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2018.01.09

「子どもをほめる」ことは”仕組み化”できる│「いい習慣」はこうやって定着させる


ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事です(写真 : EKAKI / PIXTA)

ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事です(写真 : EKAKI / PIXTA)

新しい年を迎えると、誰でも「今年こそは」という気持ちになります。それは大人も子どもも同じで、「今年は○○をがんばる」という新年の決意をした人は多いと思います。

決意をするものの続かない現実をどうするか

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たとえば、運動を毎日する、読書を毎日する、日記を毎日つける、夕食後5分間片づけタイムを取る、などです。子どもなら、お手伝いをする、寝る前に明日の仕度をする、などもあるでしょう。でも、悲しいかな、ほとんどの場合それが続かないのが現実です。それもまた大人も子どもも同じです。

長年小学校の教員をしてきた筆者から見て、特に子どもの場合は続かないことが多いです。なぜなら、大人のように自ら必要性を感じて内面的モチベーションによって決意するのではなく、親に言われて決意することがほとんどだからです。そこで大事になってくるのが親の上手な声かけと見届けです。これが続けば子どもも続けることができます。これが続かなくなると子どもも続けられなくなります。

たとえば、親子で相談して、子どものお手伝いとして「毎朝6時40分に玄関掃除をする」と決めたとします。初めは子どもも張り切ってがんばりますし、親もちゃんとほめます。ところが、しばらくすると、子どもは忘れたり、あるいは覚えていてもサボったりするようになります。同じように、親のほうも声かけや見届けを忘れ始めます。

やがて親子共々すっかり忘れたまま何日か過ぎ、ある日突然親のほうが先に思い出して、「決めたことをやってないじゃないか! ちゃんとやらなきゃダメでしょ」と叱ることになります。こういう失敗パターンがほとんどです。実は親も忘れていたのですが、自分のことは平気で棚に上げてしまいます。なんと不公平なのでしょうか。

子どもにとって、自分は継続できたということ自体がとてつもなく大きな自信になります。ですから、もし子どもに新年の決意をさせる場合、親には、それが絶対に継続できるよう声かけと見届けでサポートし続ける責任が生じます。

その責任を引き受けないまま、先ほどの失敗パターンのようにさせてしまうなら、そもそも決意などさせないほうがマシです。親が声かけと見届けを継続する決意をしないまま、子どもに新年の決意をさせるなら、それはわざわざ叱るネタを増やして、子どもに自信をなくさせるための落とし穴を掘っているようなものです。

でも、そうはいっても、現代日本の親はみんな忙しいですから、声かけと見届けが継続できる人は少ないのが現実です。そこで、私がお勧めしたいのがITツールの活用です。みなさんが日ごろ仕事やプライベートのスケジュール・タスク管理で使っているものが、家庭でも実は大きな力を発揮します。

iPhoneを使っている人だったら、標準搭載されているリマインダーというアプリを活用してみてください。たとえば、リマインダーに「玄関掃除の見届け」と書き、午前6時45分にアラームが鳴るようにセットするのです。それが鳴ったら、子どもの仕事を見届け、できていたら「きれいになったね。ありがとう」とほめます。子どもが忘れていたら「玄関掃除、がんばって」と声かけし、それでできたら、「きれいになったね。ありがとう」とほめます。

ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事

話が少し脇にそれますが、教育心理学の用語として「即時確認の原理」というものがあって、ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事なのです。人は誰でもやったことがすぐ認められるとうれしいものです。というのも、本人の意識もそこにあるからです。時間が経って本人の意識がもう別のところにいっているときにほめられても、それほどうれしく感じなくなります。朝お手伝いをして何時間も経ってからほめられても、もうそのときは大好きなアニメに夢中になっていたりするわけで、それほどうれしくなくなってしまうのです。

また、注意するにしても、子どもが忘れたりサボったりしたときに、すぐ声かけすることが大事です。これが1週間も2週間も後になってから、ずっとやっていなかったと気づくと、親のほうも感情的になって叱りつけたくなってしまいます。その都度こまめに見届けて注意したりほめたりしていれば、感情的に叱りつける必要などなくなります。

