2017.10.11
トレンドは「リビ充家族」!リビ充のための家選びのポイントは?
時代が変われば家族のライフスタイルも変わり、ライフスタイルが変われば住宅を選ぶポイントも変わります。
今、不動産を選ぶトレンドとして注目されているのが「リビ充=リビング充実」。そして、家族でリビングを中心とした生活を充実させるライフスタイルが「リビ充家族」です。
ではそのリビ充家族の魅力とは?また、「リビ充」なリビングとはどんなリビングなのでしょうか?
今回は、『SUUMO』編集長の池本洋一さんに「リビ充家族」の魅力と「リビ充」な家選びのポイントを伺いました。
リビングはコミュニケーションの場から多機能な空間へ
リクルート住まいカンパニーが行った調査によると、夫婦は1日の約70%~80%、小学生では76%の時間をリビングで過ごしていると回答。リビングで家族と過ごす時間が多くを占めることがわかりました。
とはいっても、1日の7割以上の時間を家族団らんしているのか、というとそうではありません。
同調査での「リビングで何をして過ごすか」という質問に対しては、仕事や勉強、メイク・ボディケア、読書や音楽などの趣味、パソコン、ゲーム、電話、という回答がみられ、従来は自分の部屋で行っていたさまざまなことをする空間がリビングに移行しているのがわかります。
画像出典:リクルート住まいカンパニー http://www.recruit-sumai.co.jp/sumai/2017_living-max.html
画像出典:リクルート住まいカンパニー http://www.recruit-sumai.co.jp/sumai/2017_living-max.html
これまで家族団らんのための「コミュニケーションの場」であったリビングが、家族のひとりひとりが自分の時間を過ごす「多機能」な空間に変わっているのです。
ではこのようにリビングが多機能化したのは、どんな要因があったのでしょうか。
どうして「リビ充」がトレンドに?
リビング学習が子どもに好影響を与えるという情報がテレビ番組で放送されたことをきっかけに、2006年以降、子どもがいる家庭ではリビングの活用法が注目されはじめました。
最近では自宅での仕事を許可するリモートワークを推進する会社も増えてきており、親の働き方も多様化、リビングに仕事場を設けるケースもあります。
さらに、スマートフォンの普及によって、音楽を聴いたり漫画を読んだりといった個人の趣味についても、自分の部屋にこもる必要がなくなりました。
その結果、個人の時間を過ごすのは自分の部屋というかつてのライフスタイルが変化し、『リビングの多機能化』を求める家族が増加したと考えられます。
リビ充家族の魅力とは?
「リビ充家族」は家族の誰にとっても、リビングが生活の中心です。
テレビを囲むような家族団らんでなくても、読書をしている父親の近くで子どもが勉強をしているなら、わからない問題があればすぐに質問することもできます。
同じ空間で時間を過ごすことで、家族間のコミュニケーションは自然に活発化するといえるでしょう。
そうすることで親子関係がフレンドリーになり、"各々がバラバラに好きなことをしていてもゆるくつながっている"という連帯感が心地良いという方もいます。
さらに「リビ充」なリビングであれば、子どもが「お年頃」になったときにも部屋に閉じこもることなく、リビングで過ごしている時間が親子の良好な距離感を保つのに役立つかもしれません。
「多機能」な空間としてのリビングの選び方
では、「リビ充」な多機能リビングを実現させるためには、どのようなポイントを見て家を選べばよいのでしょうか?
参考までに子どもが2人いる夫婦の家族構成の場合を例とすると、多機能化しやすいリビングの間取りはこちらです。
まず、リビングで勉強や仕事ができるスペースとしてデスクを設置できる壁面があると便利。壁面が多い方が多機能化しやすいので、窓が多い角部屋はやや不向きといえます。
キッチンも対面カウンターよりも壁付きでスペースの無駄を省けるほうが、リビングのスペースを広くとれるので良いでしょう。
子ども部屋は、リビングに接していてかつスライドドアになっているところも大きなポイントです。
リビングをひと続きの大きな空間として利用できるよう、子ども部屋のドアは常に解放しておきます。くつろぐためのスペースと子どもが遊ぶスペースを一体して感じられるように工夫して、多機能なリビングとして使うのです。
自分たちらしい「リビ充」を見つける
「リビ充家族」を目指すにはリビングの片付けや収納の問題も気になるところ。
多機能化することでリビングがごちゃごちゃしてしまうのではないか・・・という不安があるかもしれませんが、まずはどんなリビングなら自分たちが心地よく過ごせるかを優先してください。
リビングはあくまで家族のプライベートな空間。全ての物が整然と収納されているリビングが理想なのかどうかはそれぞれです。
おもちゃや雑誌が散らかっていても、家族にとってストレスがないリビングであればそれが正解といえます。
自分たち家族がリビングでどんな時間を過ごしたいのか、まずは大事にしたい軸がどこにあるのかを確認しましょう。
ただひとつ、明るくて風通しがいいリビングであることを強くオススメします。それだけでもリビングに自然と家族が集まるのです。
記事監修:池本洋一
株式会社リクルート住まいカンパニー SUUMO編集長。株式会社リクルートに入社。住宅情報誌の編集、広告に携わる。 2007年都心に住む編集長、2008年住宅情報タウンズ編集長、2011年SUUMO編集長(現職)。メディアを通じて、住まい領域のトレンド発信を行っている。