2024.11.01
40代~60代の果物摂取と老後うつ病のリスク抑制の関係は?
45歳からの壮年期に果物を食べると何がいいの?
今回は、「中年期の果物と野菜の消費と晩年の抑うつ症状との関連」という研究論文(※)をご紹介します。
(※)出典:Association between consumption of fruits and vegetables in midlife and depressive symptoms in late life: the Singapore Chinese Health Study – PubMed (nih.gov) ※外部サイトへ遷移します。 ●この研究は、2024年6月28日The Journal of nutrition, health and agingに掲載されました。
●研究の内容は
この研究は、 シンガポール在住、45〜74歳(平均年齢52.4歳)中国人合計13,738人を約20年間の追跡し、老年うつ病スケールを使用して評価・分析したものです。
●論文で発表された研究結果は
14種類の果物と25種類の野菜の摂取について調べたところ、いくつかの種類の果物、特にオレンジ、みかん、バナナ、パパイヤ、スイカの摂取はうつ病のリスク低下と関連があり、GI値で分類した果物のサブグループでも同様でした。しかし、野菜の摂取は抑うつ症状との関連はみられませんでした。
●40代からの果物摂取のポイントは
日本国民の健康づくりの基本的な方針を定めた厚生労働省の「健康日本21(第三次)」では、果物摂取量は可食部で 1日200g を目標としています。
果物100gの目安 エネルギー量:約50Kcal(バナナは約100kcal)
・バナナ1本
・いちご6粒
・グレープフルーツ1/2個
・なし1/2個
・みかん1個
・キウイフルーツ1個
・りんご1/2個
・ぶどう1/2房
・かき1個
~果物の特徴~
・1日の摂取量の目安は食事バランスガイドで2つ(SV)で、みかんだったら2個程度です。
・体内に存在している余分なナトリウムを対外へ排出させる働きのあるカリウムが多く含まれています。
・ビタミンや食物繊維の供給源です。
・最近の果物は甘いものが多いため、摂りすぎに注意しましょう。この甘さは果糖と呼ばれる単糖類の増加によるもので、果糖は消化吸収が早く、トリグリセリドを増加しやすく、糖代謝も悪化させます。
・果物は短時間でエネルギーになるため、夜よりも朝食または昼食時に摂るようにします。
・ドライフルーツやシロップ漬けになっている缶詰の果物は、糖分が多いので、菓子に準じて考えます。
・果汁100%のジュースは食物繊維が期待できず、糖分も多いので注意が必要です。
果糖はブドウ糖に比べると、血糖値の上昇は緩やかですが、過剰に摂取すると中性脂肪となり、肥満につながる場合もあります。
人生100年時代の食生活、旬の果物が、更なる彩りを添えてくれることに期待です。
【参考文献】
糖尿病治療ガイド2006-2007(日本糖尿病学会)、高脂血症治療ガイド2004年版(日本動脈硬化学会)、科学的根拠に基づく糖尿病診断ガイドライン(日本糖尿病学会)、高血圧治療ガイドライン2004(日本高血圧学会)
記事提供:株式会社Wellmira
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