話を元に戻します。このリマインダーは、毎日同じ時刻にアラームが鳴るようにセットすることができるので、非常に便利です。人間は忘れても機械は忘れませんので、一度セットすれば自分がやるべきことを毎日同じ時刻に必ず教えてくれます。また、細かい設定も可能で、同じ時刻に1日おき(2日に1回)とか2日おき(3日に1回)などに鳴らすこともできます。曜日を指定することも可能で、たとえば毎週月曜日の午後6時に鳴るようにすることもできます。さらに、場所の指定も可能なので、保育園に着いたら鳴るようにすることもできます。

このほかにも、手帳アプリ、カレンダーアプリ、スケジュールアプリなどと呼ばれているアプリを使うこともできます。私が使っているのはLifebearというアプリですが、これに予定やタスクとその実施時刻を入れて、アラームをセットしています。Yahoo!カレンダーやGoogleカレンダーなどを使えば、自分のスマホ宛にリマインダーメールを送ることもできます。

これは一例で、さまざまなツールがありますが、ぜひ、それを子どもを伸ばすためにも使ってみてください。ここまで見届けと声かけの継続について書いてきましたが、それ以外にも使えますので、いくつか実例を紹介します。

山本さんのケース

岡山県の山本さんの話です。山本さんは、自分が子どもを叱ってばかりだということを自覚していたので、「もっと子どもをほめたい」とずっと思っていました。でも、なかなか続きませんでした。そんなある日、私の講演を聞いてくれました。講演の中で、私は「子どもをほめて伸ばしたいというアバウトな気持ちでは続きません。ほめる時刻を決めてアラームにセットしましょう」という話をしました。それを聞いて、山本さんは「これだ!」と思ったそうです。

そして、「午後8時30分に子どもをほめる」と決意してスマホにセットしました。アラームが鳴ると、「あ、そうだ、まだほめてなかった。何かないかな?」という意識で子どもを観察したり、その日1日のことを振り返ったりするそうです。そして、何とか見つけ出してほめるそうです。

山本さんのママ友だちの中村さんには、保育園年中の男の子がいます。中村さんは、毎朝7時にスケジュールアプリのアラームをセットして子どもをハグしています。最近は子どものほうがその時刻を覚えて、アラームが鳴る前に自分からハグしてくるようになりました。朝の忙しい時間帯ですが、1分もかからないハグを毎日続けるようにしたら、子どもが以前より落ち着いてきたそうです。

さらに活用の幅を広げると、親子だけでなくあらゆる人間関係をよくするためにアラームを使うことができます。

・主婦だったら、毎日午前10時に姑さんにねぎらいのひと言を贈る
・夫から妻に、毎日午後9時に感謝とねぎらいのひと言を贈る
・夫だったら、毎週金曜日の午後5時30分に花を買って妻にあげる
・会社員だったら、毎日午後4時に上司にお世辞をひと言
・上司だったら、毎日午前11時と午後2時に部下をほめる
・先生だったら、毎日午前9時45分と午後4時30分にクラスの子どもをほめる

最後に、自分自身の努力の継続のためにもアラームを使うことができます。

・午後9時に瞑想
・午前11時45分に腹筋とスクワット
・午後8時に英語テキストを音読
・夕食後の午後7時から5分間片づけタイム
・午後10時に日記をつける

最後にまとめです。今回は、次の3つのためにITツールを活用する方法について書きました。ぜひ、実践してみてください。

1.子どもを伸ばす

2.いろいろな人間関係をよくする

3.自分自身の努力を継続する

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【あわせて読みたい】 ※外部サイトに遷移します

「ほめ方が下手な人」に共通する残念な考え方

ほめ方の本質を知らない人が損していること

「はやく」と言わず子どもを動かす魔法の時計

提供元:「子どもをほめる」ことは"仕組み化"できる│東洋経済オンライン

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