2024.11.11
避けたい睡眠不足!理想の睡眠時間と快眠環境の作り方
昼間、眠くなることがありませんか。日本人を対象にした調査で「十分休養がとれていない」は平成30年21.7%で、9年間で3.3%増加し、徐々に休養が不足している人が増えています。睡眠不足を放置すると、疲労感が残るだけではなく、健康への影響があるといわれています。健康を維持するため、良質な睡眠を手に入れましょう[1,2]。
睡眠不足による健康リスク
慢性的な睡眠不足は、ホルモンの分泌や自律神経に大きな影響があり、太りやすくなることが明らかになっています。睡眠時間が6時間未満の人は、7時間以上の人と比べて、心臓病になる可能性が4.95倍高くなるといわれています。これらを含め、睡眠時間が短いと、肥満、生活習慣病、認知症、うつ病などの発症リスクが高くなるので適切な睡眠時間をとる必要があります[2,3]。
理想の睡眠時間とは?
『健康づくりのための睡眠ガイド2023』では、成人の好ましい睡眠時間として6時間以上を目安としています。睡眠の“量”は、最も大事な条件です。ただし、適正な睡眠時間には個人差があり、睡眠の “質”も重要であることを忘れてはいけません。この睡眠の質の判断は“睡眠で休養がとれている感覚”があること。睡眠の量と質が低下しないよう心がけましょう[2]。
休日の“寝だめ”は逆効果!?
平日に睡眠が不足してしまった分を、休日の“寝だめ”で取り戻そうとしていませんか。しかし、残念ながら完全には“寝だめ”で睡眠不足を解消することはできないようです。休日の寝だめによって起床時間が遅れると、海外旅行の時に起こる時差ぼけと似たような状態になり、慢性化すると肥満や生活習慣病、うつ病のリスクになることがいわれています[2]
良い睡眠のために意識したい3つのこと
ポイントは光と温度!良い睡眠のために意識したいことを『健康づくりのための睡眠ガイド2023』から3つ抜粋してご紹介します[2]。
1.日中にできるだけ日光を浴びる
朝起きて太陽の光を浴びることによって脳が覚醒します。それがきっかけとなって、夜間に催眠効果のあるメラトニンというホルモンの分泌が増え、睡眠を促してくれます。
2.寝る前のスマホやタブレットはやめて、できるだけ寝室は暗くする
スマホには覚醒の影響が強い光であるブルーライトを多く含むため、睡眠を妨げてしま
います。更に、寝ている間の低い照明の光でも、覚醒してしまいます。部屋はできるだけ暗くしておきましょう。このように光の環境を整えると質の良い睡眠を確保できます。
3.寝室は適度な温度にし、就寝1~2時間前に入浴する
寝る前に部屋が寒いと、眠りにつきにくくなり、逆に、部屋が暑いと睡眠時間が短くなるといわれています。寝室は適温が理想的です。身体は、入浴すると手足の血流が増え、熱が放散され深部体温が低くなり、眠たくなります。時間的には、就寝1~2時間前に入浴すると、速やかに寝ることができるといわれています。寝室と身体の温度による環境をつくることが大切です。
自分にとって満足な睡眠を知ることから始めましょう
忙しい日常生活の中、睡眠の乱れをそのままにしておくと、健康に影響が出てきます。良い睡眠をとるためは、量と質の両方が重要です。質を良くする方法は他にもあり、日中に適度な運動をしたり、食事にも配慮するとよいと言われています。満足できたと実感できる睡眠を得て、習慣化することが健康を維持することに繋がります。まずは、上記3つのポイントを参考に、できることから始めてみませんか?
もし、長期の睡眠不足が続いていることがありましたら、速やかに医療機関に相談してください[2]。
【参考文献】(すべて2024年9月23日閲覧)※外部サイトへ遷移します。
[1] 厚生労働省:健康日本 21(第二次)最終評価,第3章, 5.(3)休養, p. 298
[3] 厚生労働省:e-ヘルスネット, 睡眠と生活習慣病との深い関係
【プロフィール】管理栄養士(医療・福祉マネジメント研究科修士) 中川啓子
病院で働いたのち、フリーを含め幼児食から高齢者まで各ライフステージの栄養指導を経験。訪問型の栄養指導を行いながら、エビデンスに基づいた健康コラムの執筆活動をしている。
記事提供:株式会社Wellmira
『世界中の誰もが、自然に健康になれる社会を創る』をミッションとし、「テクノロジー・エビデンス・専門家ネットワークを活用し毎日の健康を自然にサポートできる社会システムの構築」を目指しています。
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