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2019.03.29

卒婚願望アラフィフ夫婦が定年前にすべきこと|50代昭和型夫婦はこのままだと老後がヤバイ


幸せな「卒婚」に向けて、今から準備しておくこととは?(写真:xiangtao/PIXTA)

幸せな「卒婚」に向けて、今から準備しておくこととは?(写真:xiangtao/PIXTA)

結婚しているアラフィフ世代であれば、誰しも一度は「離婚」という文字が頭をよぎったことがあると思います。明治安田生命福祉研究所が40〜64歳の男女を対象に2018年6月に行った「人生100年時代に向けた意識調査」によると、「定年離婚」(定年を機に離婚する)を考えたことがある割合は、子どもがいる既婚男性で19.6%、女性で28.1%となっています。その理由は「愛情を感じられない」など、夫婦仲にまつわることだそうです。

この回答を見て、「意外と少ない」と思った人が少なくないでしょう。

年齢とともに、妻の「卒婚願望」に拍車がかかる

しかし実際は、離婚は考えないまでも、「卒婚」ならしたいという人はかなり多いように感じます。「卒婚」とは離婚はせず、配偶者に必要以上に干渉し合わず、自分のライフスタイルを楽しみ、夫婦関係を継続することを言うそうです。

卒婚には、同居のパターンと別居のパターンがあります。同居の場合、従来の家庭内別居が想起されますが、そうしたネガティブなものではなく、子どもが巣立ち、残りの人生をそれぞれ好きように過ごすという「お互いを思いやる」という意味合いが強いようです。

卒婚については男性5~6割、女性7~8割と、女性のほうが男性に比べて肯定的なことがわかります。女性の年代別で見てみると、40代前半が69.3%だったの対して、60代前半は78.7%と、年齢に比例して卒婚を肯定的に受け止めているようです。

芸能界でも、ものまねタレントの清水アキラさん、歌手の加山雄三さんといった熟年世代が卒婚を選択して話題になりました。

しかし、卒婚という夫婦の形は、経済的ゆとりがある年金逃げ切り世代だからできる選択と言えるのです。

私は「プレ定年夫婦専門FP(ファイナンシャルプランナー)」として、アラフィフ世代のお金の相談をさせていただいています。実は私自身が会社員の夫と子どもを持つ主婦であり、ご相談にいらっしゃる方も、私のような主婦の方がほとんどです。

先日、私のもとに来られたAさんの相談内容は、「夫から丸投げされた家計管理」についてでした。 

Aさんは家計管理が得意ではありませんが、夫も同様でした。良妻賢母の義母が完璧にこなしていたからです。それで有無を言わさず、Aさんが家計管理をすることになりましたが、その結果、結婚生活30年で貯金はほぼゼロ状態。

それにもかかわらず、夫に現状報告することや話し合う機会を持つことはありませんでした。夫はAさんが上手にやりくりをしていると思っているようで、慌てて相談に来られたのです。

実は、アラフィフ夫婦に多いのが、こうした「家計管理は妻まかせ」や「夫から毎月の生活費を渡されるだけで、貯蓄状況がわからない」というものです。日頃からのコミュニケーションなどの有無から、夫婦仲は当然、家計状況に大きな影響を与えます。家計状況がよくないと、「妻の卒婚願望」を助長することにもなりうるのです。

不況で培われたアラフォー世代のたくましさ

このような夫婦は、昭和30年代後半から40年代前半生まれのアラフィフ世代に多く、彼らは社会構造が変化する中でも、「男は仕事、女性は家庭」という「親世代の価値観」にとらわれた、いわば“ガラパゴス夫婦”と言えます。 

親世代は昭和の高度成長期の波に乗った “昭和型夫婦”です。女性は専業主婦が前提、男性は正社員として終身雇用で働き、会社の福利厚生が家族の生活保障を担い、55歳から支給開始の年金で老後の生活も守られていました。彼らの現役時代は人口動態、雇用、年金など、世の中は効率よく、多くの人の暮らしは順調に回っていました。

しかし、そんな親たちの価値観は、現実にはすでに崩壊しています。バブル景気を体験したガラパゴス夫婦は、いつのまにか下りのエスカレーターに乗ってしまっていることにも気がつかず、親世代の常識を引きずっている人が多いのです。

