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2021.01.18

「地頭の良い人」に憧れる人が知らない勉強技術|科学的な勉強法でパフォーマンスは高められる


勉強がはかどらない人は脳と体が最適な状態ではないかもしれません(写真:Jake Images  / PIXTA)

勉強がはかどらない人は脳と体が最適な状態ではないかもしれません(写真:Jake Images / PIXTA)

意志の力に頼らずに勉強を継続するにはどうしたらいいのでしょうか。科学的な視点から勉強のパフォーマンスを高める方法を解説した『ヤバい勉強脳』より一部抜粋・再構成してお届けします。

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勉強がはかどらない原因

学校・資格試験の受験勉強、仕事のスキルアップのための勉強などの緊急性のある学びから、教養を身につけるための勉強など一生をかける学びまで、私たちはいくつになっても何かを学び続けます。

勉強を始めると多くの人が、次のような悩みを抱えます。「勉強に手が出ない」「勉強に集中できない」「覚えられない」「学んだ知識の応用がうまくいかない」「勉強習慣が定着しない」。ここで、学生時代から今に至るまで、自分が勉強してきた場面を思い出してみましょう。その学習環境や勉強方法が、あなたの勉強常識です。

もし、あなたが今、「勉強がはかどらない」「もっと勉強の効率や効果を上げたい」と感じているのならば、その常識から一旦離れて、「科学的な勉強常識」を試してみてください。勉強がはかどらないのは、自分の経験からつくり上げた「勉強常識」が原因であることが多いからです。

「科学的勉強常識」とは、脳と体を最適に覚醒させた状態で勉強を行う技術のことです。脳と体を最適に覚醒させると、「スムーズに勉強を始める」「やる気にムラがなく、安定して勉強に集中する」「勉強の理解を深める」「新しい知識を覚える、その知識を応用する」「問題の解決策がひらめく」ということが、可能になります。

最適な覚醒状態をつくるために最も大切なことは、脳の負担を減らし、省エネで勉強することです。

意志の力、努力に頼って勉強をすると、脳は大きく消耗し、体が動かなくなってしまいます。また、過度に集中できた経験(勉強のランナーズハイ)などから、自分の能力に自信を持って勉強に向かってしまうと、総合的なパフォーマンスを落としてしまいます。

つまり、意志の力、努力、頭の良さなどに依存せず勉強することが効率と成果を最大化させる秘訣なのです。

たとえば、多くの人が持つ勉強常識には、「勉強はもともとできる人と、できない人がいる」「勉強で結果を出すには、危機感を持ったほうがいい」「教材を読み込む。勉強中はしゃべらない」「ご褒美を設けて、やる気を出す」「勉強時間を増やすために、睡眠を削る」というようなものがあり、これらは、脳に大きな負担をかけてしまうので、挫折する可能性が高まります。

科学的な勉強常識では、「脳神経の迷走神経の働きをうまく導けば、誰でも勉強できる」「勉強する時間を区切って、目線を外したり、席を立ったり水分をとると、パフォーマンスが上がる」「勉強できないときは体の状態に従っているだけだから、勉強にふさわしい脳と体の状態を用意すればいい」「学習は、不十分な理解のまま、学んだことを言語化、文章化する」となります。

今までの経験から導き出した勉強常識を一旦やめて、科学的常識を実行することで、脳は最大限に活かされ、無理なく楽しく勉強を行うことができます。

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勉強に最適な脳と体の状態をつくる4つの技術

「脳と体を最適に覚醒させて勉強する」という科学的勉強常識を行うためには、脳の神経のひとつである迷走神経をうまく導くことが重要になります。とくに、腹側迷走神経という脳の神経が重要になります。

迷走神経という耳慣れない言葉を聞くと難しく感じるかもしれませんが、「勉強するときに、両足の裏を床につける」など簡単なことで科学的勉強常識は実行できます。これだけでも、脳のメモ機能が向上し、勉強がはかどるのです。

覚醒レベルは高すぎても、低すぎてもいけません。高い覚醒のときは交感神経系が覚醒し、緊張感が高まり、焦り、不安な状態になります。低い覚醒のときは背側迷走神経系が覚醒し、体が萎縮、頭が回らない、やる気が起こらない、投げやりな気分になり活動量が低下します。

腹側迷走神経系が覚醒すると、脳と体が最適に覚醒した最も適した状態で勉強に向かえます。

生物である人間のスペック(脳と体の構造・性能)を知り、それに合わせた方法で勉強すれば、無理なくパフォーマンスが上げられます。もともとの頭の良さは必要ありません。

腹側迷走神経系を覚醒させるには、以下のステップを踏むことが有効です。これらは、順にステップを踏んでいくと最も効果的ですが、自分ができそうなものを単体で行っても効果があります。

