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2021.02.08

コロナ禍で人々を苦しめる2つの不安の「正体」|不安に押しつぶされる前に原因を突き止めよう


今の私たちは普遍的な不安に加えて、今の時代特有の不安も抱えています(写真:/PIXTA)

今の私たちは普遍的な不安に加えて、今の時代特有の不安も抱えています(写真:/PIXTA)

未曾有の社会情勢の中、「このままではまずい。でも動けていない……」という人が多いのではないでしょうか。オリンピック選手をはじめ、1万5000人以上の目標実現をサポートしてきたメンタルコーチの大平信孝氏は、最新刊『「すぐ動ける人」の週1ノート術』で、「仮決め仮行動で素早く動き出す秘訣」を紹介しています。本稿では、「不安の正体」について解説すします。

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不安には2つの種類がある

今、不安に押しつぶされそうな方に最初に知っておいてほしいことは、「不安はゼロにはならない。不安はなくならない」ということです。ですから、不安を一方的に敵視して完全になくそうとしないでください。それよりも、不安の正体や対処する方法を知って、実践するほうが効果的です。

ところで、不安の正体について、考えたことがありますか?簡単に分類すると、不安は2種類しかありません。「持ち越し苦労」と「取り越し苦労」です。

「持ち越し苦労」とは、過ぎてしまったことについて、悔やんだり不安になったりすることです。

・どうしてあんな失敗をしてしまったんだろう
・また同じ失敗を繰り返すかもしれない
・行動したくても過去の苦い経験が邪魔して動けない
といった場合は持ち越し苦労が原因です。

要するに、意識が「過去」に向きすぎているから、過去の失敗に足もとをすくわれているのです。持ち越し苦労は、記憶力のいい方や真面目な方が持ちやすいものです。

もう1つの「取り越し苦労」とは、まだ起きていないことや未来のことを考えて、不安になったり心配したりすることです。

・こうなったらどうしよう
・このままではまずいのでは
・失敗したらどうしよう
といった場合は取り越し苦労が原因です。

要するに、意識が「未来」に向きすぎているから、未来への不安からフリーズして動けなくなったり、暴走してしまうわけです。取り越し苦労は、未来を先読みする力がある方や考えるのが得意な方が持ちやすいものです。

どちらの不安にしても、不安はもともと私たちが持っている脳の防衛本能の一種です。脳の仕組み、生命維持のための防衛本能なのです。人類は「常に最悪の事態を想定する」という取り越し苦労のおかげで外敵を警戒し、命を守り、子孫を繁栄させてきました現代でも、「最悪の結果を想定したうえで、そうならないように対策を練る」という取り越し苦労のおかげで、不測の事態を回避できている面もあるのです。

さらに、経営者やトップアスリートには、取り越し苦労派や持ち越し苦労派の方も多く、「不安=悪」というわけではありません。

そうはいっても、不安すぎる状態からは抜け出したいし、これ以上落ち込みたくないですよね。不安は脳の防衛本能だから、ゼロにするのは難しい。でも、不安もエネルギーなので、扱い方によっては、前に進む力に変えることができます。

今の時代特有の2つの不安

ところで今の時代特有の不安について、考えたことがありますか? 今、誰もが共通して抱えている不安は、大きく分けると2つあります。1つは、「先が見えないのに自己責任で決めていかないといけない不安」です。

社会の仕組みも価値観も働き方も変わってきているのは、誰もが感じているのではないでしょうか。そんな中、「いい成績をとって、いい学校を卒業して、いい会社に入れば安泰」という時代ではなくなってきました。

これからの時代は、仕事も住む場所も自分で判断して、決めていく必要があります。「こうすれば安泰」という定石がない中で、自分で判断しなければならないことに対して不安になることもあるでしょう。

正解が見えない、もしくは目まぐるしく変化する中で、自己責任の範囲が広がっています。この先どうなるのかよくわからないのに、自分の決断と行動に責任をとらなければいけない……。そういう息苦しさを感じている方もいるでしょう。

もしかしたら、「誰かが指示命令したり、決めてくれたらラクなのに」と思っている方もいるかもしれません。昔は、上からの命令にさえ従っていれば、どうにか生活していくことができました。

でも、これからの時代は、上からの命令に従ったとして、その命令が間違っていたときには、誰も助けてくれませんし、自分の代わりに責任をとってくれることもありません。そういう意味でも、自己責任の範囲が広がっているのです。

そして、いま私たちが抱えている共通の不安の2つ目にして最大の不安は、「生活していかないといけない不安」です。

時代が変わり、社会が変わり、会社が変わり、働く意味が変わり、学歴社会が終わったとしても、私たちには日々の生活があります。生きていくには、家族がいれば家族を養っていくには稼いでいかないといけない。「この先自分はちゃんと生活費を稼いでいけるのか?」という不安とは、一生お付き合いしていくことになるわけです。

「不安だから、いざというときに備えてなるべくお金を貯めておきたい」という方もいるでしょう。かといって投資はリスクがありすぎる。そうなると、利子がほとんどつかなくても貯金して、なるべくお金を使わないようにという方向にいきます。

結果的に、ささやかな日常生活すら萎縮してしまうのです。不安に対処するはずが、いつの間にか節約や貯蓄で終わってしまい、根本的な解決に行き着かないということもあります。

不安が大きすぎて思考停止状態に

本来であれば、生活していけるか不安になったときというのは、お金の稼ぎ方や使い方に限らず、生き方、働き方、時間の使い方、そして自分自身や人との付き合い方について考え直すのに最適なときです。

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でも実際には、あまりに不安が大きすぎて、仕事、生活、人生といったすべてを萎縮させて、思考停止してしまっている人が多いのです。これでは本当にもったいない。

では不安を希望に変えるには、どうすればいいか。考えても正解がわからない。調べても正解にたどり着けない。そういう時代がきたのです。だからこそ、自分がやりたい方向に近づく小さな行動を仮決めして、仮に動いてみる。動いたことで得た反応、反響といった情報をもとに軌道修正しながら正解に近づいていく──。 そうした「仮決め仮行動からの軌道修正」がこれからの時代に必須のスキルです。

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提供元:コロナ禍で人々を苦しめる2つの不安の「正体」|東洋経済オンライン

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