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2024.12.09

骨粗しょう症から身を守る!必要な栄養と運動の重要性


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くしゃみをする、不意に重い荷物を持つ等をきっかけに骨折したという話を聞いたことはありませんか。高齢では、腰椎や大腿骨の骨折で寝たきりなってしまうこともあるため、骨が丈夫であることは、生涯生き生きと暮らすために大切なことです。このコラムでは骨粗しょう症を引き起こす原因と予防のポイントを解説します[1]。

骨粗しょう症は女性に多い!

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骨粗しょう症とは、骨の代謝のバランスが崩れて骨量(骨密度)が減り、骨がもろくなり、骨折しやすい状態のことをいいます。「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版」によると、40歳以上の骨粗しょう症になっている人の数は、男性は300万人、女性は980万人合わせて1280万人。圧倒的に女性が多いのが特徴です[2,3]。

原因はさまざま!

骨粗しょう症は、予防できる原因と、予防できない原因があります。予防できる原因は、誤ったダイエット、運動不足、日照不足、喫煙、過度の飲酒など。逆に、予防が難しい原因には、加齢、閉経後の女性ホルモンの減少、家族歴などが挙げられます[4]。

生涯を通じて予防することが重要!

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一生涯で骨量は20歳前後が最大に達します。その後40代半ばから加齢に伴い徐々に低下していきます。20歳頃までに高い骨量を獲得することがその後、加齢により骨量が減少したとしも、比較的高い骨量を維持することが可能です。
また、標準体重より少ない「やせ」にならないよう適正な体重を維持することも重要です。身長と体重の関係であるBMIが18.5㎏/m²(やせ)未満では、骨粗しょう症と診断された人が多いといわれています[2,4]。
※BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)  
(基準はやせ18.5未満、25以上を肥満と定義しています)

予防のために食生活で意識したい!3つの栄養素

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骨粗しょう症は、食事や運動などの生活習慣を見直すことで予防ができます。
まずは、予防に重要な食事のポイントについて、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で骨粗しょう症の予防に重要とされる3つの栄養素を中心に解説します[1,2]。

1.骨の構成要素の“カルシウム”

骨量の維持には十分なカルシウムが必要です。1日に摂りたいカルシウムの量(推奨量)は、成人男性が750~800㎎、成人女性が600~650㎎。日本人は平均的にカルシウムが不足しています。カルシウムを豊富に含む食品には、牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜(小松菜、春菊、チンゲンサイなど)、大豆・大豆製品などがあります。例えば1日で、牛乳1杯(200g)、プロセスチーズ1枚(20g)、さくらえび大さじ1杯(5g)、小松菜1/4束(50g)、切り干し大根1食分(5g)、木綿豆腐1/3丁(80g)を摂ると、カルシウムを約650㎎摂取できます[2,5,6]。

2.骨を強くする“ビタミンD”

ビタミンDには骨を硬く丈夫にし、更にカルシウムの吸収を良くする働きがあります。しかし、平均的に日本人のビタミンD摂取量は不足しているので積極的に補うことが必要です。ビタミンDが豊富に含まれる食品は、サケ、シラス、イワシ、サンマなどの魚類、干シイタケ、キクラゲなどのキノコ類。食事以外にも日光を浴びることでも、皮膚でビタミンDを合成することができます [2,5,6] 。

3.実は骨の構成に重要な“たんぱく質”

意外に思われるかもしれませんが、たんぱく質も骨の構成成分です。たんぱく質の推奨量は、成人男性が1日60g~65g、成人女性が1日50g。不足しないようにこの量以上を摂ることが望ましいといわれています。たんぱく質が豊富に含まれる食品は、肉、魚、牛乳・乳製品、卵、大豆製品など。例えば1日で、鶏むね肉80g、鮭80g、牛乳200g、卵1個、木綿豆腐1/3丁(80g)を摂ると、たんぱく質を50g以上摂ることができます。特にダイエットなどで食事量が減少している人は、たんぱく質の不足がないように意識しましょう[2,5,6]。

運動で予防する際のポイント

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骨粗しょう症の予防には、重力のかかる運動が適しているといわれています。例えば、ウォーキングのような重力刺激や、筋肉トレーニングなどの重みの刺激は、運動により骨量が上昇するといわれています。他にも太極拳やダンス、ジャンプなど軽い負荷をかけることでも同じ効果があるといわれています。さらに、運動をかねて積極的に外出できれば、ビタミンDの合成を促すことができ、一石二鳥ですね[1,3]。

骨粗しょう症は、全世代で意識したい生活習慣病

骨粗しょう症は、全ての世代で意識することが大切です。特に女性は、40歳を過ぎたら症状が無くても定期的に骨量の健診を受けましょう。
まずは、上記3つの食生活ポイントと運動を参考に、できることから始めてみませんか?「転ばぬ先の杖」の例えのように良い習慣に気配りして、丈夫な骨を維持していきましょう。

【参考文献】(すべて2024年10月22日閲覧)※外部サイトへ遷移します。

[1] 厚生労働省:e-ヘルスネット,骨粗鬆症予防のための運動 -骨に刺激が加わる運動を

[2] 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版)

[3] 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会:骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年版

[4] 厚生労働省:e-ヘルスネット, 骨粗鬆症の予防のための食生活

[5] 文部科学省:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[6] 厚生労働省:令和4年「国民健康・栄養調査」の結果, 参考

【プロフィール】 管理栄養士・学術修士(医療・福祉マネジメント)なかがわ けいこ

乳幼児から高齢者まで各ライフステージの栄養指導を経験。現在も科学的根拠に基づいたアドバイスをモットーに、現実的で続けやすく、豊かな食生活が送れるようなプランを考え食事のサポートしている。また、生活習慣病や高齢者の健康の情報発信としてコラムの執筆も行っている。

記事提供:株式会社Wellmira

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『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。

株式会社Wellmira ※外部サイトへ遷移します。

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