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2021.01.27

世界のプロが大絶賛した「日本の酒」56の顔ぶれ|女性審査員だけのコンクールでの評価は?


ワインのメッカ、フランスで2007年から毎年行われている「フェミナリーズ世界ワインコンクール」。そこで今、日本のお酒が快進撃を続けています(出所:筆者提供)

ワインのメッカ、フランスで2007年から毎年行われている「フェミナリーズ世界ワインコンクール」。そこで今、日本のお酒が快進撃を続けています(出所:筆者提供)

コンクールで好成績を収めると、その受賞者や受賞商品の知名度は一気に上がる。それはお酒の世界でも同じだ。

中でも昨今、注目されているのが、ワインのメッカ、フランスで2007年から毎年行われている「フェミナリーズ世界ワインコンクール」。そこで今、日本のお酒が快進撃を続けている。

最高得点を獲得した「TOP OF THE BEST」受賞酒に関しては前年比140%売り上げを伸ばすなど反響を呼んでいる。

いったい何が起きているのか。ユニークなコンクールと入賞商品についてご紹介したい。

どんなコンクールなのか

「フェミナリーズ世界ワインコンクール」は、フランス・ブルゴーニュで約30年にわたりワインコンクールを主宰してきたディディエ・マルタン氏が、世界のワイン市場において女性が与える経済的影響力に着目したことから生まれた。毎年、世界のワインメーカーから約5000~6000アイテムの出品がある。

審査員は、ソムリエ、醸造家、ワインジャーナリスト、シェフなど、ワインに関するテイスティング審査能力を有する、女性のワイン専門家で占められている。酒のジャンルにおいて、女性プロ審査員のみの国際コンクールはほかに存在しない。審査時には、世界各地から毎年約600~700名がフランスの会場に集結する。

2017年の第11回大会から、日本ワインと日本リキュールの出品が始まった。すると、世界の強豪らと渡り合い、金賞や銀賞を受賞する日本産ワイン・日本産リキュールが続々生まれるようになった。

2020年の第14回大会からは、ワイン部門、リキュール部門に加えて、なんと日本酒部門が新設され、大きな話題となった。主宰者の日本酒への興味が大きかったこと、世界の女性ワイン専門家たちの日本酒への興味が年々高まっていたことなどから、満を持して日本酒部門増設となったのだ。

ワイン部門は、シャンパーニュ、スパークリング、地域別白ワイン、地域別赤ワイン、これにリキュール部門がプラスされ、それぞれの部門ごとに審査を行う。日本酒は、「スパークリング酒部門」「純米大吟醸酒部門」「純米吟醸酒部門」「純米酒部門」「熟成酒部門」の5部門だ。

気になる出品数と入賞数は?

この14回大会では世界的なコロナ禍にも負けず、世界11カ国から4470アイテムが出品された。

日本からの出品(ワイン・リキュール・日本酒)は合計176アイテム。内訳は、日本ワインが50(赤21、白25、スパークリング4)、日本リキュールが30。日本酒は96(純米大吟酒31、純米吟醸酒23、純米酒23、熟成酒7、スパークリン酒12)。結果的に、50アイテムが金賞、6アイテムが銀賞入賞を果たした。

ちなみに、フランス政府の競争・消費者問題・詐欺防止総局(Direction générale de la concurrence, de la consommation et de la répression des fraudes:GCCRF)のコンクール規定に基づき、同コンクールも、提出された出品酒各部門総数の内33%が受賞できるというシステムになっていることを追記しておく。

入賞銘柄は以下となった。

◆◆日本ワイン◆◆

〈金 賞〉

●赤ワイン部門

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岩の原葡萄園 ※外部サイトに遷移します

株式会社エーデルワイン ※外部サイトに遷移します

カタシモワインフード株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社サドヤ ※外部サイトに遷移します

株式会社サンクゼール ※外部サイトに遷移します

サントリーワインインターナショナル株式会社 ※外部サイトに遷移します

●白ワイン部門

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岩の原葡萄園 ※外部サイトに遷移します

楠わいなりー株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社サドヤ ※外部サイトに遷移します

盛田甲州ワイナリー株式会社 ※外部サイトに遷移します

●スパークリングワイン部門

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楠わいなりー株式会社 ※外部サイトに遷移します

〈銀 賞〉

●白ワイン部門

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◆◆日本リキュール◆◆

〈金 賞〉

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明石酒類醸造株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社エコファームみかた ※外部サイトに遷移します

