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2019.02.22

【特集/年齢に負けない髪に】 あなたの頭皮、健康ですか?


----加齢による血流の低下、ホルモンバランスの乱れなどが髪の量と質に変化をもたらすことや、からだの中からケアすることの重要性についてお話ししましたが、今回はヘアケアをクローズアップ。プロフェッショナルヘアケアメーカー「ミルボン」で、髪にまつわるさまざまな研究を行っている伊藤 廉さんに、最新の研究から見えてきたケア法について伺いました。

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頭皮に常駐する菌の増殖も 薄毛や白髪の原因に

ひと昔前は、髪のエイジングといえば白髪と薄毛でしたが、うねりやパサつき、ツヤがなくなってくるといった悩みも、学術的にエイジングのサインです。私たちの研究チームは、「今まで使っていたトリートメントの効果を実感できなくなってきた」という30〜40代女性たちの声に着目し、約7年前に研究をスタート。髪のエイジングはまずうねりから始まること、加齢によって頭皮や毛髪が酸化(カルボニル化)すると、ツヤや水分保持力が低下し、生えてくる髪の毛も酸化していることを実証しました。今まで使っていたトリートメントの効果を実感できなくなり、髪質が変わったように感じるのは、このカルボニル化が原因だったのです。生えている髪のカルボニル化を除去する方法は現在のところありませんが、活性酸素を除去する酵素の働きを強めてくれるエッセンスなどを用いれば、頭皮のカルボニル化を抑制することは可能です。

データ提供/ミルボン 
地肌だけでなく、毛髪も年齢とともにカルボニル化していることがわかります。

データ提供/ミルボン  地肌だけでなく、毛髪も年齢とともにカルボニル化していることがわかります。

また、我々の最新の研究では、白髪や抜け毛の多い人は頭皮が赤い(慢性的な炎症を起こしている)ことがわかりました(下の写真)。つまり、若いときから慢性的な炎症を放っておくと、白髪や抜け毛のリスクが高くなるのです。東大発ベンチャーTAK-Circulator株式会社との共同研究で原因のひとつを追求した結果、頭皮にも細菌群がいることがわかり(腸内フローラにちなみ『スカルプフローラ』と命名)、さらに調べてみるとコリネバクテリウムという常在菌が増殖し、細菌群のバランスが崩れている頭皮は、慢性的な炎症を起こして赤くなっていました。コリネバクテリウムは、若い人の頭皮にもいますが年配の人に多く、頭皮が赤い人は白髪や抜け毛が多いこともわかっています(健康な頭皮は青白い色)。

腸内フローラ ※外部サイトに遷移します

<年代及び赤みの強さで分類した頭皮のマイクロスコープ画像>

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<画像中の毛髪解析結果>

青:頭皮の青白い群 
赤:頭皮の赤い群 
写真とデータ提供/ミルボン

青:頭皮の青白い群  赤:頭皮の赤い群  写真とデータ提供/ミルボン

頭皮をしっかり洗浄&乾かすことは 薄毛や白髪予防の第一歩

ニキビの原因となるアクネ菌は悪玉菌のイメージがありますが、悪でも善でもなく、多い方に加勢する日和見菌です。普段は皮脂をパクパク食べ、肌のpHを弱酸性に保ってくれていますが、悪いタイプのアクネ菌が毛穴などに異常繁殖するとニキビになるのです。コリネバクテリウムも、スカルプフローラのバランスが崩れて悪玉菌が増殖すると、一緒に悪さをする日和見菌。コリネバクテリウムが出す代謝物(排泄物)が、毛髪の健康的な成長に悪影響を与えていることまでは検証済みですが、なぜコリネバクテリウムが増殖するのか、その原因はまだわかっていません。

頭皮も腸内同様、菌のバランスが重要なので、ゼロにすればいい訳ではないのです。ミルボンでは、コリネバクテリウムの割合を減らすヘアケアを発売していますが、コリネバクテリウムは湿気を好む性質があります。乾燥しやすい毛先に対し、頭皮はからだの中でも湿度が高いため、繁殖しやすいんですね。ですから、まずは頭皮をしっかり洗浄すること。濡れた髪はキューティクルが傷つきやすく、雑菌も繁殖しやすいうえ、スカルプフローラのバランスも崩れてしまうので、洗髪後は生乾きのまま寝たりせず、頭皮と髪全体をしっかり乾かすようにしましょう。

----日々、頭皮の状態をチェックすることも大事ということで、ミルボンでは肌診断用のマイクロスコープを手がける機器メーカーと頭皮診断機能を開発。「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)が主催する、最新の研究成果を発表する大会で2018年度の最優秀賞を受賞しました。現在は、このマイクロスコープを使って将来の毛髪状態などを診断するプログラムを製作しています」。次回は、頭皮の正しい洗い方、トリートメントの効果を最大限引き出す方法などをご紹介します。

伊藤 廉

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博士(理学)、株式会社ミルボン 研究開発部 基礎研究グループ統括マネージャー。2011年ミルボン入社。専門は、たんぱく質科学や毛髪科学。現在はおもに、毛髪や頭皮の新たな測定方法を開発している。

先生/伊藤 廉(博士(理学)、ミルボン 研究開発部基礎研究グループ 統括マネージャー)
取材・文/山崎潤子
イラスト/はまだなぎさ

※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。

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提供元:【特集/年齢に負けない髪に】 あなたの頭皮、健康ですか?|ワコール ボディブック

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