2024.08.11
設定とグッズ併用で"スマホ熱中症"を防ぐワザ|モバイルバッテリーで「使いながら充電」はNG!
人間だけでなく、スマホも酷暑には弱い。設定変更やアクセサリーの追加で、スマホ熱中症を防ぐようにしたい。写真はスマホの背面に貼る冷却シート(筆者撮影)
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猛暑が続く日本列島。今年は特に最高気温が高く、7月29日には全国6カ所で40度超えを記録した。高温は、スマホの大敵だ。一般的なスマホは、おおむね5度から35度の範囲での利用が推奨されている。Androidスマホも、タフネス性能を売りにした端末をのぞけば、ほぼこの範囲に収まっている。外気温だけで適正な温度を超えてしまっているというわけだ。
この状態でスマホを長時間利用すると、CPUやバッテリーに負荷がかかり、ダメージを与えてしまうことになりかねない。また、35度を超えていなくても、ディスプレーやCPU、GPUなどの処理でスマホは内部から発熱する。日陰など、ある程度涼しい場所に移動したとしても、使いすぎると結局は温度が上がってしまう。
Androidのスマホの中には、設定を変更することで、処理能力を下げるなどして、発熱を抑制できる端末がある。また、ほとんどの端末に搭載されるようになった急速充電も、熱を持ちやすい。こうした設定変更の仕方とともに、猛暑を乗り切るグッズも併用して“スマホ熱中症”を防ぐといいだろう。
パフォーマンスを抑えて発熱を減らす
スマホが熱くなりやすいときには、熱源になりやすい項目の設定を変更するといい。例えば、ディスプレーは明るくすると、そのぶん本体は熱を持ちやすい。CPU、GPUなどが処理をする際にも、熱が発生する。暑い屋外で使うような場合には、これを抑えるようにするといいだろう。
例えば、ディスプレーに関してはクイック設定パネルにあるスライダーを左右に動かすことで、明るさを調整できる。また、端末によっては、屋外で一時的に輝度を大きく上げる設定を用意しているものもある。Galaxyシリーズに搭載される「ビジョンブースター」がそれだ。
これによって、直射日光が当たった際の視認性は高くなるものの、逆に端末は熱くなってしまう。この機能は明るさの自動調整がオンになっていると有効になるため、オフにして画面を暗くするといいだろう。また、最近のスマホは多くが120Hzなどの高リフレッシュレートに対応しているが、これをオフにすることで画面の書き換え頻度を下げて熱を発生しにくくすることも可能だ。
設定を変更し、スマホのパフォーマンスをあえて落とすのも手だ。まとめて設定したいときには、省電力機能が役立つ。画像はGalaxy Z Fold6の省電力モード(筆者撮影)
Pixel 8の場合、「設定」の「ディスプレー」にある「スムーズディスプレー」をオフにすると、リフレッシュレートを60Hzに固定化できる。Galaxy Z Fold6の場合は、「設定」の「ディスプレー」から、「動きの滑らかさ」に進み、「標準」を選ぶと60Hzが有効になる。こうした設定は、バッテリーの節約にもなるため一石二鳥だ。
とはいえ、設定を1つひとつ変更していくのは少々手間がかかる。このようなときには、バッテリーを節約する機能を有効にするといいだろう。例えばPixel 8の「スーパー バッテリー セーバー」を使うと、必須に指定したアプリ以外を一時的に停止できるほか、処理能力を抑える。バッテリーの節約はもちろん、フルパワーで動くのを抑制できるということだ。
Galaxyの省電力モードは、オプションとしてユーザーがカスタマイズできる。「CPUの速度を70%に制限」や、「5GをOFF」といった熱に効く項目も用意されている。スマホが熱くなりすぎてしまったときには、こうした設定を試して様子を見ることをお勧めしたい。
“ながら充電はNG”、屋外での充電も控えよう
スマホの“ながら充電”はNG。充電しながらの利用はバッテリーを痛めやすく、熱も貯まりやすい。そのまま使うと、処理能力が落ちたり、動画撮影が止まってしまったりすることもある。バッテリーを気にせずアプリを使いたいときには、Xperiaの「HSパワーコントロール」やAQUOSの「ダイレクト給電」のように、充電せず、直接スマホに給電する機能を使うようにしたい。
“ながら充電”は熱が上がり、バッテリーにも悪影響。どうしても長時間使いたいときには、直接給電機能がオススメ。画像はAQUOSのダイレクト給電(筆者撮影)
また、Galaxyでも、「Game Booster」というゲームアプリをより快適に遊ぶための設定で、直接給電をオンにすることが可能だ。パフォーマンスを必要とするゲームを長時間動作させたいようなときに、活用したい設定だ。こうした機能を駆使すれば、ながら充電を避けつつ、バッテリーを気にせずにスマホを使うことができる。
