2024.10.21
絶対になりたくない!強い痛みで有名な尿路結石の予防法とは?
尿路結石と聞くと強い痛みをイメージする方は多いのではないでしょうか。
できれば痛い思いをしたくないと考えている方も多いことでしょう。ここでは、尿路結石の今すぐできる予防法について解説します。
尿路結石ってどんな病気?
尿路結石は、腎臓、尿管、膀胱、尿道など尿路にできた結石のことです。尿管の結石は、上部尿路結石、膀胱と尿道の結石を下部尿路結石と区別されています。
主な症状は血尿と疼痛であり、特に尿管結石は疝痛(せんつう)と呼ばれる激しい腹痛が特徴的です。尿路結石症は最も多くみられる泌尿器科疾患の1つであり、年齢や性別、遺伝や食事習慣などさまざまな要因が関係して発症すると分かっています。
上部尿路結石と下部尿路結石はどちらも過去50年間で2倍以上増加し、性別で比較すると男性の罹患率は女性の2.2倍といわれています。
尿路結石は、再発しやすいという特徴があるため、一度発症した人は特に注意が必要です[1]。
尿路結石の予防は、日々の食習慣が大切!
尿路結石の発症は食習慣との関わりが深いといわれています。ここでは、尿路結石の予防のために今すぐ実践できる食事のポイントを4つご紹介します。
1. 水分を摂る
尿中の結石促進物質の濃度を低下させるためには、水分をしっかり摂って尿量を増加させることが必要です。
さらに、水分摂取は結石が作られる前段階の結晶が作られるのを防ぐ働きもあります。1日尿量が2,000mL以上となるように、食事以外に1日2,000mL以上の水分を摂取するようにしましょう。
しかし、結石の原因となりやすいシュウ酸やプリン体、糖分などを多く含む飲み物や炭酸飲料などの過剰摂取には注意が必要です[1]。
2. 食べ過ぎや飲み過ぎに気を付ける
肥満は、尿路結石発症のリスクを上げる要因であることが分かっています。
食べ過ぎや飲み過ぎによりエネルギー摂取量が過剰になると、肥満につながりやすいため注意が必要です。日々の食事では食べ過ぎないように腹8分目を心がけて、気が付かないうちにエネルギーを摂りすぎてしまう間食や飲酒量に気を付けましょう。
また、1週間に1回は体重を測定する習慣を作り、自分の現在の体重を把握することも大切です[1,2]。
3. 食塩の摂取量を減らす
食塩の過剰摂取は、結石形成を促進させるため、食塩相当量で男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満に摂取を抑えることが推奨されています。
減塩のためには、日々の食事で調味料の使用や味が濃い加工食品を減らしたり、麺類の汁は全部飲まないなどの工夫をすると良いでしょう[1]。
4. カルシウムをしっかり摂る
カルシウムを適量摂取することで結石形成を防ぐことができるといわれています。推奨されている必要量は、男性600~800mg/ 日、女性500~650mg/日です。
カルシウムは牛乳やヨーグルトなどの乳製品や骨ごと食べる魚、小松菜やチンゲン菜などに豊富に含まれています。通常の食品のみを食べる場合、カルシウムの過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリメントを摂取する場合は過剰摂取に注意が必要です[1,3,4]。
少しでも身体を動かす時間を増やそう!
運動不足は、尿路結石発症のリスクを上げる要因の一つであることが分かっています。
毎日10分ずつ長く歩いたり、1日8000歩以上歩くことを目標にするなど現在の身体活動量を少しでも増やすことを意識すると良いでしょう。
今まで運動習慣が無い方は、比較的負荷が軽く初心者でも始めやすい有酸素運動がおすすめです。有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが当てはまり、日常生活に取り入れやすいというメリットがあります。
有酸素運動は、息が弾むくらいの中程度の強度で1回30~60分を週2~5回を目安に行うようにしましょう。
また、関節可動域を広げたり、怪我を予防するためにストレッチをするのもおすすめです[1,5,6]。
尿路結石の予防は生活習慣の改善が重要!
強い痛みで有名な尿路結石ですが、日々の生活習慣を改善することで予防ができる病気です。一度発症したことがある方は、特に生活習慣に気を付ける必要があります。尿路結石の予防の第一歩として自分の生活習慣を振り返ることから始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】(すべて2024年08月16日閲覧)※外部サイトへ遷移します。
[1]日本尿路結石症学会:尿路結石症診療ガイドライン2023年度版
[5]厚生労働省:e-ヘルスネット|エアロビクス / 有酸素性運動
【プロフィール】管理栄養士 落水陽香里
調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。
記事提供:株式会社Wellmira
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