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2020.05.22

コロナ不況を乗り切るためにすぐ使える節約術|「いつでも使えるお金」が少ないと破綻必至


緊急事態宣言が解除されても不況は終わらない。20世紀前半の「世界恐慌」以来といわれる大波を乗り切る確実な方法とは? (写真:kei.channel /PIXTA)

緊急事態宣言が解除されても不況は終わらない。20世紀前半の「世界恐慌」以来といわれる大波を乗り切る確実な方法とは? (写真:kei.channel /PIXTA)

新型コロナウイルスの影響で今後の収入に不安を感じている人が少なくないでしょう。実際、休業を余儀なくされて収入が激減したとか、在宅勤務に切り替わって残業代がなくなったなど、痛手を被っている人が目立ちます。この先の雇用にも不安を感じることがあるかもしれません。その一方で、「Stay Home」に伴って時間的な余裕ができたという人もいると思います。

このような状況に際しては、今の自分の「お金」を点検し、今後のプランや資産形成について考えてみることをお勧めします。

有事の備えとして「生活費の1年分」を確保する

新型コロナのような「有事」に限らず、病気やケガ、収入減、急な出費などに備えて、「いつでも使えるお金」を確保しておくのは、家計を防衛するための基本です。

私は、住宅購入資金や子どもの教育費として準備するお金とは別に、「生活費の少なくとも半年分」、できれば1年分程度は、万が一に備えるお金として確保するようにお勧めしています。

収入が減った場合、そのダメージの大きさは、手元資金がいくらあるかに左右され、手元資金がないほど、逼迫した状況になります。半年分あるいは1年分の生活費があれば、もしも仕事を失うようなことがあっても、当面の生活には困らず、その間に生活が立て直せる可能性が高いと思います。

今は新型コロナで経済活動が停滞している、また今後の見通しを立てにくいという状況なので、「生活費の1年分」を確保しておくのが理想的です。自身で生活を立て直そうと思っても、経済が疲弊していればどうにもならないこともあるからです。

「生活費の1年分」となると、かなりの額になりますが、小遣いや外食費、衣服費、レジャー費など、カットできる費用については計算から外してもいいでしょう。住居費や医療費、通信費、食費、光熱費など、「絶対に必要な額」はいくらなのか、それをまず把握します。

そのうえで「手元資金」を確認します。預貯金だけでなく、投資信託や株式など金融資産を保有している人もいると思いますが、有事には株価が暴落しやすく、売却には適さないとも考えられます。できれば預貯金で一定の額を確保しておくのが安心です。

「絶対に必要な額」と「手元資金」を引き合わせて生活費の1年分には満たないということであれば、不足分の金額をどう準備するか、具体的に考えます。

例えば必要な生活費が1年分240万円(毎月20万円)で、手元資金が140万円あるとしたら、100万円を上乗せする方法を考えます。1年で100万円を貯めるには、月5万円、ボーナス2回で40万円などのペースで達成可能。2年なら、月3万円、ボーナス4回で28万円といったペースで貯めることができます。そのようにして、まずは生活費1年分を確保するプランを立ててみましょう。

「つみたてNISA」と「iDeCo」を優先的に活用しよう

すでに「生活費1年分」が準備できているという人は、将来に備えるお金について考えましょう。その際は「有利な商品や制度を使って計画的に準備すること」が大切です。優先的に活用したいものとして「つみたてNISA」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があります。

つみたてNISAは年40万円を上限に20年間、投資信託やETF(上場投資信託)を積立購入するものです。一般に、投資で得た利益には税金がかかりますが、つみたてNISAでは利益が非課税になる税メリットがあります。積み立てられるのは金融庁が選定した投資信託などで、購入時の手数料は無料、運用期間中にかかるコストもかなり抑えられています。非課税、低コストというメリットにより、効率的に投資ができるというわけです。

iDeCoは年金づくりのための制度で、原則的に毎月一定の額を拠出し、投資信託、預貯金、保険などから自身で選んだ商品で運用して、60歳以降に年金、一時金などとして受け取るものです。拠出した額が所得から差し引かれるため、所得税や住民税が安くなるほか、運用中に生じた利益も非課税となるので、税メリットを受けながら老後資金の準備ができます。

