2021.03.08
啓蟄(けいちつ)/散歩やハイキングで春をたっぷり感じて
春を告げる草花や蝶に出会う楽しみ
3月5日から始まる啓蟄は、ひと雨ごとにあたたかさを感じられ、陽気に誘われた土の中の虫や動物が動き出す時期をさします。
啓蟄の始まりは、野山にワラビやゼンマイを見られるようになり、すみれの花が咲き乱れます。また、鰆(さわら)はその字のとおり、春を告げる魚と言われて、この時期に旬を迎えます。次候には桃の花が咲き始め、新玉ねぎが収穫されます。また、春の魚の代表・さよりもおいしくなるとき。そして、終わりである末候には、春を告げる蝶・ヤマトシジミが飛び始め、黄色い小花をつけた草・かたばみを道端で見かけるようになります。
運動不足のからだには、歩くことから
寒さがやわらいで、運動を始めたり、ハイキングなどに出かけたり、からだを動かしたくなる季節です。長いステイホーム期間や冬の寒さから運動不足になっている人は、無理をせずにまずは散歩から始めてみましょう。外の空気を感じながら歩き、血液やエネルギーをからだ中に循環させるイメージをもって歩くと、さらに効果的です。
啓蟄はからだも自然界も大きく動き始める時期なので、血液量を調整する自律神経が低下していると、疲れやすくなり、やる気が起きにくくなります。眠れない、疲れやすいなど自律神経機能の調整がうまくいかないと感じたら、運動よりも深呼吸やリラックス、からだをあたためることを意識するとよいでしょう。
ネギでからだをあたためストレス改善
この季節に効果的な食材はネギです。辛味で温性なので、からだをあたため、呼吸器の改善など循環を正常に導く効果もあります。また、ネギのもつ酸化作用は解毒作用があり、ストレスや軽度のうつの改善にも効果があります。焼いてシンプルに味わうもよし、鍋に入れてたっぷりいただくもよし。からだを思いやりながら、甘みと辛味をたっぷり味わいましょう。
こころとからだの二十四節気2020年<啓蟄>の記事はこちら ※外部サイトに遷移します
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
https://www.yojyo1192.com/ ※外部サイトに遷移します
文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。
【あわせて読みたい】※外部サイトに遷移します
啓蟄(けいちつ)/生命が活発に動き始める季節、1日5分の休息時間を
提供元:啓蟄(けいちつ)/散歩やハイキングで春をたっぷり感じて|ワコール ボディブック