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2021.02.17

中小企業に教えたい「電話・FAX・ハンコ」のDX法|代替できるテクノロジーはすでにたくさんある


中小企業でも導入できるDXツールとは?(写真: NOV/PIXTA)

中小企業でも導入できるDXツールとは?(写真: NOV/PIXTA)

2度のうつ病を患った経験から働き方を根本的に見直し、「全社員週休3日」というベンチャー企業のクロスリバーを立ち上げた越川慎司氏。最新刊『週休3日でも年収を3倍にした仕事術』では、「週休3日(週30時間労働)」で年収をマイクロソフト役員時代の3倍以上にできた秘密を開示している。本稿では、その原動力となった「DX仕事術」について解説する。

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出社しないとできない3大業務

2020年4月の緊急事態宣言によって、テレワークを余儀なくされた企業は多かったでしょう。同時に、「突然在宅勤務にせざるを得なかったが、十分な準備ができていなかった」という企業が多かったのも事実です。

「一斉に出社を禁止したものの、一部の業務を行うためには何人かが出社せざるを得ず、持ち回りで出勤していた」という企業は686社中598社にも及びました(当社調べ)。

なぜ、感染リスクがあるにもかかわらず出社を余儀なくされたかというと、出社しないとできない業務が存在したからです。その代表格が電話とFAXと印鑑でした。

「クラウドPBX」でスマホが会社の代表電話のように

一方、オフィスに出社することを前提にしていなかった企業は、これらの対策はすでに行っていました。

例えば電話は、「クラウドPBX」(PBX= Private Branch eXchange とは、企業で複数の電話機を使用する際などに設置される電話交換機のこと。この機能をクラウド化し、インターネット上で通話・通信を行うのがクラウドPBX)を利用することにより、会社の代表番号にかかってきた電話を手元のスマートフォンで受けられるだけでなく、スマートフォンから顧客に電話をかけても会社の代表番号が表示される仕組みも取り入れています。

われわれクロスリバーでは、「Dialpad(ダイアルパッド)」というクラウドPBXを使っています。ブラウザでログインして、Office365の連絡帳と連携することができます。

固有の「050」の電話番号が割り当てられ、PCやスマホで電話の発着信が操作できます。場所に制約されずに、誰とでも、どんな端末でもつながることができる電話サービス(月額800円〜のサブスク型サービス)です。

電話内容をチームで共有

電話を受ける→ 電話内容をチャットで報告してもらう

クロスリバーが活用しているのは、「fondesk」です。月額制の電話受付代行サービスで、会社の代表電話番号にかかってきた番号を指定された番号に自動転送して、fondeskのオペレーターが「株式会社クロスリバーです」といって一次対応をしてくれます。

対応内容は10分以内(目安)に、LINEやTeams、Slackなどのチャットやメールで教えてくれます。外出中であっても電話内容がわかるので、どこからでも折り返し電話ができます。

またグループチャットで共有できるようにしておけば、チーム全体で電話内容を即座に共有ができます。迷惑な営業電話もシャットアウトでき、業務に集中できます。

月額基本料金は1万円で月に100件まで対応してくれます(101件目以降は1件あたり200円の費用が加算されます)。

受信したFAXを見に行く→FAX受信をグループチャットで受ける

不動産業界や金融機関などでは、いまだに契約書をFAXで送るように依頼されることがあります。ただ、それも年に数回だけです。そのためだけに専用回線や機器を用意するのはもったいないのです。

そこで、インターネット経由でFAXを送受信できる「eFax(イーファックス)」を使用しています。

自分のeFax番号(03などから始まる普通のFAX番号と変わらない)宛てにFAXを受信すると、指定の電子メールにPDFの添付ファイルとして送られてきます。このeFaxであれば、場所にかかわらず誰でもFAXの受信内容を確認することができるわけです。また送信の際も、PCやスマホから特定のメールアドレスにPDF添付で送るだけです。

月額1500円で送受信各150ページが利用可能。既存のFAX番号をそのまま引き継ぐ場合も、NTTのボイスワープ(かかってきた電話をあらかじめ設定しておいた電話番号に転送するサービス)でeFax番号に転送させればOKです。

ただ、PDF送付はメールだけなので、そのメールを受信した際にはMicrosoft Teamsのチームチャネルに転送して、メンバー全員が確認できるようにしてあります。

契約書は基本的にすべてデジタル

●押印した書類を郵送で送り合う→クラウドで電子署名して管理

契約書は基本的にすべてデジタルです。「GMO電子印鑑Agree」というサービスを使って、電子サインおよび電子署名を使い、契約書への押印や文書管理をしています。

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ワードで作成した契約書の内容を契約先とチャットなどで確認し合い、合意できたらクラウドにアップロードし、契約先のメールアドレスなどを入力して送信します。

相手は文書を確認し署名するためのURLを受信しますので、メールに記載されたガイドに従ってアクセスして処理すれば完了。署名した文書はクラウドで保存されますので、印刷して保管する必要もありません。

電子証明書を使うこともできるのでセキュリティも安心。認印や手書きサインのように使える電子サインもあり、多くのクライアント顧客から受け入れられています。

ただし、すべての契約書がクラウド経由でのやりとりになっているわけではありません。紙の契約書はいまだ残っています。ただ、紙の契約書であってもすべてスキャンしてクラウドで保管していますので、セキュアな状態で簡単に検索および閲覧ができるようになっています。

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提供元:中小企業に教えたい「電話・FAX・ハンコ」のDX法|東洋経済オンライン

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