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2020.10.13

30代から年1%ずつ減少する筋肉! いまこそタンパク質ファースト


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摂取量が減っているタンパク質。戦争直後と同じ!

30代以降は、毎年1%ずつ減少していくと言われている私たちの筋肉。女性ホルモンが減少する40代から女性の筋肉量は、一気に急降下します。更年期は、筋肉老化の曲がり角。筋肉維持のために、タンパク質摂取と筋トレが不可欠です。

筋肉の質と量に大きくかかわるのが、タンパク質。

私たちの体は、水分を除く、固形物の約半分がタンパク質でできています。肌や髪、筋肉、骨、内臓、白血球、赤血球、ホルモンなどは、タンパク質なのです。

それなのに今、日本人はタンパク質不足です。1970年代~1990年代の摂取量は、1日80g前後でした。日本人の平均寿命が世界一になったのはその頃です。

けれども2017年には1日69.4gしか摂っておらず、戦争直後と同レベルになっています。

その理由は、健康志向、やせ志向の高まりで肉類を避ける傾向や、炭水化物豊富なインスタント食品の普及が考えられます。

体重50kgなら、1日約60gのタンパク質が必要

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筋肉は24時間、常に分解と合成が行われています。材料となるタンパク質がなければ、いくら筋トレをしても、筋肉の合成は進みません。

筋肉を維持するのに、最低限必要なタンパク質は、体重1㎏に対して1日1.2g。体重50kgなら1日60gが必要となる計算です。

タンパク質は、摂り貯めができません。だから、朝、昼、夕に分けて摂ることが必要になってきます。

とりわけ、朝食は重要です。夕食後から、タンパク質を長時間摂取していないため、朝食で補給しないと、筋肉の分解ばかりが進み、確実に筋肉がやせ細っていきます。

若いときより、タンパク質の摂取を増やさないと筋肉は減る一方

仮に、同じ量のタンパク質を摂っていたとしても、30代よりも60代では、筋タンパク質の合成反応が低くなります。

また、50歳前後からは、消化酵素の活性が急激に減少します。つまり、更年期になったら、若いときよりも、タンパク質を多く摂取しなければ、筋肉を増やすのが難しいのです。

筋肉ロス(消失)に、歯止めが効かなくなる可能性があります。

特に、65歳以降はタンパク質摂取量が低いと、フレイル(要介護手前の虚弱)リスクが増加するというデータがあるほど。

更年期世代からは、タンパク質を含めた栄養の摂り方を再考する転換期となります。

ぽっこりお腹を解消したいなら、食事制限はナンセンス

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「ぽっこりお腹をなんとかしたい! ダイエット中はタンパク質を摂るのが難しい」と考えがちです。

しかし、下腹部のたるみを解消したいとき、多くの人は体重を減らせばいいと考えがちですが、それは間違いです。

ぽっこりお腹の原因は、内臓まわりの筋肉の衰えです。つまり、ぽっこりお腹解消には、体重を減らしやせることではなく、内臓をしっかり支える強い筋肉を持つことです。

プヨプヨの二の腕や垂れたお尻も同じ。筋肉は、それ自体にボディラインを引き締める力があり、自前のコルセットです。

筋肉の効用は、それだけではありません。体内で、糖と脂肪を最も大量に燃やしてくれるのが筋肉です。

たとえば、全身で使われている糖の70%は、筋肉で燃やされます。筋肉をうまく使えば、燃えやすい体になってやせられます。

筋肉の効用が明らかに! 今つけておけば老後の貯金になる

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今、筋肉の効用が次々と明らかになっています。

最近の研究で、運動をすれば、たとえ70歳以上の高齢者でも脳の海馬が大きくなり、記憶力がよくなるというのです。

また、筋トレをすると、認知症やうつ抑制効果がある脳の栄養成分BDNFが生成されます。

さらにインスリン様成長因子IGF-1という筋肉の成長を促す物質も、脳内に生成されます。アルツハイマー型認知症の原因となる脳内のアミロイドβを減少させる作用もあります。

つまり、筋肉をつければ、脳、骨、メンタル、糖代謝、免疫…が好循環するのです。だからこそ、筋肉の材料=タンパク質を十分摂る必要があるわけです。

筋肉があれば、体重計は気にしないで済む

もう体重計は気にしない! 体重が減れば、必ずしも体脂肪が減るわけありません。

たとえば、糖質制限ダイエットで、短期間で体重が減っても、減っているのは水分と大事な筋肉です。むしろ、筋肉が減って、相対的に体脂肪が増え、ブヨブヨした体に。筋肉を鍛えれば、糖質はある程度摂っても燃えるから、大丈夫と言われています。

筋肉がある基礎代謝の高い人は、食事で得た栄養素が常に燃やされてエネルギーとして使われます。だから、食べても太らないのです。

毎食20gのタンパク質が不可欠

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タンパク質は、摂り貯めができません。ですから3食バランスよく摂ることが大切になります。

さらに、筋肉の分解を進めないために、炭水化物も必要な栄養素です。タンパク質、炭水化物、脂質のバランスを考えた食事が筋肉を育てます。

筋肉を維持するのに最低限必要なタンパク質は、1日あたり体重1kgに対して1.2gです。

体重50kgなら1日60g摂る必要があります。しかも、タンパク質は、摂り貯めができないので、朝昼夕の3回に分けて最低20gずつが必要と言われています。それに炭水化物も大切。

炭水化物制限をすると、脳の糖分が足りなくなります。人が摂取する炭水化物の2割は、脳で使われ、脳だけで1日約400kcalを使います。

飢餓状態を除いて、脳がエネルギーとして使うのは、基本的に炭水化物だけです。しかし炭水化物ダイエットをして、さらにタンパク質も足りないとなったら脳は、一部のタンパク質をエネルギーとして調達します。

それでも足りないと、脳は自分の筋肉を分解し始めます。自分の筋肉を自分で使ってしまうのです。脳は、最後まで守らなくてはならない器官だからです。

やせていても隠れ肥満が多いのは、炭水化物を摂らないのに、タンパク質の摂取も少ないからです。そうするとダブルで筋肉が減っていきます。糖質はむしろ、筋肉の分解を抑えるのに欠かせないのです。

筋肉を育てる食事の黄金バランスは60:20:20

日本人は、タンパク質が圧倒的に足りていないと言われています。タンパク質不足の日本人の食事の黄金バランスは、炭水化物60%、タンパク質20%、脂質20%。これを3食摂って筋トレを続ければ、筋肉を効率的に育てられます。

代表的な食材のタンパク質量は、卵1個6g、納豆1パック8g、鶏むね肉100gで24g。毎食20gの摂取は、かなり努力が必要な量です。

特に、朝と昼の食事が重要。くり返しますが、タンパク質は、摂り貯めができません。タンパク質と炭水化物は24時間以内に消費されるため、朝は、誰もが低血糖状態。朝、炭水化物とタンパク質を摂らないと、どんなに筋トレしても筋肉は減っていくのです。

参考文献/『おサボリ筋トレ』森谷敏夫(京都大学名誉教授)著(毎日新聞出版)

増田美加・女性医療ジャーナリスト

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予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。

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記事提供:ウェブメディア「MYLOHAS」

ヘルスコンシャスな女性たちにむけて、「カラダ・食・マインドを整える」記事を厳選してお届けします。

提供元:30代から年1%ずつ減少する筋肉! いまこそタンパク質ファースト|MYLOHAS(マイロハス)

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