時代と相反する認識と役割の押しつけが、長年の結婚生活で夫婦仲に影を落としてきたと言えるでしょう。親世代と同じく自分たちも大丈夫と、ゆでガエル症候群に陥っているのを目の当たりにすると、危機感を覚えます。

一方、昭和50年代生まれの、好景気を知らない時代に育った“平成型夫婦”は、「不安定な雇用」や「公的年金の減少」といったリスクに対して、夫婦共働きや貯蓄の励行などで、ある程度、対応できているたくましい世代です。

年金逃げ切り世代とも言われる昭和型夫婦は、卒婚できる経済的ゆとりがあるかもしれませんが、新旧世代から取り残されたガラパゴス夫婦にとって、「卒婚」は老後破綻への道を突き進んでいるとしか思えません。必要なのは卒婚ではなく、「新しい形の夫婦円満」です。今後の10年が家計、夫婦関係、人生立て直しのラストチャンスと言えるでしょう。

「下りのエスカレーター」に乗ってしまったガラパゴス夫婦がすべきことは、なんと言っても、経済的に夫婦円満になることです。

長年蓄積してきたお互いへの感情は、スタート地点に戻れるものではありません。ここでの夫婦円満とは、残りの人生で経済的な損失を出さないよう互恵関係を築くことです。実際は夫婦仲が冷え込んでいても、いまさらやり直しはできません。ですから、あえて互いに利益を得るパートナーシップを築いていくと腹をくくることが、残りの長い人生を幸せに過ごすために最も必要なことではないかと思います。

1人より2人のほうが断然コスパがいい

生命保険文化センターの調査によると、老後生活に不安を感じている人の割合は男性82.1%、女性88.4%と、ほとんどの人が不安を抱えています。なかでも、公的年金では不十分と考えている人は、8割以上に上っています。

総務省が行った2017年「家計調査年報」によると、世帯主が60歳以上で無職世帯(世帯員2人以上)の家計収支は1カ月に約6.1万円、単身無職世帯では約4.1万円の赤字です。1人で暮らすより2人のほうが、コスパがいいことは明らかです。

現在、国民年金は65歳から支給開始です。会社員が加入する厚生年金については、生年月日(男女別)により支給開始年齢が異なります。生まれが1961(昭和36)年4月2日以降の場合、65歳からの支給開始となります。

政府は「65歳までの雇用機会の確保」や「70歳までの雇用促進の検討」を進めているので、60歳以上の雇用環境については心配ないように感じます。しかし、厚生労働省の平成29年就労条件総合調査の概況によると、「65歳以上」を定年としている企業の割合は17.8%、「60歳」としている割合は79.3%と、60歳定年が未だ圧倒的多数です。

つまり、自動的に65歳までの雇用が確保されているのではなく、年金空白期間の60歳から65歳までをどう乗り切るかが課題の1つです。

前段階として、50代は定年に向かって、会社のさまざまな制度に向き合うことになります。例えば、55歳が役職定年の場合、「〇〇部長」と呼ばれていたのが「〇〇さん」になり、給料も半減というのはよく聞く話です。これまで安定したポジション、給料の恩恵を受けてきた人は、55歳からこうした処遇で保たれてきたプライドを捨てることです。

収入の柱が夫の給料だとしたら、夫をサポートすることも妻の大きな役目となります。夫がなるべく長く働けて、家庭で居心地よく過ごせるように気遣うことのほかに、夫の会社の制度を理解しておくことも重要です。

役職定年、継続雇用制度、定年延長制度、企業型確定給付年金、企業型確定拠出年金(401K)や、公的制度の在職老齢年金、高年齢雇用継続給付金なども押さえておきたいところです。事前に知っておけば、ある日給料が減っても、かける言葉を選ぶことができるものです。

また、妻自身がいざというときのために地元地域のつながりを築いたり、夫婦の健康を維持するための食事管理を気遣うなど、無形資産を築くことも意識して進めておきたいところです。夫婦で同じ船に乗っていることを自覚し、泥船にならないようパートナーシップを組むことは、ガラパゴス夫婦に残された有効な対策ではないでしょうか。

記事画像

年金は何歳からもらうのが一番おトクなのか

「年金分割」熟年離婚は99%やめたほうがいい

老後に月30万円使うには貯金はいくら必要か

提供元:卒婚願望アラフィフ夫婦が定年前にすべきこと|東洋経済オンライン

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