る時間が遅くなってしまう人が多いのではないでしょうか。

今日こそ早く寝ようと思っているのに夜ダラダラしてしまうと、「自分はなんて意思が弱いんだ」と自分を責めてしまう人もいるかもしれませんが、夜寝るのが遅くなってしまうのは意志が弱いからではありません。

「意志力」というのは、自制心であり、セルフコントロールする力ですが、心理学者のロイ・バウマイスター氏は、何千人もの被験者を調査して得られた結果として、「意志力」について次のように2つの特徴をまとめています。

・意志力の量には限りがあり、それは使うことで消費する

・あらゆる行動に用いられる意志力の出どころは1つである

勉強や仕事だけでなく、ご飯を食べたり人と話したりするのも、すべては同じ意志力を使っていて、使うほどに消費する、というわけです。

そしてその意志力は次の4つをするたびに消費されていきます。

1. 思考のコントロール

2. 感情のコントロール

3. 衝動のコントロール

4. パフォーマンスのコントロール(取り組んでいる作業をやめたいと思っても我慢してやり通すことなど)

こうしたことを通して意志力を消費してしまうと、人は簡単に誘惑に負けたり、早く諦めやすくなることがわかっています。すると、大切な判断をしなければいけないときに冷静さを欠いたり、挑発に過剰に反応してしまってトラブルが起きやすくなるのです。

1日中意志力を使ってきたわけですから、疲れている夜ほど誘惑に負けやすくなるのは当たり前といえるでしょう。

朝に向け「夜のルティーン」を作る

意志力のなくなった時間に誘惑に対抗するには、余計な選択や我慢、感情を使わずにすむように、「夜のルーティン」をつくることをおすすめします。僕がおすすめする「夜のルーティン」は以下の4つです。

・ 翌朝の「理想の状態」をつくる

・ 読書

・ スマホを別の部屋に置く

・ 感謝することを考える

まず、「翌朝の『理想の状態』をつくる」については、僕の場合「デスクの上のものをすべて片づける」ことになります。朝せっかく早く起きても片づけからスタートしては、朝イチの意志力を消費してしまいます。朝は座ったらそのまま仕事ができるような状態にしておくのが理想です。

ちなみに、人が集中を途切れさせてしまう大きな原因となるのが視界から入ってくる余計な情報です。今やるべき仕事以外のものが目に入ると「ああ、あの件でメールを忘れていた」とか「この書類の締め切りはいつだったっけ?」というように別のことを連想して集中を途切れさせてしまいますから、机の上には何も置かないことをおすすめします。

すべてのものを収納できないという場合は段ボール箱を用意して、机の上のものをいったんすべて移し、まっさらなデスクにするだけでも効果があります。

寝る前の習慣として絶対にハズせないのが読書です。熱心な読書家として知られるビル・ゲイツ氏は、寝る前には必ず1時間の読書をしているそうです。

読書には、知識を得るという利点はもちろんのこと、ストレスを下げ、記憶力を向上させる効果があります。2009年のエセックス大学の研究によると、1日わずか6分読書をするだけでもストレスレベルが最大68%も下がることがわかっており、また読書の習慣がある人は、年齢を重ねたときに認知機能の衰えが平均で32%も減少したというイギリスの研究報告もあります。

能力アップにもストレス解消するにも、大きなメリットがあるのが読書といえるでしょう。

また、ニュースサイト「ハフィントンポスト」の創設者であるアリアナ・ハフィントン氏は睡眠を邪魔されないよう、ベッドに入る前にはスマートフォンを別の部屋に置いて寝るそうです。フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏も同様に語っています。

どちらもインターネット関連の会社の経営陣なだけに、スマートフォンが睡眠の邪魔になるというのも説得力がありますよね。

ハーバード大学の睡眠医学の教授であるチャールズ・ツァイスラー博士によると、スマートフォンの画面から出る光(ブルーライト)は、脳に昼間であるかのように思いこませ、スムーズな睡眠に入ることを邪魔するそうです。僕も寝室には持ち込まないようにしています。

「感謝」は幸せホルモンを出す最も簡単な方法

ポジティブ心理学の研究によって、感謝するだけで脳からセロトニンやドーパミンなどのホルモン物質が放出され、気分がよくなるのはもちろん、幸福度が上がることがわかっています。

私たちは感謝することによって、自尊心が高まり、免疫システムが強化されます。結果的に人間関係にもいい影響があるのです。これを習慣にすることで、脳内で感謝の回路が強化され、永続的に幸福感を高めることもできます。

感謝の対象は、誰かでも、自分自身でも、自然環境でも、なんでも大丈夫です。もちろん、口に出して相手に感謝を伝えればその効果は絶大ですし、「感謝ノート」のようなものをつけるのも効果的です。でも、そこまでするのはハードルが高いという場合は心の中で感謝するだけでOK。

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自分が、「誰かや何かに支えられて生きているんだ」と感じることが大切なのだと思います。それなら今日から寝る前にできますよね。実際、とても穏やかな気持ちで眠りにつけるので、おすすめです。

ちなみに就寝時間をずらさないために、僕は夜の8時半にタイマーをかけることにしています。タイマーが鳴ったらお風呂を洗うことから始めて、本をもってベッドに入るまでの流れを淡々と行うようにしているのです。

アラームをセットして夜の「初動」をコントロールすると、ネットやテレビにつかまりにくくなりますので、寝るのが遅くなりがちな人はぜひ試してみてください。睡眠時間がしっかり確保できると、翌朝の気分も変わります。

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【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

自粛生活に「幸福を感じた人」が口々に語る理由

寝ても疲れがとれない人がすべき「3つのこと

寝る前「1分の仕込み」で睡眠は劇的に改善する

提供元:「朝から集中できる人」が寝る前にやっている事|東洋経済オンライン

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