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2021.02.16

「朝食を食べないと元気が出ない」は本当か?|仕事のパフォーマンスを高める朝食リテラシー


「朝ご飯を食べないと元気が出ない」のは本当でしょうか? (写真:tojiko/PIXTA)

「朝ご飯を食べないと元気が出ない」のは本当でしょうか? (写真:tojiko/PIXTA)

健康管理・体調管理は、ロジカルシンキングやITスキル以上に大切なビジネスの基礎スキルだ。なぜなら身体は、もっとも重要な仕事道具だから。適切に取り扱い手入れをすれば、思う存分力を発揮する。しかし実際には、自分の身体や健康に無頓着なビジネスパーソンが多い。コンディションが悪ければ仕事の生産性が低下するのも当然だ。

DeNAのCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー)室長代理として社員のパフォーマンスを高める健康施策を次々に実行し、同社を健康経営企業に導いた平井孝幸氏が、近著『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』から、朝ご飯とビジネスパフォーマンスの関係について解説する。

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「朝ご飯は大事」説の出所

「朝ご飯を食べないと元気が出ない」

こう思っている方も多いと思いますが、朝食に関してまず伝えておきたいことがあります。それは、無理に食べることはない、ということです。

『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』

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空腹感があれば食べたほうがよいのは当然ですが、お腹が空いていないにもかかわらず、「朝食は食べなければいけないもの」という刷り込みが頭にあって、無理をして食べている人がいます。しかも朝起きて「お腹も空いてないし、時間もないけど、とりあえず何かお腹に入れておこう」と手を伸ばすのがチョコレートだったり、ポテトチップスだったり、びっくりするようなものを食べている人も意外に多いです。どうしてと聞くと、「朝食は食べなければいけないと親や配偶者に言われた」と返ってくる。

とりあえず、そうした朝食は止めましょう。無理に食べることはないのです。

現代人は基本的に「食べすぎ」です。だから、食べたくなければ食べないに越したことがないのですが、なぜ「朝ご飯は大事」という観念が世の中に定着しているのでしょうか。 

背景にあるのは、親世代の先入観です。戦後の苦労を知っている人たちに育てられたことで、いまの現役世代にも、この考えが反映されています。昔は、食べられること自体が幸せだったのです。

でも今は、そうではない。多くの人は十分栄養を摂れているので、そこまで食べる必要性は減ってきています。とりわけ朝は、無理して食べる必要はないと私は考えています。働く人において、栄養失調よりもメタボの方が圧倒的に多いです。

ご飯を食べないとエネルギー不足になって、午前中の仕事に支障がでるのでは。そう考えてしっかりと朝食を心がけている方もいるでしょう。その考えは一見すると正しく見えますが、つねにそうであるとは限りません。

例えば、朝一番からがっつり体を動かす仕事をする人は、ある程度エネルギーをつけなければいけないでしょうから、朝食をしっかりとるべきでしょう。でもこの記事を読まれている多くの読者は、デスクワークの方が多いでしょうから、無理して朝食を食べる必要はありません。

先にも述べたように、現代の日本人は食べすぎ傾向のため、エネルギー過多なのです。エネルギーが不足しているなら食べるべきですが、多くの場合、不足していないのではないでしょうか。

食事によるエネルギー消費はばかにならない

そこにさらに食事で補給すると、むしろマイナス効果になります。身体が食べたものの消化に使うエネルギーというのは、想像以上に大きいのです。

だから、例えばプロゴルファーは、試合中、昼食をとらず軽食にとどめるのが一般的です。食べることで、消化にエネルギーを使われてしまうからです。集中力を研ぎ澄ましたいときには、あえて食べないのです。

職人にも、こういう人たちがいます。食べないとエネルギーが手に入らないのではなく、食べることによって集中力を失うほうがリスクであることを、彼らは知っているのです。

ビジネスパーソンも、とくに、前日の夕食が遅くなったときは身体に十分なエネルギーが満たされていることが多く、また飲みすぎたときの翌朝などは、無理に食べても内臓に負担をかけるだけです。

コンディションを高めるためには、惰性で食べるのではなく、身体の声を聞き、それに合わせることが大事です。

記事画像

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提供元:「朝食を食べないと元気が出ない」は本当か?|東洋経済オンライン

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