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2021.03.08

「世界最高の上司」になる、たった1つの簡単法則|「ほしかき」と「みかん」の法則、知ってますか


これからのマネジメントに必要な「ほしかき」と「みかん」とは?(写真:metamorworks/iStock)

これからのマネジメントに必要な「ほしかき」と「みかん」とは?(写真:metamorworks/iStock)

日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。

たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。

その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。

コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「『世界最高の上司』になる、たった1つの簡単法則」について解説する。

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コロナ禍で進む「上司と部下の『大分断』」

コロナ禍で、日本の職場が「分断」の危機にあります。

リモートワークを嬉々としてこなし、生産性も高まっている人もいる一方で、つながりを絶たれ、孤独感を覚える若者や部下とのコミュニケーションに悩む中間管理職も増えているのです。

職場のメンタルヘルスの現場で、そうした社員の姿を観察しているある産業医は、「適応できる人、できない人の格差が広がっている」と感じているといいます。

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「人づきあいが苦手な自閉傾向の強い人には『リモート万歳』という人が多いが、対面でのコミュニケーションをスタンダードとしてやってきた『50代以上の管理職のメンタル』が危ない」のだそうです。

「部下があまり話したがらない」「どう話しかけていいかわからない」など、「上司と部下のコミュニケーションの『分断』が進んでいる」というのは、日本の大手企業社員向けにメンタルヘルスサービスを提供するMD.ネットの専務取締役、渡辺ユキノさんの言葉。コロナ禍での「日本の職場のコミュニケーション不全」の現状を心配しています。

職場のコミュニケーションを円滑に「回していく」中心的存在であるべき中間管理職が今、最も不遇をかこい、悩んでいるわけです。ただ、中間管理職の中には、そもそも、部下とのコミュニケーションの「基本ルール」を知らないという人も少なくないようです。

では、部下とどのように対峙すれば、「愛される上司」になれるのでしょうか。

最近の上司の悩みでよく聞くのは、以下のようなものです。

【最近よく聞く上司の悩み】

「部下にうまく伝えられない」
「話をしたいが、部下があまり、乗り気でない」
「話を向けても『何も話すことはない』と心を開いてくれない」
「パワハラと責められるので、ろくに叱れない」
「褒め方がわからない」
「ウザがられるのではないかと心配で声がかけられない」
「部下との距離感が広がった」

ついつい及び腰になって、「コミュレス・コミュロス」状態という人もいます。ウェブ会議で報告や伝達ぐらいはできるが、1対1の対話をして関係性を深めていくことが難しい、という声もよく耳にします。

「上司力=話す力」です。「上司力」を上げるために、これからの上司はどのようなことを心がけていけばいいのか。まずは「よくある誤解」を2つ紹介します。

善意の「アドバイス」、実は「ありがた迷惑」

【誤解1】「言って聞かせる」はほぼ効果がない

残念ながら、自分の考えを、一方的に相手に押し付ける話し方では、まったく相手の心には響きません。

人間は基本的に「聞きたい情報しか聞いてくれない」生き物です。自分の言いたいことを一方的に伝え、自分の正しさを相手にもわからせようとしても、簡単には相手の気持ちは変わりません。

「説教」「責める」「怒りをぶちまける」「決めつけ」などもってのほか、善意のつもりの「アドバイス」も、実は「ありがた迷惑」であることも多いのです。

一方的に「〇〇しろ」と命令しても、相手の心を変えることは難しい。それよりも、「徹底的に相手に自分で考えさせて、自分なりに結論や解決法を導かせる」という「対話の技術」を磨いていくしかありません。

「頭の良さより『共感力』で人生が決まる納得理由」で、リーダーシップの形が「強権・教官」型から「共感」型に進化していると紹介しましたが、マネジメントは「支配・指令」ではなく、「自発・自律型」に変化しているということを認識しておく必要があるでしょう。

「頭の良さより『共感力』で人生が決まる納得理由」 ※外部サイトに遷移します

「部下は上司に対しての『ほうれんそう』は大切」と言われてきました。しかし、この考えはもう古いのです。

【誤解2】上司への「ほうれんそう」はもう古い

部下は上司に「報告・連絡・相談」をしろ、という、いわゆる「ほうれんそう」はもはや時代遅れです。なぜなら、そもそも上司が「ほうれんそう」を待つ「受け身」の存在になること自体が間違っているからです。

