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2021.01.27

足腰が痛む「新・国民病」簡単にラクにするコツ|「ずぼらストレッチ」で寝ながら腰痛を治す


“新国民病”とも呼べるような「脊柱管狭窄症」。今回は腰椎のねじれのチェック方法と、寝ながらできるストレッチを紹介します(写真:Ushico/PIXTA)

“新国民病”とも呼べるような「脊柱管狭窄症」。今回は腰椎のねじれのチェック方法と、寝ながらできるストレッチを紹介します(写真:Ushico/PIXTA)

みなさん、腰痛は気になりませんか? 腰痛持ちの人は、全国で約3000万人(厚生労働省2019年「国民生活基礎調査」)。日本の人口の4分の1に及ぶ数字で、まさに“国民病”です。

しかも、昨今のテレワークや外出自粛による運動不足の影響か、腰痛を訴える人は増加傾向にあります。

“新国民病”の脊柱管狭窄症

私は、大阪市にある西住之江整体院の院長で、白井天道と申します。私は最近、『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』という書籍を刊行しました。

「脊柱管狭窄症」は、和歌山県立医大などの調査によると、日本の推定患者数は580万人という説もあります。“新国民病”とも呼べるような病なのです。

「脊柱管狭窄症」とは、背骨の中にある「脊柱管」が狭くなることで、その中を通る神経を圧迫して、足腰の痛みやシビレを引き起こす病気です。

『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』 クリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

患者は60歳代から70歳代に多く、みなさんやその親御さんの中には、病院で「脊柱管狭窄症」と診断された方もいらっしゃるかもしれません。高齢になるほど脊柱管は狭くなりやすく、病院で「脊柱管狭窄症」と診断される確率は高まります。

みなさんの中には「脊柱管狭窄症は高齢者向けの病気だから、自分には関係ない」と思った方もいるかもしれません。でも、まったく関係ない話ではないかもしれません。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

実は、脊柱管狭窄症には本物とニセ物があります。脊柱管が狭くなり神経を圧迫して歩行が困難になったり、痛みやシビレが発症したりするのが「本物」の脊椎管狭窄症です。

そこで私は、脊柱管狭窄症が原因の痛みやシビレを「本物」、それが原因ではない症状を「ニセ物」と提唱しています。

私の整体院に見える方で、圧倒的に多いのは、「ニセ物」の脊柱管狭窄症です。しかも、若い人ほど「ニセ物」の割合が高いのです。

病院での脊柱管狭窄症の診断はMRI(磁気共鳴画像法)やレントゲンを撮り、画像から慎重に判断しています。確かに、画像では脊柱管が狭くなっているのがわかるので、診断は「脊柱管狭窄症」とつきます。

しかし、MRIで脊柱管が狭くなっているのが推測できても、それが痛みやシビレの原因になっているのかまでは不明です。

あなたの腰椎はねじれている

では、ニセ物の腰痛や足のシビレの原因は何かというと……それはズバリ、腰椎のねじれです。

背骨は「頸椎」(首)、「胸椎」(胸)、「腰椎」(腰)からできていて、腰の部分の骨が腰椎です。

腰椎がねじれているといっても、ギュッと雑巾を絞ったみたいになっているわけではありません。

ねじれというのは、腰椎のうしろの部分が10度の傾きにも満たないほどわずかに、左右どちらかにねじれているという状態です。これはレントゲンを撮っても映りません。しかし、私が触診で背骨を両手の中指ではさんで上から下になぞると、腰椎のあたりで背骨が右か左にねじれているのがわかります。

そして、脊柱管狭窄症に限らず、多くの人の腰椎はねじれています(私の場合、腰椎は右にねじれています)。この腰椎が右にねじれていると、左側の腰や足に痛みやシビレの症状が出やすくなり、腰椎が左にねじれていると、右側に症状が出やすくなります。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

次に、腰椎の右ねじれ、左ねじれを診断する方法を紹介します。

あお向けに体全体の向きがまっすぐになるように寝て、両ひざをくっつけて立てます。そのまま、ひざを右と左に倒し、どちらに倒したほうが腰や足に痛みが出るかを調べます。

ひざを右に倒して左側に痛みが出るなら右ねじれ、左に倒して右側に痛みが出るなら左ねじれです。倒したひざと同じ側の腰椎にねじれがあると覚えてみてください。

あるいは、日常的に痛みを感じる側が決まっていれば、例えば左側の腰や足に痛みが出るなら右ねじれ、右側に痛みが出るなら左ねじれと判断してもらってもけっこうです。

なお、ひざ倒し診断の例外パターンとして、ひざを倒した側の腰が痛いとか、背中が硬くて倒しにくいというときも、日常的に痛みを感じる側で判断してください。

もしも、腰の真ん中に痛みを感じる場合は、ひざを左右に倒して、より痛みの強いほうを選択します。倒しきったときではなくて、どちら側に倒すと痛いかを注意してみましょう。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

ただし、少しひざを動かすだけで痛くて、ひざを倒す動きができないという方は無理をしないでください。ひざを倒せない方に向けた検査もご紹介します。

右利きだと腰椎は右ねじれになりやすい?

