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2024.08.22

「電車で化粧」に小さなストレスを感じる人の特徴|「何となく疲れる」人の背景にある"かくれ繊細"


「かくれ繊細さん」ゆえの疲れとは?(写真:primagefactory/PIXTA)

「かくれ繊細さん」ゆえの疲れとは?(写真:primagefactory/PIXTA)

小さな出来事にストレスを感じて、とても疲れやすいかくれ繊細さん(=HSS型HSP)。繊細で傷つきやすいHSP(Highly Sensitive Person)の側面を、外向性、社交性、積極性という別の側面(HSS=High Sensation Seeking)により表面化しないよう、カバーしています。

HSS型HSP専門心理カウンセラー・時田ひさ子さんの、かくれ繊細さんの疲れのとり方をお伝えする『かくれ繊細さんのめんどくさい疲れを手放す本』(清流出版)から一部をご紹介します。

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かくれ繊細さんは疲れやすい!

マイクロストレスという概念がクローズアップされ始めました。

マイクロストレスとはその名の通り「小さいストレス」のことで、道が渋滞しているとか、電車が混んでいるとか、メールの返信がなかなかこない、パソコンの起動が遅い、仕事の遅いチームメイトを助けたり終業間際に急ぎの仕事を頼まれたりした時などに感じるストレスを指します。

マイクロストレスの研究者(アメリカのバブソン大学准教授のロブ・クロスら)は、大半の人が当たり前ととらえることがストレスの要因となってしまう人たちがいると指摘しています。

“能力が高いながらも、なぜか燃え尽きているように見られる人が非常に多く見られた。しかし詳しく調べると、その原因がわかる。時間の経過とともに蓄積されたマイクロストレスだ。”(引用:ハーバード・ビジネス・レビュー、2020)

大きなストレスがあるわけではないにもかかわらず、じわじわと、意思決定が難しいと感じたり、モチベーションを上げにくいと感じるようになったり、生産性が下がったり、疲労感、孤立感が増したりして、体調を崩したりするのです。

日常には、マイクロなストレス要因がたくさんあります。たとえば、

・電車の座席で足を組んだり、化粧をしている人を見たとき

・店内の通路をふさぐ人に遭遇したとき

・重いマイバッグが腕に食い込むとき

・出入口ではち合わせした時、よけて待っていたのに当然のような態度で通過する人を見たとき

・シャツからはみ出す下着を見たとき

・気になるにおい

・寒すぎるとき、暑すぎるとき、湿度が高すぎるとき、風が強すぎるとき

・服のなにかが体に当たって気になるとき

・誰かが自分をチラッと見る目線

・自分のすぐ目の前を横切る暴走ぎみの自転車

・無表情な人

・レジで支払いをしたいだけなのに、決済方法の選択でまごつくとき

・買いたい商品の値段が想定よりも高いとき

など、ちょっと考えただけでもたくさん出てきます。

これらは、かくれ繊細さんから「これをストレスに感じている」と報告いただいたもので、一般の人から見るとかなりマイクロなストレスです。

大体「考えすぎ」「細かすぎ」ととらえられる刺激といえます。

かくれ繊細さんは、こうしたマイクロストレスからの刺激によって疲れを蓄積していきます。そのうえ、ある分野ですごく強い自信をもち、飛び抜けた力を発揮することができるのに、皆が耐えられるストレスに耐えられないため、自己否定に走ります。

小さなストレスの蓄積の上に自分へのダメ出しがドカンと乗ってくるので、疲れを解消できなくなり、すり減ってしまいやすいと考えられます。

1つひとつの小さな出来事が気になってしまう自分。その自分に対する「自己否定」が、かくれ繊細さんを疲れさせるのです。

かくれ繊細さん本人は、特に理想を高くもっているつもりはないと思いますが、「こうありたい」と一段も二段も高い理想をもつことも、疲れを生んでいると言えます。

普通は気にならないようなことで疲れる

かくれ繊細さんからいただいた「疲れる」に関する声からわかることとしては、皆さん、「かくれ繊細さんならではの疲れ方」をしているように見えます。

かくれ繊細さんの疲れ方の1つめの共通点は、「一般的には気にならないようなことが気になって仕方がなくて疲れる」ということです。

たとえば、前を歩いている人がゆっくりで、その人を追い越すときになんだか「悪いな」と感じてしまい、自分がややゆっくりになったりします。

追い越す瞬間に「え? 追い越した?」と驚かれるんじゃないかということが気になって、追い越すに追い越せなくなります。おそらく多くの人は、そのようなことは気にならないことなのでしょう。でも、かくれ繊細さんは気になってしまいます。

自分の中で丸く収めようとして疲れる

2つめの共通点としては、「どうしてそうなるのだろう?」と、因果関係に敏感であるということです。

たとえば、誰かが急に約束の日程を変更したいとメッセージしてきたとしましょう。あなたはすでに、その予定に向けて準備をしていたので、できれば変更してほしくありませんでした。

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そんなときでも、変更の申し出があれば、かくれ繊細さんは「きっとすごく重大な理由があるのだろう」「もしかしたら、ずっと言い出せなくて困っていたのかもしれない」「最初からスケジュールが合わせづらかったのかもしれない」「ならば、変更も致し方ないな」と考えます。

これは、相手が不快な申し出をしてきたにもかかわらず、相手に腹を立てるのではなく、代わりに因果関係を考慮して納得しようとしているといえます。

かくれ繊細さんは、このように「相手に悪気があってやっていることではないなら、文句なんか言っちゃいけない。気持ちよく協力しよう」と、自分の中で丸く収めようとしすぎて疲れてしまいます。

こんなふうに、「普通そんなことは考えもしないよ」ということにエネルギーを使います。

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提供元:「電車で化粧」に小さなストレスを感じる人の特徴|東洋経済オンライン

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