とくに所得控除による節税効果は大きく、例えば課税所得195万円超330万円以下の会社員が年間27万6000円を拠出した場合、所得税と住民税を合わせて5万5200円の節税効果があります(所得税率10%、住民税率5%で試算)。年間27万6000円を将来への仕送りとすることで、手取りが約5万5200円増える(節税できる)というわけです。

資産形成について、具体的な計画を考えてみましょう。下の図は、25歳から60歳まで毎月3万5000円ずつ積み立てる場合について試算したものです。

(出典:筆者作成)

(出典:筆者作成)

20~40代の人はスキルアップ、結婚、出産、住宅購入などライフイベントがたくさんありますから、それらに必要なお金も意識しながら、一部を老後資金づくりに向けて積み立てていく計画が理想的です。そこで、つみたてNISAに月1万5000円、定期預金に月1万円、iDeCoに月1万円というバランスにします。

iDeCoは60歳になるまで引き出せないため、これに比重を置きすぎると目の前のライフイベントにお金が不足してしまう可能性があります。そのため、必要に応じて解約できる定期預金やつみたてNISAを多めにしておくと安心です。

年3%のリターンなら、60歳で2000万円超の資産

図に示したように、つみたてNISAとiDeCoの年リターンを3%、定期預金を0%と想定すると、40歳時点で、つみたてNISAが340万円、iDeCoが227万円となり、定期預金180万円と合わせて747万円になります。50歳時点では合計1415万円、60歳時点で2283万円です(つみたてNISAは2042年までですが、延長されると想定して試算)。

すでにつみたてNISAやiDeCoをしている人の中には、収入の不安がある中で続けてもいいものか、と悩んでいる人もいるでしょう。

前述のように、1年分の生活費が確保できていれば、すぐにストップせず、実際に収入がダウンしたり、積み立てが難しくなったりしたら休止を考えればいいでしょう。まずは家計を見直して、家計をダウンサイジングし、それでも難しければ積み立てを減額する、あるいは休む、という順序です。

iDeCoの場合、金融機関に「加入者掛金額変更届」を提出すれば、年1度、掛け金の変更ができます。掛け金の最低金額は月額5000円で、5000円未満の積み立てはできません。また積み立てを停止する場合は、金融機関に「加入者資格喪失届」を提出します。積み立てを停止しても、それまでに積み立てた分について、運用商品を乗り換えるなどの指示は可能です。

注意したいのは、停止している間もそれまでと同様に口座管理手数料がかかることです。拠出を続ければ、所得控除による所得税と住民税の負担軽減で口座管理料のカバーも可能ですから、安易に停止するのではなく、無理のない範囲で継続するのが望ましいといえます。

iDeCoで拠出を停止した場合でも、それまでに積み立てた資金が引き出せるのは60歳以降です。すぐに引き出せるわけではないので、注意してください。

株価が下落しているときは積み立て投資に有利

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つみたてNISAやiDeCoの運用先として投資信託を選んでいる人は、株価下落に不安を感じているかもしれません。つみたてNISAは過去に積み立てた分を別の商品に乗り換える、いわゆるスイッチングはできませんが、iDeCoでは保有している投資信託を預金などにスイッチングできます。

しかし、スイッチングするということは、保有している投資信託を売ることであり、新型コロナの影響で株価が値下がり傾向にある現在は、安値で売る、つまり損失を確定させることになりかねません。この先も運用を続けられるのであれば、スイッチングを急ぐ必要はないと考えられます。

また新規で積み立てる分については、つみたてNISA、iDeCoとも商品の変更が可能ですが、今こそ、株式に投資する投資信託を選びたいところです。価格が低いときには多くの口数を買うことができ、買付単価を抑えることができるからです。

「有事」によって生まれた時間。お金について、じっくり考えてみましょう。

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提供元:コロナ不況を乗り切るためにすぐ使える節約術|東洋経済オンライン

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