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2021.02.22

誰でも「ゾーン」に入って仕事ができる方法|脳トレーナーが教える超効率仕事術の極意


極限まで集中し、最高のパフォーマンスを発揮する瞬間、「ゾーン」。この「ゾーン」は「フロー」とも名づけられているが、フローに入って仕事ができるようになる方法とは?(写真: Fast&Slow/PIXTA)

極限まで集中し、最高のパフォーマンスを発揮する瞬間、「ゾーン」。この「ゾーン」は「フロー」とも名づけられているが、フローに入って仕事ができるようになる方法とは?(写真: Fast&Slow/PIXTA)

プロスポーツ選手などが試合後のインタビューで「ゾーンに入っていた」という話をすることがある。極限まで集中し、最高のパフォーマンスを発揮する瞬間だ。心理学者のミハイ・チクセントミハイは、この「ゾーン」を「フロー」と名づけている。「フローに入って仕事ができれば、どんなにすばらしい成果が出せるだろうか」と考えるビジネスパーソンも多いだろう。そして、それは実現可能だ。Googleやナイキ、ハーバード大学を法人顧客に持ち、『LIMITLESS 超加速学習――人生を変える学び方の授業』の著者でもある脳トレーナー、ジム・クウィック氏が、「フロー」に入る方法を紹介する。

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生産性が5倍にアップ

目の前の行為に完全に入り込んだ結果、ほかの一切が消え去り、かつてないほど自然な感覚でそれができた、という経験はあなたにもあるだろう。そのあいだ、時間が溶けてなくなったように感じられたことが。深く集中するあまり、夜になったのに気づかなかったとか、食事をするのを何度か忘れたという話もよく聞く。

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この経験がフローだ。

心理学者のミハイ・チクセントミハイは、画期的な著書『フロー体験 喜びの現象学』(今村浩明訳、世界思想社)で、フローとは「1つの活動に没頭するあまり、ほかのことが気にならなくなる状態、またはその経験がとても楽しいので、大きな労力がかかってもそれをするだけのためにしてしまう状態」だと説く。チクセントミハイにとって、フローとはまさに「究極の経験」なのだ。

チクセントミハイ博士によると、フローは次の8つの特徴を持つ。

1 完全に集中している
2 目標だけに焦点を合わせている
3 時間が速まっているか遅くなっているように感じる
4 その経験にやりがいを感じる
5 苦労なくできる感覚がある
6 難しいが、まったく歯が立たないほど難しすぎない
7 その行為がほとんど自然に起きているように感じられる
8 やっていることに満足を感じる

あなたにも経験があると思うが、フロー状態になると生産性が飛躍的に高まる。最大で5倍の生産性を得られるという報告もある。コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、フローが当たり前のように起きる職場環境を想像してさえいる。

例えばピークパフォーマンスの演習を行い、「ピークのときにふだんの何倍くらい生産性が上がりましたか」と管理職の人々に尋ねると、人にもよるが、上級クラスでは「5倍上がった」と答えるのが最も一般的だ。しかし大半の報告では、ビジネスパーソンがフロー状態に入るのは就業時間の10%以下、多くても50%とされている。

IQとEQとMQ[訳注 意義指数(meaning quotient)の意]の高い環境で働く社員がピーク時にふだんの5倍生産的になるとすれば、控えめに見て、ピークの時間が20ポイント増えるだけで職場全体の生産性がどれだけ高まるか考えてほしい。なんと、ほぼ2倍になる。

どうやってフローに入るか

では、どうしたらフローに入れるのか。5つの方法を紹介しよう。

1  注意散漫の原因をシャットアウトする

まず集中を散らす原因をなるべく取り除くことが重要だ。フロー状態に入りたければ、それらの排除は絶対に必要だ。いったん集中をそがれたら、元の集中状態に戻るのに長くて20分かかる。

「テキストメッセージが気になる」「仕事に戻る前にSNSを一瞬だけチェック」と、そのたびに集中を切らしていたら、いったいどうやってフローに入るのか。ほかの一切を脇にやり、今していることだけに集中しよう。

2  十分な時間を確保する

フローに入るためのまとまった時間を取ろう。一般的には、条件が整っていれば、フロー状態に達するのに15分、真のピークに達するには45分近くかかると言われる。30分そこそこで切り上げてしまったら、たいしたことはできない。最低でも90分、できれば2時間フルに使えるようにスケジュールを組もう。

3  好きなことをする

フローについて考えるとき、僕らがよく思い浮かべるのは、きわめてハイレベルなことをやってのける人々だ。ぶっちぎりで試合に勝つアスリート、超絶ソロを奏でるギタリスト、生み出すというより写し取るようにページを言葉で埋めていく作家。そうした人々に通じるのは、自分にとって大きな意味を持つことをしている点だ。彼らがほどほどの出来で満足しないのは、軽い気持ちでタスクに臨んでいないから。みな、愛してやまないことをしているのだ。

僕は長年フローについて話しているが、「ただの暇つぶしでフローに入った」とだれかが言うのを聞いた覚えがない。それはたとえれば、ガタの来た中古車を運転するのとアストンマーティンの新車を運転する違いに近い。どちらも通勤の足になるかもしれないが、運転に本当に没頭できるのは一方だけだろう。気になることがあったり、「退屈だ」と感じてばかりいたら真のフローには入れない。

目的の設定と難易度の調整も不可欠

4  明確な目標を持つ

フローを阻むとりわけ強力な壁は「明確さの欠如」である。自分が何を成し遂げたいのかわからなければ、探し回っているうちにフローは遠のいてしまう。

僕の小説家の友人は、まさしくこの理由から、作品のあらすじを練る時間と実際の執筆の時間を分けている。友人にとって、あらすじ作りは手を止めて考え込むことも多い、根気のいる作業だ。一方で、物語にぴったり来る言葉を選んだり、登場人物に命を吹き込んだりすることには大きな喜びを感じる。前もってあらすじを組み立て、その日に書くことをはっきりさせておけば、たいてい知らぬ間に、何時間にもわたって執筆のフローに入り込めるという。

だからあなたも時間を確保したら、その時間をどう使うかの目的を明確にしよう。それから取りかかれば、楽しみながらやっているうちに、いつしか深く没入しているだろう。

5  ハードルを高くする……少しだけ

フローについて話していると、少しだけ難しいことに挑んでいるときが最もフローに達しやすい、という声をよく耳にする。要は、それがコンフォートゾーンの外にあって外側すぎないのがいいのだろう。このからくりは単純明快だ。後ろ手に縛られてもできることは飽きるのもおそらく早い。退屈とフローは相性が良くないのだ。

反対に、極端に難しく感じることをしてもイライラが募り、その感情がフローを妨げる。

けれど、自分が楽しめてほどほどにハードルの高いこと――野球の球をグラウンドの一方にだけ打つ、ギターの新しいチューニング法を試す、新しい登場人物の視点で物語を書くなど――をすれば、タスクに魅力を感じ続けられるので深くはまれる。

フローは、だれもが体験しうる、飛び抜けて“ハイ”な経験だ。それは、あなたの可能性を高める際に不可欠な経験でもある。ここまで読んだあなたは、フローとは何か、どうしたらフローに入れるかについて、きっと深く理解できたことだろう。

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提供元:誰でも「ゾーン」に入って仕事ができる方法|東洋経済オンライン

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