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2019.06.05

うっかり相手をイラつかせる人の「残念な一言」 |「案外」「意外と」を連発していませんか?


「どうも、人とうまくいかない」と思っているとき、伝え方で損をしているかもしれません(写真:Taka/PIXTA)

「どうも、人とうまくいかない」と思っているとき、伝え方で損をしているかもしれません(写真:Taka/PIXTA)

「どうも、人とうまくいかない」と思っているとき。その原因はちょっとした言葉遣いや話し方にあったりします。わずかな癖で相手に「失礼な人」と思わせていたり、がちがちにマナーを守って話しているがゆえに、いつまでたっても人間関係が築けなかったり。そして怖いのは、多くの人がそれに気づかないことです。
元NHKのキャスターであり、現在は長崎大学でスピーチやコミュニケーションについて教えている矢野香さんに、最新著書『大人の伝え方ノート』でも解説している、気をつけなければいけない話し方について語っていただきます。

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一度印象が悪くなると挽回するのは難しい

私は、NHKでキャスターを務めたのち、現在は大学教員として心理学、主に、人から評価される話し方や、人の印象がどう決まるのか、などコミュニケーションについて研究しています。

会社や学校、とくに新しい環境で、

「相手がなかなか動いてくれない」

「相手とのちょうどいい距離感がわからない」

「感じのいい話し方ができる人がうらやましい」

と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

一度ですっと相手の懐に入り望むような人間関係をつくることができるとしたら、ビジネスの場面はもちろんプライベートなどあらゆる場面でどんなにかうまくいくでしょう。そんなコミュニケーションがとれるかどうかは、あなたの伝え方次第です。

ただし、コミュニケーションにおいて、人間関係を上手に構築したかったら、ただマナーを守っているだけでは難しいでしょう。相手の気持ちを推し量ったうえで、うまく伝えることが必要です。とはいっても、その加減がわからず損をしている人が多いようです。

一度、相手から「あの人はちょっと……」と思われてしまうと、たとえ実際は違ったとしても挽回するのは難しいものです。それはすごくもったいないこと。

時期的にやっと新しい職場になじみはじめたという方も多いことでしょう。知らずに相手に「イラっとされている話し方」についてお伝えします。

一緒に食事をしているときなどに、感想として「悪くないですね」と言う人がいます。本人に悪気はないのでしょうが、実は「感じが悪い」と思われる表現の1つです。

例えば、NHKの調査によると、「ここのカレー、おいしいですね」に比べ、「ここのカレー、悪くないですね」という表現は、69%の人が「感じが悪いと思う」と答えました。

場面や受け手によっては、いわゆる上から目線で評価をしているような印象を与えるからでしょう。

人に食事をご馳走になったときは、「○○ない」という否定形ではなく、肯定形ではっきりと「おいしいです」「おいしかったです」とお礼の気持ちを伝えたほうが相手も喜んでくれるはずです。

同様に、相手を褒めるときに「割に」「比較的」「案外」「意外と」「けっこう」などとつけるのも避けましょう。「割においしかったです」という言い方です。

「割に」「比較的」は、「どちらかといえば」というニュアンスです。また「案外」「意外と」は、「自分の予想と違って」というニュアンスを含んでしまいます。つまり相手の実力を見下していた、ということになってしまいますから失礼にあたるのです。

最近、「普通によかったよ」などという言い方をする人もいます。これも相手はあまり褒められたような感じはしないかもしれませんよ。

「さすがですね」はキケン

褒め言葉の“さしすせそ”というものがあります。

さ「さすがですね」「最高ですね」

し「知りませんでした」「信じられません」

す「すごいですね」「素敵ですね」

せ「センスいいですね」「誠実ですね」

そ「そうなんですか」「それは○○ということですか」

適切に使えば、相手とのコミュニケーションを円滑にすることができる言葉です。

ただ、目上の人に使う場合に要注意のものもあります。例えば「さすがですね」はその1つです。

目上の人に向かって、賞賛の気持ちで「さすがですね」と言っていませんか? これは実は悪印象を与えます。敬語ではなく、いわゆる「上から目線」の印象を与えてしまいます。賞賛というのは、そもそも目上の人から目下の人へするものです。

「私はいつも〇〇さんに勉強させていただいています」といった表現に換えるのがベターです。

「頑張ってください」「応援しています」も、とくに目上の人には失礼な言い回しです。「ご成功をお祈りします」であれば、上下関係なく使えます。

目上の人に使える褒め言葉としては、以下を覚えておくと便利でしょう。

・感銘を受けました

・感服いたしました

・思わずメモを取りました(講演を聴いた後など)

・つい立ち止まって拝見してしまいました(写真・絵画など)

・思わず見入ってしまいました

・涙が出てきてしまいました

・お似合いですね(洋服など)

・もっとお話をお伺いしたいです

・そういう経験をされた方は少ないのではないでしょうか

このように、目上の方に感想を述べるときには、「~してしまいました」という表現は使いやすいものです。自分の反応を伝えることで、自然に相手を持ち上げることができます。

「参考になります」と言っていませんか?

へりくだった言い方のつもりなのに、実はそうでもないものはほかにもあります。人から何かを教えてもらったときや、情報をもらったときの「参考になります」というのが、その1つ。

「参考にするだけで取り入れるかどうかはわかりません」 という意味になり、失礼な物言いにあたります。

そんなときは「勉強になります」と言い換えましょう。相手に気持ちよく通じ、またあなたに教えてあげたいという気にもなるでしょう。

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「貴重なご意見ありがとうございました」という言葉にも注意が必要です。「意見として聞くだけ聞いておこう」としか伝わらない場合があります。場合によっては厚意をはねのけたように映るかもしれません。

「ご教示いただき、ありがとうございました」ならば、教えをいただいたことに感謝していることが伝わります。のちに、たとえもらった意見とは異なる選択をしたとしても、相手は気に留めないでしょう。

実は失礼になっている言葉は、ほかにもあります。

×なるほど

〇おっしゃるとおりです

〇確かにそうですね

×お世話様です

〇お世話になっております

×ご一緒します

〇お供させていただきます

ちょっとした言い方で、相手との信頼関係を損ねてしまうのは本当に残念なことです。相手とよりよい関係を築くために、ぜひ普段の言い方をチェックしてみてください。

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人望のない人は「たった一言」が添えられない

残念!「相手を疲れさせる話し方」ワースト5

「話がわかりやすい」人は一体何が違うのか

提供元:うっかり相手をイラつかせる人の「残念な一言」| 東洋経済オンライン

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