2025.01.23

イカは健康にいい栄養がたっぷり!~カロリーや食べすぎの注意点も解説~


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当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。 ※外部サイトへ遷移します。

お刺身やフライなど、調理方法の多いイカ。
イカには、私たちの体に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。

そこで今回は、イカの栄養と効能についてわかりやすくお伝えしていきます。イカの食べ過ぎによる注意点も紹介いたしますので、最後までお付き合いください。

イカの栄養成分と効能

イカには、たんぱく質・コレステロール・タウリン・プリン体といった私たちの体に嬉しい栄養素がたくさん含まれています。それではさっそく、効能と共に順に解説していきますね。

体のもとになるたんぱく質

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イカには良質なたんぱく質が豊富なため、健康な体を維持するのに効率良い食品です。

たんぱく質は私たちの体を構成する、筋肉や臓器の素となる栄養素です。良質なたんぱく質とは、アミノ酸がバランスよく含まれているたんぱく質のことで、私たちの体内での利用されやすいうものを言います。

いかの他に、肉類・魚介類・牛乳・乳製品などの動物性食品の他に大豆製品も良質なたんぱく源です。

さらにたんぱく質は、体の筋肉や臓器などを作るだけでなく、酵素やホルモンなど体の機能も調整しているため、たんぱく質は私たちの体にとって重要な栄養素と言えるでしょう。

ホルモンの材料となるコレステロール

イカは、体の働きを調整するホルモンの原料となるコレステロールも豊富です。

コレステロールは、細胞膜(※)の主要な構成成分であり、私たちの生命維持において重要な物質です。
(※)体内の細胞を包む膜のこと

しかしコレステロールを摂り過ぎると、動脈硬化を引き起こし心臓疾患や脳梗塞につながるため、血中コレステロール値が高い方は、摂り過ぎには注意が必要な栄養素です。

関連記事 【医師監修】脂質異常症とコレステロールの関係性~診断基準や注意する食品をシンプルに解説~ ※外部サイトへ遷移します。

疲労回復に!タウリン

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イカは疲労回復が期待できるタウリンが豊富です。

タウリンはたんぱく質が分解される際にできるアミノ酸に似た物質で、血中コレステロールの低下や中性脂肪の減少、疲労回復効果が期待されています。
タウリンは水に溶けやすい性質があるため、スープに入れて汁ごと食べると栄養も余すことなく摂れるのでオススメです。

体に必要不可欠なプリン体

イカのうまみ成分はプリン体という物質です。

プリン体は、私たちの体においてDNAなどの遺伝物質や高エネルギー物質のもとになる核酸を構成します。体に悪いイメージがあるプリン体ですが、実は私たちの生命活動に必要不可欠な栄養素なのです。

プリン体を摂取すると、一般的には肝臓で代謝されて尿酸となり尿中に排泄されます。

ところが、尿酸を摂り過ぎると血中にたまり痛風発作の原因となるため、血中尿酸値が高い方は摂り過ぎに注意が必要な栄養素です。

イカのカロリーは高い?

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イカのカロリーは100gあたり76kcalで、一般的には低カロリーな食材です。
さらにイカに含まれる脂質は100gあたり0.8gと低く、イカは低カロリー・低脂質な食材であるといえるでしょう。

種類や調理によって栄養は違うのか

イカの栄養素を種類別に見てみましょう。

*100gあたり

*100gあたり

このように、ホタルイカは他のイカに比べてたんぱく質やコレステロールが少し低く脂質も高めなものの、全体的には種類別の栄養に差はないといって良いでしょう。

なお、ゆでたイカは水分が少なくなるため100gあたりのカロリーは高くなるものの、生と比べて栄養素の違いはほとんどないと言えます。

イカは健康に良い食材なのか

低カロリー低脂質で、高たんぱくなイカは健康に良いといえます。
そしてイカは噛み応えもあるため、しっかり噛むことにもつながるのです。
なおしっかり噛むことは、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防ぐ効果があるだけでなく、消化にも良い・味覚が豊かになるといったメリットがあります。
健康を意識している方には嬉しい食材と言えるでしょう。

食べ過ぎによる注意点

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イカはプリン体が多いため、食べ過ぎには注意が必要な食材です。

なぜなら、プリン体は一般的には肝臓で代謝されて尿酸となり尿中に排泄されますが、尿酸の量が多くなり過ぎると血中にたまり痛風発作の原因となってしまうからです。痛風の方は、食事から摂るプリン体を1日400mgに制限されています。

なおスルメイカのプリン体含有量は100gあたり186.8mgもあり、たこのプリン体含有量の137.3mgよりも多く含まれています。

痛風や血中尿酸値が高い方は、イカの食べ過ぎには注意した方が良いでしょう。

妊婦は食べても良いの?

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妊娠中は、加熱調理したイカを食べると良いでしょう。
というのも、イカは赤ちゃんの発達に必要なたんぱく質や、疲労回復に役立つタウリンが豊富だからです。

しかし、妊娠中は抵抗力が落ちており食中毒も起こしやすいため、なるべくお刺身は控えましょう。

さらに調理法は、油を大量に使うフライではなく茹でたり焼くことで、カロリーを大幅に下げられるためオススメです。

関連記事 【医師監修】妊娠高血圧症候群とは~症状や妊婦さんにできる予防法を紹介~ ※外部サイトへ遷移します。

まとめ

以上、イカは低カロリー・低脂質な食材で、良質のたんぱく質やコレステロール・タウリンなどが豊富に含まれていることがわかりましたね。
そしてタウリンには、血中コレステロールや中性脂肪を下げる効果だけでなく疲労回復効果も期待できます。

しかしイカにはプリン体が多く、食べ過ぎると痛風につながる可能性があるほか、噛み応えもあり胃腸に負担がかかりやすい点からも、食べ過ぎには注意したほうが良い食材と言えます。

またイカには妊娠中に必要な栄養素が豊富な一方で、抵抗力が落ちているため生より加熱調理したイカを食べると良いでしょう。

今回の記事により、イカを日々の生活にうまく取り入れていただけると嬉しいです。

【参考文献】※外部サイトへ遷移します。

日本食品標準成分表 食品データベース

厚生労働省 e-ヘルスネット

国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 食事療法について

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 良質なたんぱく質とは?

J-STAGE 長時間運動における疲労とタウリンの可能性

J-STAGE 総説 食品に含まれるプリン体について -血清尿酸値に影響を与える食品と食品中のプリン体含量-

執筆者:管理栄養士 前間弘美

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武庫川女子大学生活環境学部(現・食物栄養学部)食物栄養学科卒業。卒業後、委託給食会社や病院に勤務し、調理・献立作成・栄養管理・栄養指導などを担当。とくに病院勤務では、働き盛りの方が日々の血糖値や血圧、食事記録を手書きで行う手間を目の当たりにしてきた。身近なスマートフォンをベースにデジタルヘルスを展開することに可能性を感じ、より多くの方の生活習慣の改善に携わりたいという想いからシンクヘルス株式会社に入社。

記事提供:シンクヘルス株式会社

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シンクヘルス株式会社 ※外部サイトへ遷移します。

提供元:イカは健康にいい栄養がたっぷり!~カロリーや食べすぎの注意点も解説~|【シンクヘルスブログ|シンクヘルス株式会社】

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