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2018.08.10

なぜ「40歳以上・日本男性」の3割が肥満なのか|6割超が「週2回以上30分以上の運動」をしない


メタボやメタボ予備群も多い(写真:freeangle/PIXTA)

メタボやメタボ予備群も多い(写真:freeangle/PIXTA)

2008年4月に「特定健診・特定保健指導(いわゆる「メタボ健診」)」がスタートして、10年が経ちました。

現在、死亡原因の約6割が生活習慣病によるものですが、生活習慣病は、バランスのとれた食生活や適度な運動習慣によって予防が可能と考えられています。メタボ健診は、生活習慣病が増える40~74歳を対象としています。腹囲やBMI(体重[kg]/身長[m]の二乗)が基準外の人は、内臓脂肪の蓄積が疑われ、血圧、血糖、中性脂肪の数値によっては「メタボ(メタボリックシンドローム)」と判定されます。

日本では、BMIが、18.5~25が普通体重、25~30が肥満1度、30~40が肥満2度、40以上が肥満3度とされています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査(2016年)」によると、40~69歳の男性の約3割が肥満(そのほとんどが肥満1度)に分類されます。

この年代の男性の平均BMIも、上昇し続けており課題となっています。なお、BMIは身長と体重だけで判定する基準であるため、筋肉が多い人でも、高くなり得ます。しかし、現実には、中高年のBMI25以上のほとんどが、メタボやメタボ予備群です。

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「運動不足」を感じる人は増加

肥満解消のための生活習慣の見直しとして、まず、思いつくのが「運動」ではないでしょうか。現在、運動不足は多くの人に認識されている課題の1つです。ニッセイ基礎研究所が20~69歳の人を対象に行った調査でも、日ごろの体調や生活習慣に関する課題として「運動不足」をあげる人が多く、男女すべての年齢層で最大の課題として認識されていました。

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文部科学省の「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、「運動不足」を感じている人は増加しており、2017年にはどの年代も7~8割と高くなっています。特に50代以上で、この10年で大きく増加しています。

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運動の肥満改善効果を5年間追跡調査

運動は、どの程度肥満改善に効果があるのでしょうか。ここでは、5年間にわたって年1回以上健康診断を受けている40~50歳代の男性のうち、1年目に肥満1度だった人の5年間の健康診断と問診結果を紹介します。分析に使用したデータは、(株)JMDCが保有するいくつかの健康保険組合の健診データで、対象となる40~50代の肥満1度の男性は7081人でした。

対象者の5年後のBMIは、76.5%が「肥満1度」で変化なし、18.1%が「普通体重」に改善、5.3%が「肥満2度」に悪化していました。

5回の健康診断(年に1度の受診前提、複数回受診者はその年の最初の検診結果を採用)のうち、問診票で「1日30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施している」と回答した回数は、0回(運動実施年数が0年)が65%、1回が13%、2回が8%、3回が5%、4回が4%、5回が5%と、大半が運動習慣がありませんでした。

つづいて、運動を実施していると回答した回数別に改善状況を見ました。その結果、運動実施回数が多い方が改善している割合が高い傾向があり、5年間のうち3年以上実施していれば、4分の1程度が普通体重に改善していました。

ただし、運動実施回数が0年でも、16.8%が5年後に普通体重に改善しています。運動だけでなく、食生活の改善などの影響もあると考えられます。

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国は、健康増進法に基づき「健康日本21(第2次)」において、性年代ごとに「運動習慣がある者(1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者)」の割合の目標値を定めています。

目標値は、65歳以上男性が58%、女性が48%です。現役世代は、仕事や家事等で十分な時間を割くことが難しいことが運動を実施できていない大きな要因と考えられているため、目標値は男性が36%、女性が33%と、65歳以上と比べて低く設定されています。

しかし、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、性年代別に時系列でみると、運動習慣がある者の割合は男女とも60歳以上で増加傾向があるものの60歳未満では、残念ながらどちらかといえば低下傾向です。

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運動をしない理由は「時間がない」

文部科学省の「体力・スポーツに関する世論調査」によると、運動をしない最も大きな理由が「時間がない」です。今回紹介した40~50歳代男性も、多くの時間は取れない年代でしょう。また、今回の結果から、5年間のうち3年間運動をしていても普通体重に改善しているのは4分の1程度と、効果が見えにくいのかもしれません。

しかし、運動には、肥満防止以外にも、高齢期の運動機能維持、ストレス解消等、さまざまな役割があることが知られています。まずは休日だけでも、体を動かして爽快感を味わってみてはどうでしょうか。

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提供元:なぜ「40歳以上・日本男性」の3割が肥満なのか|東洋経済オンライン

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