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2018.06.13

「感情を紙に書く」習慣でストレスは減らせる|1日20分、その日思ったことを書き出すだけ


ストレスを軽くする手っ取り早い方法とは?(写真:iStock/kokoroyuki)

ストレスを軽くする手っ取り早い方法とは?(写真:iStock/kokoroyuki)

今抱えているストレスを少しでも軽くしたい、という人は多いはず。その手っ取り早い方法の1つが、自分がその日思ったことや感じたことをひたすら紙に書き出すという方法です。この「エクスプレッシブ・ライティング」のやり方と効果とは?――人間の心理に詳しい『ストレスを操るメンタル強化術』の著者でもあるメンタリスト DaiGo氏に解説してもらいました。

『ストレスを操るメンタル強化術』 ※外部サイトに遷移します

思ったことや感情を紙に書き出す

ストレスはほとんどの場合、「自分をよく見せよう」「自分の感情を抑えよう」と思ったときに起こります。そうするとメンタルが弱くなりますから、自分の感じたことを“素直に”紙に書いて吐き出しましょう。

自分の感情や思ったことをひたすら書き出すことを、エクスプレッシブ・ライティングといいます。エクスプレッシブ・ライティングを1日最低8分やるだけで効果があったという報告もありますが、できれば毎日20分は行ったほうがいいようです。

毎日、仕事が終わったあとや寝る前に、自分の感情を20分間書き出すだけで、メンタルが強くなり、ストレスが大幅に消えていきます。

20分がきついようなら、最初は5分でいいですが、できれば8分以上。20分は長いと感じるかもしれませんが、やってみると意外にできてしまいます。

私もやっていますが、恨み文のようになるときもあります。しかし、それをあとで冷静になって見返すと「自分はこんな感情だったんだ」と一歩引いた客観的な目で見ることができ、受けとめることができます。

紙に書くことによって、「自分はこういうことを思っていたんだ」「こんな感情を抱いていたんだ」ということがわかります。このように自分の感情と向き合うと、その感情を受け入れられるようになるのです。

自分の不安やネガティブな感情を書くだけではなく、思いついたことをそのまま書きましょう。自分の感情と向き合い、紙に書き出すことが大事なのです。

自分の感情や不安な気持ちをしっかり認められる人は、緊張したり不安に苛まれたときにネガティブな感情を感じづらくなります。

不安や心配事は、紙に書くより誰かに話したいという人も多いと思います。しかし人に話す場合、相手によく見られたいと思って本当のことを言わなかったり、嘘をついてしまいがちなのです。

また、相手によって話す内容も変わりますし、相談して不安が消えることはほぼありません。

それでは自分と向き合えませんし、そもそも他人にすべてを言える人はあまりいないでしょう。自分自身の気持ちを客観的に見直すことができるので、「紙に書くこと」を、強く推奨します。

日付を書いてとっておこう

書いたものは捨ててしまってもかまいませんが、私は日付を書いてとっておくことをおすすめしています。書いたものを写メで記録しておいてもいいですし、パソコンやスマホに打ち込んでもいいでしょう。

そうやって残したものは、「今日はイヤなことあったな」「不安を感じるな」と思ったとき、数カ月後や1年先に読み返してみます。すると本当にどうでもいいことが書いてあったりして、「なんだ、こんなつまらないことで悩んでいたのか1年たったらどうでもよくなるんだな。じゃあ今のこの悩みも大したことないだろう」と思えて、気が楽になるのです。

私たちは不安になると怖くなりますし、怒ると口が悪くなったり、最悪の場合、手が出ることもあります。こうなるのは感情に支配されているからです。感情は道具だと思って使いこなさなくてはいけません。

そのためには、自分がどういう感情を抱えているのか、なぜそのような感情が生まれてきているのかを客観的に眺める必要があるのです。

不安を感じているときも同様です。「今、自分は、これこれこういう理由で不安を感じている」と頭の中でもいいので文章にしてみましょう。自分の気持ちを客観的かつ冷静に捉えることができ、ストレスがやわらぐのです。そうすると感情も安定してきます。

エクスプレッシブ・ライティングを5週間続けると、ワーキングメモリが向上するという研究結果もあります。ワーキングメモリとは脳の認知機能の1つで、短期記憶を司っています。

ワーキングメモリのキャパシティが上がれば上がるほど、メンタルのコントロールができるようになったり、感情のコントロールがうまくなったり、ストレスに強くなるといったさまざまな研究結果が出ています。

アメリカのジョージ・メイソン大学の研究では、感情をなるべく詳細に物語的に表現したほうがいいということです。

「怒った」「悲しいと思った」ではなく、どういう怒りだったのか詳しく書く。フツフツと湧き上がってくるような怒りなのか、それとも爆発しそうな怒りだったのか、過去を思い出したために怒りの感情が湧いてきたのかなど、怒りの詳細を書くわけです。

なるべくこまかく書いたほうが、効果は高まるそうです。しかもそれを物語風に書くと、自分の感情をより詳しく分析できるそうです。

自分の感情を客観的に分析する力がつき、感情コントロール能力も高まります。メンタルが安定し、他人にも優しくなれますから、人間関係もよくなります。

夫婦やカップルでの交換日記も効果的

エクスプレッシブ・ライティングには、別の意外な使い方もあります。夫婦やカップルで交換日記をするのです。そうするとストレスの軽減に効果があります。

メッセージのやりとりでなく、一方的に自分が書いたものをあとから相手が見るという交換日記の形式は、メンタルにとてもいいのです。

交換日記はすぐに相手が見るわけでもないので、普段、言葉で直接言えないこと、LINEでも書きづらい自分の感情を素直に書けます。

エクスプレッシブ・ライティングをカップルや夫婦で行うと、相手に対するポジティブな感情が向上し、二人の親密さが増すことが研究でわかっています。交換日記にも同様の効果があるのです。

「自分をよく見せよう」ではなく、素直に感じた気持ちを書く。「どんな気持ちも肯定して受け入れてあげる」というルールを作って交換日記をやると、2人の親密さは高まります。

エクスプレッシブ・ライティングにはさまざまな効果がありますが、面白いのがスルーする力が鍛えられるということです。

「嫌いな人、面倒な人が気になってすごいストレスなんです」という相談をよく受けます。無視したいけれど、どうしても無視できない嫌な相手を、要するにスルーしたいということです。

エクスプレッシブ・ライティングを続けることで、嫌いな相手が許容できるようになっていくということも研究でわかっています。

嫌いな相手を許容できるようになると、振り回されなくなります。許容といっても相手の思い通りになったり無条件に許してあげるということではなく、スルーできるようになるということです。

以上、書き出すことの効用についてご紹介しました。ぜひ一度試してみてください。

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提供元:「感情を紙に書く」習慣でストレスは減らせる|東洋経済オンライン

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