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2018.04.05

「私立小か公立小か」で迷う親が見落とす視点|ネガティブ要因で判断していませんか?


私立小学校がいいのか、公立小学校がいいのか、悩んでしまう気持ちはわかります(写真:ziggy_mars/iStock)

私立小学校がいいのか、公立小学校がいいのか、悩んでしまう気持ちはわかります(写真:ziggy_mars/iStock)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから ※外部サイトに遷移します

うちの子はまだ4歳の年中なのですが、小学校を公立に入れるか、私立に行かせるか迷っています。小学校から私立の小中高一貫校に入れるか、公立で中高一貫校に入れるか……。まだまだ先の話ですが、何事も小さいうちからと思い、本当に悩んでいます。
性格は慎重で、自分からグイグイ前に出るタイプではありません。年中になりクラス替えでなじめないみたいで、毎日朝に泣いています。勉強は好きなようで毎日1回は迷路や数字、今は平仮名を私と一緒にしています。
(仮名:森山さん)

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今の状態が今後も同様に続くとは限らない

私立の小学校か公立の小学校かというご相談ですね。今まだ、4歳ということですが、わが子の一生の問題と考えると真剣に考えてしまうということもよくわかります。

本論に入る前に、森山さんが「私立か公立か」と考える背景に、お子さんの性格のこともあるように感じましたので、まずはその点について少しお話しします。

森山さんは、お子さんが今、「自分からグイグイ前に出るタイプではなく、クラス替えでなじめず毎朝泣いている」ということから、公立の小学校ではやっていけないのではないかと懸念されているような印象を受けました。しかし、今はまだ4歳です。幼稚園の今の状態が今後も同様に続くとは限りません。

重要なことは、「なぜクラス替えで毎朝泣いているのか」ということですね。「クラスになじめない」ということですが、さらにもう一歩進んで、「なぜクラスになじめないのか」を考えてみるといいでしょう。その際、親が考えるとどうしても主観(たとえば、「うちの子は悪くない、周りの環境の問題」「もともとの小さい頃からの性格」など)で判断してしまう可能性があるため、幼稚園の先生の判断も聞いてみましょう。その時には質問の仕方が大切になります。

【本当の原因を探る質問の仕方】

「うちの子はどうしても今のクラスになじめないようなのですが、どうしたらいいでしょうか?」(×)

→ この質問は、「なじめていないことが原因 → 対策が欲しい」というようになっていますね。しかし、なじめていないことは実は結果で、原因ではないのですね。

「うちの子は今のクラスになじめていないように感じるのですが、先生から見てなじめない原因って何かあるでしょうか」(○)

→ この質問であれば、「なじめていないという現象の裏には、それを引き起こす原因があるだろう」という前提で質問していますから、幼稚園の先生は、その原因に意識がフォーカスされるので、思わぬ「原因」が出てくる可能性があるのです。

以上のようにして、今のお子さんの状態を引き起こしている原因を確認してみるといいでしょう。えてして、親が考えているほど大した問題ではないことが原因だったりします。「好きな友達と離れてしまった」「運動会の練習がいやだ」といった一過性の問題であることがほとんどだったりします。ちなみに筆者も幼稚園時代、行きたくないと泣いていました。理由は「お遊戯の練習がバカバカしくてやっていられない」ということだったようですが、その後、なぜか幼稚園に楽しく行くようになったらしいのです。

それぞれにメリットとデメリットがある

現状の問題についてはこのようにして確認するとして、本論に移りましょう。

私立小学校がいいのか、公立小学校がいいのか、これは人さまざまです。どちらにもメリットがありますし、デメリットがあります。

また、私立小学校と一口に言っても、中学受験を前提にしている学校もあれば、思考を重視したり、グローバル教育を重視していたり、学校によって特徴はさまざまです。また私学なのでそれぞれ特徴を持って選抜をしているため、似たような子どもたちが集まる傾向もあります。

公立の場合は、基本的には全国一律どこでも同じような教育を受けられるように教育内容は設計されています。学校内は社会の縮図のようになっており、多種多様な環境の中で学ぶことになります。勉強面では明らかに私立小学校のほうが高度で内容も充実しているでしょうが、公立小学校に通いながら、塾や習い事で学力を補強し、子どもを中学から私学へ進学させる家庭もたくさんあります。

私立の小学校に入れる理由の1つとして、子どもが公立学校に行くといじめられるのではないかという懸念を持つご家庭もあります。それも確かに必要な考え方の1つではありますが、それも社会の縮図であり子どもの頃からそのようなことも学び、たくましく生きていくことが重要だと考える家庭もあります。

このようにみてみると、私立が子どもに合っているから入れるもよし、公立で多様な子どもたちとの間でもまれることで社会の縮図を経験していくもよしなのです。つまりどちらでもいいのですが、判断するときに、ネガティブな理由(「〜が懸念なのでやめる」など)ではなく、ポジティブな理由(「〜が望ましいから進学させたい」など)に基づいて判断するほうが適切な選択ができます。

中学受験でも、地元の公立中学が荒れているから私立に行くというのではなく、私立のこの学校は「○○という点がとても気に入っているので是非行かせたい」というポジティブ要因を元に判断したほうが成功する可能性が高いのです。なぜなら、ネガティブな理由を避けた結果の判断であると、新しい学校に進学したときに、その学校のネガティブ要因がまた気になりだします。気になるとポジティブに学校生活を送るどころか学校の愚痴、不平不満を言うようになり、貴重な学校生活を台なしにしてしまう可能性があります。ネガティブは癖になるので、できれば判断するときの基本はポジティブ要因にしたいものです。

森山さんの場合は、ネガティブ要因が基本となっていると感じます。まずは、ポジティブ要因を探してみてください。そのうえで、次のことをお話しします。

小学校受験は基本的に100%親の判断

基本的に小学校受験は、年齢的に進学するうえでの子どもの判断は一切なく、100%親の判断です。ですから、親が私立小学校に入学させたいと思っているとしたら、私立がいいでしょう。なぜなら私立に入れたいと思っていながら、公立に行かせると、何か問題があるたびに親が後悔するためです。公立小学校に行かせる親は、私立小学校が不合格になって進学する場合を除き、そもそも私立小学校を受験するという概念はまったくありません。

以上のような点から、森山さんの場合は、私立小学校というお考えがそもそもあるため、ポジティブ要因を見極めたうえで、その選択に従って行動されてみてはいかがでしょうか。仮に受験がうまくいかなかったとしても、公立の小学校でも、それはそれでなんとかなるものです。

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

小中学校の「教育方針」が今春から変わる理由

公立が躍進、京都の教育改革で何が起きたか

「中学受験」をする子供は決して不幸ではない

提供元:「私立小か公立小か」で迷う親が見落とす視点|東洋経済オンライン

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