「話を聞かない」とイライラしたり、怒ったりしても仕方ない。コミュニケーションが成り立たないのは、多くの場合、伝え手の責任です。

ネットを検索すると、「ほうれんそう」の対案として、こんなものが見つかりました。

【ツイッターでバズった「おひたし」】

お:怒らない
ひ:否定しない
た:助ける(困り事あれば)
し:指示する

【マッキンゼーが採用したという思考のフレームワーク「ソラ・アメ・カサ」】

ソラ:「空を見ると曇ってきた(事実)」
アメ:「雨が降りそうだ(解釈)」
カサ:「傘を持っていこう(判断)」

縦社会の上下関係を前提とし、部下の自主性に期待するだけの「ほうれんそう」は通用しないのは明らかで、もっと戦略的で科学的に実証された「新しいルール」へとアップデートしていく必要がありそうです。

明文化されていないコミュニケーションのルールを、年号や公式のように覚えやすい形で法則化するのが私のライフワークです。

【簡単法則】「『ほしかき』と『みかん』」が、これからの上司の話し方

そこで「ほうれんそう」に代わる「上司の話し方の基本作法」を考えてみました。それが「『ほしかき』と『みかん』」です。

【『ほしかき』と『みかん』】

ほ:褒める
し:叱る
か:共感する
き:聞く
と:問う
み:認める
かん:感謝する

「褒める」の重要性は日本ではまだまだあまり理解されていないようですが、社員のモチベーションを思うままに爆上げする最強兵器であることは間違いありません。

褒めるばかりではなく、「叱る」スキルも必要。「叱る」については、「日本人が苦手な『叱り方』、一気に上達する5秘訣」を参考にしてみてください。「共感」については、ぜひ「部下の心情をおもんぱかり、寄り添うことができているか」と自問自答してみるのがコツです。

「聞く」「問う」については、つい親や上司はどうしても「●●しなさい」「〇〇したほうがいい」という説教モードになってしまいがち。そこをぐっと抑えて、まずは「聞く」ことが大切。相手が心を開き、「よりよい対話」に発展する「問い」を立て、相手の「やる気スイッチ」を探し当てていくのです。

そのうえで、部下の存在、働き、変化に気づいて「認め」、貢献や努力、成果に「感謝」をする。この7つのステップを面倒くさいと感じた人もいるかもしれませんが、残念ながら「近道はない」のです。

「日本人が苦手な『叱り方』、一気に上達する5秘訣」 ※外部サイトに遷移します

「話し方」を工夫して「世界最高の上司」になる

私は「家庭教師」として1000人を超えるエグゼクティブと対峙する傍ら、海外の最新のコミュニケーションやリーダーシップ研究文献を片っ端からチェックするようにしています。

常々感じるのは、海外と日本とでは、「コミュニケーションの常識」が大きくかけ離れているということです。もちろん、日本独自の文化もありますから、一概に世界水準が正解というわけではないでしょう。

一方で、心理学や人類学、経営学などアカデミックに検証され、効果が実証された「話し方のルール」がまだまだ浸透していません。「上司の話し方」もそのひとつです。

叱り方や褒め方、雑談、説明、説得まで、すべてに方程式があり、習得できるものなのですが、そうしたベーシックルールを学ぶこともないままに、管理職になり、途方に暮れてしまう……。これは不幸なことです。

やってみせ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

連合艦隊司令長官の山本五十六がこんな言葉を残していますが、これは「『ほしかき』と『みかん』」そのものですね。ぜひみなさんも「話し方」のスキルを磨き​、「世界最高の上司」の称号を手にしてみませんか。

記事画像

【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します

頭の良さより「好感度」で人生が決まる納得理由

子供も部下も育つ「一流のほめ方」、超簡単7秘訣

日本人が苦手な「叱り方」、一気に上達する5秘訣

提供元:「世界最高の上司」になる、たった1つの簡単法則|東洋経済オンライン

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