正座をしてどちらのひざが前に出るかを見るのです。正座がつらいという方はいすに深く腰掛けて、ひざの長さを調べてみてください。

左ひざのほうが前に出ている方は右ねじれ、右ひざが出ていたら左ねじれです。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

私の実感では、腰椎にねじれのある人のうち7割くらいは右ねじれです。それは右利きの人の多さと関係しているようです。なぜなら、右利きの人は右腕を使うときに上半身を左にひねる関係で、腰椎が右ねじれになりやすい傾向にあるのです。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

さて、自分が右ねじれか、左ねじれかを判断したら、腰椎のねじれを元に戻す「かかと落とし」「お尻たたき」のストレッチを始めましょう。

自分のねじれタイプに合わせて、2つのストレッチを朝晩行うだけです。しかも、寝ながらできます。

なお、これらのストレッチを始める前には、ひざ倒しでどちらに痛みが出ているか、あるいはひざの長さを見てどちらが長いかを、その都度、確認してみてください。また、ストレッチが終了したら、もう一度、痛みがどちらに出るか、チェックしてみてください。

なぜなら、痛みの出方は日によって、または朝晩でも変化することがあるのと、変化を実感してほしいからです。

「あの地味な動きで痛みが取れるなんて! 」
「おしりをたたいて治るなんてフシギ! 」
「ビフォーアフターが違いすぎてうれしい! 」

体験者の方からは、こんな声が寄せられています。正直、「もう、うちの整体院にお客さんが来なくなっちゃうかも……」と心配になるほどです(笑)。

「かかと落とし」で上半身のねじれを改善

では、「かかと落とし」の具体的なやり方を説明していきます。

⑴ 腕を肩の高さに広げて横になります。腕はまっすぐにしますが、  スペースがなければ45度くらいでも大丈夫です。
⑵ 右ねじれの人の場合、右足は45度外側に開き、つま先を上に向けます。
⑶ 右足を持ち上げ、ストンと落とします。これを5回行います。

ひざ倒しの検査で、左ねじれの人(左にひざを倒したときに右の腰や足が痛い人)は、左足のかかと落としを行います。以下のイラストは、右ねじれの人の「かかと落とし」の例です。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

「かかと落とし」の効能

横になって片方のかかとを床にストンと着地させるだけの簡単なストレッチです。かかとを床に落としたときの振動で対角線上にある肩まわりの筋肉をゆるめていきます。

腰椎右ねじれの人の場合は……

左肩をうしろに引く筋肉がゆるむ➡前に出た右肩が戻る➡上半身が左にねじれた姿勢を改善➡腰椎のねじれをとる

左肩のうしろ側の筋肉をゆるめるために、右足でかかと落としを行います。その結果、左肩をうしろに引っ張っている、縮んで硬くなった筋肉がゆるむのです。

そして、上半身のねじれを改善し、次に行う「お尻たたき」で骨盤のねじれを改善します。2つのストレッチで、腰椎のねじれを改善させるのが目的です。

肩のうしろ側の硬さを解消したあとに行うのが「お尻たたき」です。
その効能は、骨盤のねじれを改善することで、同時に腰椎のねじれもとることにあります。

実際に「お尻たたき」の手順とあわせて、紹介していきましょう。

⑴ 右ねじれの人は、右を下にして横向きに寝ます。
⑵ 右足は軽く曲げて、その上に左足を乗せますが、左足はひざを曲げ、つま先は右足のひざの裏に沿わせます。
⑶ お尻の肉付きのいいところを手でたたきます。その際、平手をつくり斜め下方に向かって、パンッパンッと少し音が出るくらいの強さで20回たたきます。
⑷ これが終わったら、今度は左を下に横向きに寝て、同じようにお尻たたきを20回します。

左ねじれの人は、最初に左を下にして行います。

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

(画像:『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』より)

お尻たたきは、順番が大事

右ねじれの人は、左ひざが前に出ています。これは左の骨盤が前に出ているためです。左ねじれの人は逆に、右ひざが前に出ています。

それなのに、最初に悪いほうを下にして(右ねじれの人であれば左の骨盤を前に出す姿勢をあえてとって)、次に反対側、本当にねじれを解消したい側のお尻たたきをしています。

順番は、悪いほうが先、矯正したいほうがあとというのが鉄則です。なぜなら、人の体には、本来の状態に戻ろうとする復元力があります。最初に悪いほうに刺激を与えたほうが余計に、今度はよい状態に戻ろうとする復元力が働くのです。

ここでは、脊柱管狭窄症の「ニセ物」の方向けに、腰椎のねじれを解消するセルフケアをご紹介しました。

例えば、歩き出し、寝返り、起き上がり、立ち上がり……など、動作の開始時に痛みを伴う場合は、脊柱管狭窄症が原因というより、腰椎のねじれが原因の「ニセ物」と思われます。

『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』(SBクリエイティブ)

『タイプ別診断で寝ながら治す脊柱管狭窄症』(SBクリエイティブ)

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本物、ニセ物によって、セルフケアは変わります。同じケアでは改善しないのです(「本物」の脊柱管狭窄症のセルフケアについては、拙著をお読みいただけますと幸いです)。

このストレッチを試した方たちからは、

「半信半疑でやってみたらラクになったのでビックリです」
「激痛で寝返りも打てなかったのに、その痛みが引きました」
「左の腰が張っていてつらかったのが、ウソみたいに軽くなりました」

などなど、多くの反響をいただきました。

このような声は、このストレッチが痛みの緩和に、いかに効果的かという証拠にほかなりません。腰痛や足のシビレに悩んでいる方は、ぜひお試しいただければと思います。さあ、症状に悩まされず、快適に生活をできる日に向かって一歩を踏み出しましょう!

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提供元:足腰が痛む「新・国民病」簡単にラクにするコツ|東洋経済オンライン

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