同様に、充電はなるべく涼しい屋内でしたほうがいい。気をつけたいのが、モバイルバッテリーでの充電。屋外で使用中にバッテリーがなくなると、どうしても充電したくなってしまうが、気温の高い夏だと特に負荷が高くなる。バッテリーが減ってからモバイルバッテリーで充電しようとすると、“ながら充電”になりやすいのも注意点だ。
モバイルバッテリーで充電する場合は、移動中や休憩中など、ある程度気温が低いところに移動してからにするといい。バッテリーが切れそうになってからでは遅いので、計画的に充電するのが肝心だ。モバイルバッテリーの中には急速充電に対応したものもある。こうしたアイテムを活用し、隙間時間で必要な充電を済ませられるようにするといいだろう。
USB PD(Power Delivery)や、メーカー独自の急速充電機能を備えるスマホが増えている。中にはモトローラの「motorola edge 50 pro」のように、最大125Wで充電でき、バッテリーが空の状態から満タンになるまで20分もかからない機種もあるほどだ。Xiaomiの「Xiaomi 13T Pro」も、最大120Wでの超急速充電に対応する。
こうした充電方法は電圧、電流を上げて、一気にスマホに電力を流し込んでいるため、どうしても発熱しやすくなってしまう。充電完了直後に屋外に持ち出して使うと、そのままスマホ内部の温度が下がらず、動作に影響を与えることも。外出前に充電器から取り外し、すぐに外で使いたいようなケースでは、早めに充電を終えておくようにしたい。
また、機種によっては急速充電をオフにすることもできる。例えば、Galaxy Z Fold6の場合、「設定」の「バッテリー」で「充電設定」を選ぶと、「急速充電」と「急速ワイヤレス充電」のオン・オフを設定可能だ。外出までに充電が間に合わないと本末転倒になってしまうが、どうしても屋外で充電しなければならないときや、時間があるときなどは、必要に応じて、設定を変更してもいいだろう。
アクセサリーでスマホを冷やす!
40度を超えるような酷暑だと、設定変更だけで乗り切るのはなかなか難しい。それでも、屋外でスマホを長時間使いたいという場合には、アクセサリーを活用するといい。ただし、氷や保冷材など、スマホの温度を一気に下げてしまうようなものはNG。空気が一気に冷えると、内部が結露して故障の原因になるからだ。
徐々にスマホの温度を下げたいときには、モバイル扇風機などで風を当てるのが効果的。炎天下では効果が薄いが、ある程度風通しのいい場所であれば、スマホの放熱を早める効果はある。ケースにも熱がこもるため、暑いときには外して使うのも手だ。その観点で、着脱しやすいケースを選ぶのも重要になる。
また、最近では、スマホ用の冷却シートが販売されており、これも効果が高い。その1つが、スマホ用ケースでおなじみのTrinityが販売している「スマ冷え Premium」。今年は、面積が1.5倍大きいラージサイズも登場した。このアクセサリーは、スマホが発する熱を吸収するという仕組み。徐々に温度を下げていくため、結露などの心配もない。
冷却シートを貼っておくことで、スマホの温度を下げられる。Trinityのスマ冷え Premiumのラージサイズなら、8.2度も温度を下げられる(写真:Trinity)
同社によると、スマ冷え Premiumは、なにも使っていないときより最大で8.2度もスマホの温度を下げることが可能だという。薄型設計のため、ケースとスマホの内側に挟んでおけるのもうれしいポイント。マップを見ながら移動するなど、屋外でどうしてもスマホを使いたい人はもちろん、ゲームアプリを長時間楽しみたい人にもいいアクセサリーと言えそうだ。
また、モバイル扇風機に近いアイテムとして、スマホに直接装着するファンのようなアクセサリーも販売されている。Xperiaの「Gaming Gear Xperia Stream」がそれだ。元々はゲームを快適に遊ぶためのアクセサリーだが、スマホ熱中症対策にも使える。これは少々極端な例だが、スマホ用の冷却ファンもアクセサリーとして販売されている。
冷却シートとは異なり、ファンを背面に取りつけなければいけないため、万人向けとは言えないが、どうしても夏の暑い屋外で利用しなければならない場合には、こうしたアイテムを検討してみてもいいだろう。設定変更だけではどうにもならないようなときには、“ちょい足し”がおすすめだ。
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提供元:設定とグッズ併用で"スマホ熱中症"を防ぐワザ|東洋経済オンライン