大七酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

米澤酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

◆◆日本酒(今年2020年から増設)◆◆

〈金 賞〉

●純米大吟醸部門

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株式会社一ノ蔵 ※外部サイトに遷移します

天山酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社南部酒造場 ※外部サイトに遷移します

株式会社南部美人 ※外部サイトに遷移します

株式会社新澤醸造店 ※外部サイトに遷移します

●純米吟醸部門

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岩瀬酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

月山酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

大七酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社 新澤醸造店 ※外部サイトに遷移します

●純米酒部門

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明石酒類醸造株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社丸山酒造場 ※外部サイトに遷移します

株式会社八木酒造部 ※外部サイトに遷移します

●熟成酒部門

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曙酒造合資会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社一ノ蔵 ※外部サイトに遷移します

●スパークリング酒部門

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〈銀 賞〉

●純米大吟醸部門

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●純米吟醸部門

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板倉酒造有限会社 ※外部サイトに遷移します

出羽桜酒造株式会社 ※外部サイトに遷移します

株式会社新澤醸造店 ※外部サイトに遷移します

●純米酒部門

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※各部門50音順に掲載。

入賞酒の特徴は?

結果についてポイントを見ていきたい。まずワインは、穏やかながらしっかりと品種の個性が感じられるタイプへの評価が高かったようだ。全体のバランスのよさ、なめらかさ、柔らかさを持ったワインが高評価に直結するところは、女性ならではかもしれない。

次にリキュール。しっかりと甘みがあること、そのうえで果実やハーブなどの個性がはっきりわかることが入賞のポイントだった。

そして日本酒。コロナ禍で、日本から日本酒専門審査員の渡仏がかなわず、日本酒評価の基準は資料の配布によってのみ行われた(本来は、日本酒セミナーを開催し、評価ポイントの説明会を予定していた)。

結果としては、華やかなタイプ、フルーティーなタイプ、すっきり癖のないタイプが高評価となった。米という穀物からできるお酒にもかかわらず、果物の香りがする日本酒の不思議な味わいに、ワイン専門家の興味は尽きないようだ。

一方、スパークリング部門のハードルは高かった。ワイン部門は、シャンパーニュという極めつきの強豪をはじめ、世界のスパークリングと戦っていくには(コンクールは戦いではないが)、きめ細かで持続性のある泡、フレッシュさ、エレガントな酸味が必須だ。今年初となった日本酒部門のスパークリング酒はその点、思いのほか苦戦した。今後、いくつかのハードルがありそうだ。

「TOP OF THE BEST」は?

審査は、39のチェック項目があるテイスティング審査評価表を使用し、視覚(2点満点)、嗅覚(6点満点)、味覚(12点満点)、合計20点満点で点がつけられる。点数に従い金賞と銀賞が選出される。

2020年第14回大会からは、最も高得点だった日本ワイン、日本リキュール、日本酒を「TOP OF THE BEST」として、表彰されている。

その3銘柄は以下だ。

<日本ワイン部門>

カタシモワインフード株式会社/柏原醸造ワイン 赤辛口(大阪)

(出所:筆者提供)

(出所:筆者提供)

大阪、河内産の赤ワイン。意外にもこの地はワインの歴史の長い地区。カベルネとメルローとマスカットベーリーAのブレンドだが、滑らかさと柔らかさを兼ね備え、穏やかながら深い味わいの逸品。魚料理やだしのきいた料理にもすこぶる合う。現在は女性がワイナリーの代表を務める。

<日本リキュール部門>

老松酒造株式会社/梨園スパークリング(大分)

(出所:筆者提供)

(出所:筆者提供)

大分の焼酎・日本酒メーカー。文字どおり梨のスパークリングリキュール。洋ナシ人気のフランスにおけるコンクールで日本産梨のリキュールが最高得点とはなんとも痛快。フレッシュで甘酸っぱい味わいが特徴。

<日本酒部門>

菊池酒造株式会社/木村式奇跡のお酒 純米吟醸 雄町(岡山)

(出所:筆者提供)

(出所:筆者提供)

「奇跡のリンゴ」で有名になった木村式有機栽培の酒米「雄町」で造られた純米吟醸。華やかすぎない香り、雑味のないピュアな味わいながら、米由来のふくよかな甘味と優しい旨味を感じる秀逸な酒。大吟醸でも純米酒でも熟成酒でもなく、純米吟醸が最高得点というとことも興味深い。

いかがだろうか。それぞれ魅力的な日本産のお酒ばかりだ。

コロナ自粛が再び強まり、外食が自由にできにくくなっているが、自宅に取り寄せてみて、世界の女性ワイン専門家500名に選ばれたこれらの酒で乾杯してみてはいかがだろう。味わいはもとより話題性もばっちりだ。

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