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勉強のパフォーマンスを高めるステップ

セルフトレーナーの起動:自分で自分をリードするメタ認知機能の起動

ステップ1を行う前に、すべてのステップで確実に行動を変えるために、まずは自分の中にいる「セルフトレーナー」を呼び起こします。そもそもどんなふうに勉強している姿を「理想の自分」として描いているのかを振り返り、そのイメージを明確にします。

「理想のイメージと現状の勉強状態とのギャップを埋める作業」を通して、自らを第三者の目線で見るメタ認知機能を呼び出します。勉強に必要なのは、自分の頑張りではなく、自分が頑張れる環境を用意する力です。セルフトレーナーを起動することで、達成までムダのない行動をとることができるようになります。

ステップ(1) チューニング:体の動きを少し変えて、腹側迷走神経系を働かせる

チューニングは、勉強に最もふさわしい体の状態をつくる技術です。体が整っていなければ、頭は働かないし、前向きに勉強できません。体づくりと言っても、ハードな筋力トレーニングやランニングする習慣をつくる必要はありません。たとえば、息を吐いたり、笑顔をつくったり、指サックをはめたり。勉強に臨むときに、ほんのちょっと心がければできることばかりです。

ステップ(2)セッティング:大きな挑戦、過度な集中や勉強後のご褒美など、安定したパフォーマンスを妨げることをやめる

どんな人にも、自分なりの勉強の仕方があります。ただし、これは経験則でつくられてきたものです。もし、勉強に取りかかれなかったり、やるときとやらないときの波が激しかったら、それは理想的な脳と体の状態を壊す学習環境になっています。脳と体は、用意された環境に従っただけです。

脳と体を変えるには、環境を変えなければなりません。勉強に適した脳と体の大敵は、「大きな挑戦」、「過度な集中」、そして「ご褒美」です。これらをやめてみることで、勉強が楽しくなってきます。

セッティングによって、スムーズに勉強へ入ることができるようになります。勉強は、「入り方」がとても大切です。入り方次第で、集中できることもあれば、1日をまったくムダに過ごしてしまうこともあります。

ステップ(3)アウトプット:その日の勉強は必ず言語化して終える

生物にとって勉強は、「次の行動を向上させるためのもの」です。自分の中に勉強内容を留めただけで行動に移さなければ、学んだ知識はすぐに失われてしまいます。学んだことを行動に移すと、その行動によって得られた情報が自律神経を介して勉強に最適な脳と体をつくり続けます。

そのため、アウトプットなしでは勉強に最適な脳と体の状態は維持できません。学んだことを人に教えると、「教えている自分のほうが理解が深まった」という経験があると思います。人に教えることは勉強ボディを維持するために最も望ましい環境ですが、そういう環境がつくれなくてもアウトプットはできます。

「今日はこんなこと勉強してさ」と家族や友人にただ話してみてもいいですし、SNSやブログに書いてもいい、ひとり言としてつぶやいてもいい。とにかく、その日の勉強の終わりには必ずアウトプットをしましょう。

ステップ(4)メンテナンス:質の高い睡眠で、学んだ知識は自分のものになる

ここまでの3つのステップを、グルグル回るだけの円から「記憶を定着させる」「知識を応用する」「学びからひらめきを起こす」という成長のスパイラルに変える作業は、睡眠中に行われています。誰でも毎日必ず行う作業が睡眠です。それを、使いこなさないのはもったいないことです。

実は、勉強できているときより、はかどらないときのほうが疲れます。やるべきことを頭の中にとって置く(記憶しておく)には、その神経の電気刺激を保ち続けなければならないからです。

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そのうえで、スマホを見たり、動画を見たり、マンガを読んだり、お菓子を食べたりと、別の作業をしなければならないので、脳はどっと疲れてしまうのです。

4つの技を使いながら、「勉強とはこうやるもの」という常識を自分の中に根付かせましょう。勉強が面倒くさい、やりたくない、という常識も、最初からそうなっていたのではなく、自分の中でつくり上げられた常識です。ですから、新しく別の常識をつくり上げることもできます。

「脳と体が快適な状態で勉強する」=「あなたの勉強常識」。これをつくり上げましょう。「勉強」の常識が書き換わるのは最速で4日です。まずは4日試してみると、前より疲れず、はかどっていることに気づくはずです。

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提供元:「地頭の良い人」に憧れる人が知らない勉強技術|東洋経済オンライン

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