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2024.08.30

急激な温度差によるストレス「夏うつ」に注意|休むだけでは「心身のリセット」はできない


夏場に多く起こる心の不調は、どのようなところから来ているのでしょうか(写真:KiRi/PIXTA)

夏場に多く起こる心の不調は、どのようなところから来ているのでしょうか(写真:KiRi/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

今年も体温超えの日があるほどの酷暑となっていて、暑さとの折り合いをつけるのも大変かと思います。暑い時期が長引くにつれ、そろそろ身体も限界になってきていると感じる方も多いのではないでしょうか。さらには、気持ちの落ち込みを訴える方も増えています。身体と心は連動しているので、身体が疲れると心も疲れやすくなるのです。「夏バテ」と昔から言われていますが、この季節だから仕方がないと軽視せず、適切な対策を取ることをお勧めします。

特に以下のサインを見逃さないようにしましょう。

気を付けたい4つのサイン

1. 特定の原因がないのに、なんだか不安感がある。

2. 食欲がなく、疲れが取れない。身体が重だるい。

3. 眠れない。寝つきが悪い。スッキリ起きられない。

4. 今までできていたことができなくなっている。

特に、1の特定の原因がないにもかかわらず、不安感があるというのが「夏うつ」の特徴です。明確な理由もなく憂鬱な気分が続いていたら要注意です。

そもそも夏場に多く起こる心の不調は、どのようなところから来ているのでしょうか。

一つに急激な温度差によるストレスが挙げられます。クーラーがガンガンに効いた部屋から、苦しいくらいの暑さの炎天下との行き来によって起こります。そもそもストレスの要因は「変化」なので、大きな温度差による環境の変化は、過度なストレスの要因になります。外と中を行ったり来たりする仕事はもちろん、日常生活の中でもゴミ出し、買い物、犬の散歩など、一日に何度も繰り返すことで、影響を受けやすくなります。体温調節には自律神経が働くのですが、室内と外気温の寒暖差が激しくなると、体温調節を担う自律神経は変動による疲れから働きが低下してしまいます。身体への負担は、そのまま心への負担へとつながります。

また、冷たいものや水分をより多く口にすることも要因の1つです。

脱水にならないよう気を付ける必要はあり、水分補給は大切ですが、たくさんの水分でお腹が膨れて、食事が偏ると必要な栄養素が摂りにくくなります。そうすると、気持ちをコントロールするホルモンの一種「セロトニン」の合成に必要な、必須アミノ酸「トリプトファン」が足りなくなり、気持ちが落ち込みやすくなるのです。

では、どうしたらよいのでしょうか。

心の安定を図る食べ物

まずは、食べ物です。心の安定を図る「セロトニン」を充足させるために、トリプトファンを多く含むものを積極的に摂取しましょう。トリプトファンは、大豆製品や乳製品に多く含まれ、代表例としては、豆腐、納豆、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バナナ、アボカド、ナッツ、カツオなどがおすすめです。簡単メニューとしては、冷ややっこに鰹節をかけて食べる、枝豆、豆乳や牛乳を使用したバナナジュースなどでしょうか。また、コーヒーは、ブラックではなく豆乳ラテやカフェオレなどにすると無理なく摂取できます。自分が食べやすいものを選んでチョイスしてください。

次に、自律神経を整える深呼吸です。ただでさえ、PCやスマホを使う際、猫背になりがちで、肺を圧迫している姿勢で生活しています。肺が圧迫されて、浅い呼吸になると不安になりやすい傾向があります。気づいたときに深呼吸するようにしましょう。まずは、肩を外側に回して胸を広げます。そして、息を吸うよりも「息を吐く」ことを意識してください。呼吸が浅くなっている方は、たくさん吸おうとしても苦しいだけで、無理にやると最悪の場合、過呼吸になることがありますので注意が必要です。思い切り大きなため息をつく感じで息を吐き、自然に吸うことを繰り返します。慣れてくれば、思い切り息を吸えるようになりますので、焦らずにやりましょう。

身体が固まると、心も固まってしまうので、適宜動かすことも必要です。

とはいえ、急激な運動は大きな変化となりますので、グーパーするだけでOKです。末梢の血の巡りが良くなります。身体の過緊張をほぐすためには、涼しい室内で、ラジオ体操など慣れた動きを無理ない範囲で行うことも効果的です。

サングラスや帽子の着用で光の調整を

最後に、光の調整です。強い陽射しもストレス要因となります。室内では、直射日光が入らないようにレースのカーテンなどでソフトな遮光を心がけましょう。陽射しの強い時間帯には、レストランなどで窓際の席を選ばないことも有効です。そして、陽射しの下では、日傘の使用、サングラスや帽子の着用をお勧めします。日本では、まだまだサングラス着用は抵抗がある方も多いようですが、白内障などの予防にもなります。最近は色の薄いものや、調光レンズもあるので、気軽に試しやすくはなっていると思います。

それでも、不調になってしまったら、一旦休みましょう。何事も一人で抱え込まないことが大切です。頼れるところは頼る、手を抜くところは思い切って手を抜くなど、リセットのための時間を確保しましょう。

ただ、お休みには、動と静の休息が必要です。体調が悪いときは別ですが、横になって休むだけでは心身のリセットはできません。好きなこと、楽しいこと、気になることをしてみるという動の休息もうまく取り入れつつ、まだまだ続く暑い時期を乗り越えていただければ幸いです。

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提供元:急激な温度差によるストレス「夏うつ」に注意|東洋経済オンライン

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