2021.02.10
午後も全集中で仕事ができる「上手な仮眠」の掟|時間・姿勢・場所で気をつけるべき5つのルール
午後の仕事の効率をアップさせる「正しい仮眠の方法」について解説します(写真:Graphs/PIXTA)
健康管理・体調管理は、ロジカルシンキングやITスキル以上に大切なビジネスの基礎スキルだ。なぜなら身体は、最も重要な仕事道具だから。適切に取り扱い手入れをすれば、思う存分力を発揮する。しかし実際には、自分の身体や健康に無頓着なビジネスパーソンが多い。コンディションが悪ければ仕事の生産性が低下するのも当然だ。
DeNAのCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー)室長代理として社員のパフォーマンスを高める健康施策を次々に実行し、同社を健康経営企業に導いた平井孝幸氏が、近著『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』から、午後の仕事の効率をアップさせる「正しい仮眠の方法」について解説する。
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上手な仮眠と下手な仮眠の差
昼食後に眠くなり、午後の集中力が低下しやすい。
コンディション改善によるビジネスパーソンの生産性向上を使命とする私のもとには、こうした悩みがよく持ち込まれます。その際には、仕事のための仮眠を取り入れることを勧めています。
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仮眠が仕事の生産性に寄与することは、有名になりつつあります。NASA による研究では、認知能力が34%、注意力は54%も向上したことがわかっています。
午後、昼食後に眠気を感じたけれど、そのまま頑張って眠い目をこすりながら働くことが非効率だというのは、もうすっかり一般的になってきています。だから仮眠を勧めるわけですが、仮眠にもちょっとしたコツが5つあります。これを実践するだけで、短時間の睡眠でしっかりとコンディションを整えることができるのです。逆に、ここで紹介することに反する仮眠をとってしまうと、頭がスッキリするどころか、かえって健康の悪循環を招き、仕事のパフォーマンスを落とすことになりかねません。
では、5つのコツについて見ておくことにしましょう。
〈コツ1:15分程度眠る〉
仮眠の基本は15分程度。どんなに長くても30分以上眠らないことです。そうすることで、午後の仕事に集中しやすくなります。
長い仮眠は、自律神経の乱れにつながり、夜の睡眠の妨げになったり、アルツハイマー型認知症の危険性を2倍に高めると言われています。
〈コツ2:寝る前にカフェインを摂る〉
仮眠はしたいけど寝すごすことが心配な人は仮眠前にカフェインを摂取しておきましょう。「寝る前にカフェインを摂取したら眠れないじゃないか」と思った方、ご心配には及びません。カフェインが身体に効き始めるまでには時間がかかるので、眠るときの邪魔にはならずに、少ししてから目覚めやすくなるのです。
〈コツ3:正しい姿勢で眠る〉
DeNAにも仮眠ができる4つの個室がありますが、仮眠室を使える環境にあるビジネスパーソンは、まだごく一部だと思います。読者の多くも、仮眠をするとしたら机になるでしょう。
机の上で突っ伏して仮眠を取る場合は、顔の向きを下にすることをオススメします。横に向けてしまうと、それが原因で首に負担をかけてしまい、身体のゆがみにつながるおそれがあるからです。
出所:平井孝幸『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』
リモートワークでの仮眠の落とし穴
新型コロナウイルスの影響でリモートワークを取り入れる企業が増えました。その結果、自宅で仕事をする機会が増えたので、仮眠はぐっとしやすくなったと言う人もいるでしょう。それ自体は大変喜ばしいことですが、注意しなければならないこともあります。
〈コツ4:ベッドで寝ない〉
まず、自宅のベッドで寝ないこと。机での仮眠にとどめることです。
ベッドだと深い眠りに入ってしまいやすいので、15分をオーバーして眠ってしまいやすくなり、要注意です。
〈コツ5:寝るなら16時まで〉
加えて、仮眠を行う際は、私は16時までに行うようにしています。夕方以降に仮眠を取ると、夜の本睡眠に悪影響を及ぼすことがわかっているからです。
DeNAでは睡眠についてさまざまに情報発信をしていったこともあって、社内のライフスタイルアンケートを見ると、「睡眠の悩みや睡眠による生産性の低下」が減じているというデータが出ています。
睡眠リテラシーを上げることは、社内でもとても喜ばれた取り組みでした。
皆さんも上手に仮眠をとって、ぜひ仕事のパフォーマンスを高めてください。
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提供元:午後も全集中で仕事ができる「上手な仮眠」の掟|東洋経済オンライン