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2018.10.02

相手に伝わらないのは「言い方」に問題がある|「伝える」のは、場数を要するスキルだ


伝えることをあきらめていませんか?(写真:polkadot/PIXTA)

伝えることをあきらめていませんか?(写真:polkadot/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

「伝えたことが相手に伝わっていない(理解されていない)」というのは、人間関係トラブルの中でも深刻なもののひとつです。きちんと伝えたはずなのに、受け取ってもらえないと感じることが続くと、嫌気がさしてきて、「言っても無駄」「言うだけエネルギーの浪費」と考えるようになり、より一層「伝える」ということをしなくなります。

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「伝え方」に問題がある場合も多い

日本人は、察する文化の中で生活をしているので、言わなくても「わかる」もしくは「わかってほしい」という気持ちをお互いに持ちやすく、お互いに、「何となくわかっているつもり」に陥りやすいのも事実です。しかし、当たり前ですが、言葉で伝えなければほとんどのことは伝わりません。

実際、私が携わっているカウンセリング業務の中で、クライアントの方々から、いろいろな意見や要望を伺うことが多くあります。そして、そのことを誰かに訴えてみたり、相談したことがあるかという問いには「NO」の答えが来る割合は非常に高いのです。

さらに、「伝えることを、そもそもあきらめている」ケースが多く、伝わらない理由を「相手の問題」ととらえる傾向にあります。

もちろん、わかりやすい言葉で、相手の受け取りやすいタイミングで、具体的に伝えたにもかかわらず伝わらない場合は、「相手の問題」とも言えますが、「伝え方」に問題がある場合も実はとても多いのが現状です。

「伝え方」に問題があるにもかかわらず、相手が受け取れないことに腹を立てたり、直接的な表現を使って言わず、遠回しなニュアンスや、表情・態度で示しただけで、相手が察してくれないことに憤るのです。

そういった経験が重なると、「言っても無駄」の思考につながり、言うのをあきらめるという負のスパイラルを招きます。

「意見を言わない」もしくは、「わかるように伝えない」

「わかってもらえない」

「自分が傷つく」

「言うのをあきらめる」

「相手に伝わる」伝え方のポイントとは?

最終的に、自分の意見や気持ちを言うことをあきらめてしまうと、相手に対しての不平、不満は解消されないばかりか、ため込む一方になり、やがては、相手との関係性自体にほころびを生じさせます。そうならないように、「相手に伝わる」伝え方が必要になります。

まず、伝え方のポイントは、3つ「事実を・シンプルに・穏やかに」です。

伝えるのが苦手な人ほど、事実でなく、感情論を回りくどく、修飾語をたくさん使い、どこからが本論なのかわかりづらくしている傾向があります。

電話やメールの文面が長くなりやすい人は、知らず知らずのうちに回りくどい言い方をしているかもしれません。相手に遠慮したり、配慮する気持ちが強いと起こりやすい場合もあるので、率直に物ごとを伝えることへの抵抗感をなくすことから始めましょう。また、どんなに丁寧な言い回しや敬語を使ったとしても、冷たく言い放つことはできますから、表情や口調を穏やかに伝えていただきたいと思います。

この3つを心掛けることで、相手に言いたいことが伝わりやすくなります。

そして、「伝える」のは、場数を要するスキルで、「言える場面」が多ければ多いほど、伝え方がうまくなり、反対に、少なければ上達するのは難しいといえます。よって、数多くトライすることが望まれます。

まずは、ステップ1「言いやすいことを言いやすい人に言う」ところからスタートしてください。このくらいのこと言わなくてもよいかな、といった程度の、通常なら「ま、いいか」でのみ込んでしまうようなことを言葉に出して相手に伝えることが大切です。

相手に対して「ちょっと気になる」「なんか違和感がある」といったことを取り上げるとよいでしょう。実は、この感覚は、放っておくとやがて「怒り」に転じる感覚なのです。たとえば、相手の仕事のやり方に「ちょっと気になる」ところがあったとします。言わないでいれば、その状況は変わらないので、だんだんと「イライラする」状態につながり、最終的に「腹が立つ」いった具合に、発展しやすいのです。

気持ちが大きく動いてしまうようになってから伝えるのは、イライラや怒りが相手に伝わりやすく、こちらの言い回しも穏やかに、とはいかないものです。しかし、言いやすい人に「なんか気になる」程度のことを伝えるのですから、こちらにも余裕がありますので、基本にのっとり冷静に伝えることができるはずです。これが、スムーズにできるようになってから次のステップです。

スモールステップで経験を積んでいく

ステップ2「言いやすい人に、言いにくいことを言う」。これも段階を踏んで、少しだけ言いにくいことから始めましょう。人によって、ハードルの高さはさまざまだと思いますが、たとえば「相手が忙しいときに、自分の仕事を手伝ってもらう」とか、「無理を言って仕事を代わってもらう」などから始めるのは、いかがでしょうか。

そして、これらができるようになって初めてステップ3「言いにくい人に言いやすいことを言う」のステップに進めます。最終的にステップ4「言いにくい人に言いにくいことを言う」というところまでたどり着くのは、かなりの時間と場数を要するのです。いきなりジャンプアップは難しく、スモールステップで経験を積んでいく必要があります。

相手、状況、内容によっても一筋縄ではいかないと思いますが、場数を踏んでいく中で、トライ&エラーを繰り返し、事実をシンプルに穏やかに伝えていくスキルが身に付きます。そして、相手の出方や状況に応じて臨機応変に対応することを感覚で学んでいき、対応の柔軟性が身に付いていくのです。「伝える」とことをあきらめずに、できることからトライしていただけることを願っています。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

相手をなぜかイラッとさせる「3つの禁句」

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「メールで相手を怒らせる人」に欠けた視点

提供元:相手に伝わらないのは「言い方」に問題がある|東洋経済オンライン

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