2019.12.27
冬至(とうじ)/からだと心へのパワー注入で新年を迎えよう
冬至は12月22日から1月4日の短い時期です。この時期はお昼が最も短く、夜が長いのが特徴です。夜が長いということは陰が強いことから、陽が不足しています。陽は太陽の光に代表される暖かいエネルギーなので、最もからだが冷える時期といえるでしょう。その一方で、冬も後半戦になり少しずつ春の準備も始まっていきます。新年を迎えるにあたり、次の春に向けた英気を養う時期にもあたります。
骨を鍛える運動で春への準備
心機一転、何事にも頑張りたい時期ですが、体調が悪いと足腰に力が入らずに動き出すことがしんどくなったり、パワーが出ないこともあります。足腰が弱ると病弱になり、感染症などのさまざまな病気に発展していきます。冬は寒さのせいで動かないことが多く、骨が弱くなります。重力のない宇宙に行くと骨がもろくなることが知られていますが、寝てばかりの生活や運動不足は骨に圧力がかからないので同様のことが起こると考えられます。さらに、骨が弱るとさまざまな病気にかかりやすくなることが知られています。特に、骨には免疫細胞を産生するなどの役割があり、これが弱るとさまざまな感染症にかかりやすくなります。この時期は心機一転、骨を鍛えるため運動を行うように心がけましょう。
骨に負荷をかける運動には「レジスタンストレーニング」が効果的です。筋肉に負荷(自重・重りなど)をかけながら行う運動で、骨だけでなく筋肉の発達にも効果的です。簡単な方法は自重トレーニングです。たとえば、背部のトレーニングは仰向けになり、ひざを直角に曲げた姿勢から、息を吐きながら腰をもち上げます。このときも呼吸は自然に続けます。腰を上げすぎず低すぎず、首からひざまでが一直線の状態を維持します。腰を下ろすときは、首の方からゆっくりと床に下ろします。また、前腕のトレーニングでは、手を床に肩幅より広めにつき、ひざまたはつま先を床につけます。頭から床についたひざまたはつま先が一直線の状態を保ったまま、肘を曲げて上体を下ろします。このとき、腰が反るまたは曲がってしまわないように意識します。肘を曲げて下ろせるところまで上体を下ろしてから、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります。
湧泉(ゆうせん)を刺激して元気アップ
冬至を乗りきるツボとして湧泉(ゆうせん)を覚えておきましょう(図)。湧泉は土踏まずの前の方の中央にあって、足の指を曲げたときに最もへこむところです。このツボは、元気がわき出る泉であり、足腰を強くしてくれます。イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒あけて5回程度刺激するようにしましょう。
伊藤和憲(いとうかずのり)
鍼灸師・明治国際医療大学教授・鍼灸学部長・鍼灸臨床部長
1972年生まれ。鍼灸学博士。全日本鍼灸学会理事。明治国際医療大学鍼灸学部教授。明治国際医療大学大学院鍼灸学研究科教授、同大学大学院研究科長。2012年~2014年、厚生労働省科学研究費助成事業 地域医療基盤開発推進事業「慢性疼痛患者に対する統合医療的セルフケアプログラムの構築」, 2014年~2015年同研究助成事業「鍼灸における慢性疼痛患者の治療方針ならびに医師との連携に関するガイドライン」の研究班班長を務める。また、2016年より過疎化対策の一環として京都府南丹市にて養生の体験教室「MIYAMA 森の湯治場」、さらには奈良県宇陀郡曽爾村の美人プロジェクトを監修。明治国際医療大学附属鍼灸センター長を務め、「はり・きゅう」の治療に当たるとともに、慢性痛患者のためにセルフケアを指導している。
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文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授)
イラスト/中根ゆたか
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提供元:冬至(とうじ)/からだと心へのパワー注入で新年を迎えよう|ワコール ボディブック