2024.07.14
「このままだと死ぬ」糖尿病の50代が改心した結果|医師に激しく怒られ涙、やっと反省し生活改善
なかなか暴飲暴食生活を改められなかった筆者だったが、ようやく目標ができて……(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
若い頃から暴飲暴食を続け、なかなか生活習慣を改善できなかった絵本作家の塚本やすしさん。しかし50代になって、新しく担当になった医師から激しく怒られ一念発起。生活習慣を改善していくようになりました。その様子を見てみましょう(本記事は、塚本さんの著書『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』から一部を抜粋したものです)。
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4回シリーズでお届けしています。今回は4回目です。
1回目:暴飲暴食続けた彼が40代で直面した「散々な」現実 ※外部サイトに遷移します
2回目:「大好きなラーメンとお酒」やめられないナゼ ※外部サイトに遷移します
3回目:「やせたり太ったり」糖尿病の彼が苦しんだループ ※外部サイトに遷移します
「このままだと死んじゃうよ! 」
節制と暴飲暴食を繰り返し、やせたり太ったりを繰り返しながら、3カ月に1回、定期検査に通っていた。
そんなある日、定期検査で病院に行くと主治医がかわっている。検査票を見る先生が「なんだか偉そうだな」と思って見ていたら、いきなり怒り始めた。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
「おい! 真面目に節制をしないとダメじゃないか! このままだと死んじゃうよ。いつ脳卒中で倒れてもおかしくない数値だ!」
こんな勢いで怒られたのは小学生の頃にイタズラをし、先生に怒られたとき以来だ。久しぶりすぎてびっくりして目に涙がたまった。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
【画像】心を入れ替え減量に励んだ日々をイラストで(15枚) ※外部サイトに遷移します
思わず「わかりました。やってみます」とオドオド言うと「やってみますじゃないんだよ!やるんだよ!」とさらに怒られる。さすがに私も怒りがわくが、「そこまで言うならやるよ! やってやるよ!」と思った。
そして「はい。やります」と小さく弱い声で先生に返事をした。それと同時に「この先生を見返してやろう」と心の中で誓ったのだ。
それくらい怒られたインパクトがすごかった。この年になってあんな勢いで怒られるとは思わなかった。
これ以外で、あんな怒られ方をするのはケンカをしたときの妻だけである。
あの先生を見返してやる!
病院の主治医はよくかわるのだが、これほど怒られたことはなかった。
当時はその医者の偉そうな態度に怒りしか感じなかった。でも冷静になると、これまで繰り返してきた節制と暴飲暴食の日々を思い出し、反省もした。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
50代になって、簡単にやせられなくなってきた。体の不調も感じている。確かに、このまま同じような生活をしているとまずいことになりそうだ。
子どもはもう独立し、子育ては終わったが、孫のことなどまだまだ楽しみがある。元気なじいさんになるためには、ここでどうにかしないと……。
それに、あの偉そうな先生を見返してやりたい。その日から、私は生活を整えた。それまでの経験から、何をすればいいのかはわかっている。あれをまたやればいいんだ!
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
食事は和食。日中はウォーキングして水分をしっかり摂る。疲れたら昼寝する。夕方はサウナや銭湯に通って汗を流し、自宅に帰って晩酌をして寝る(晩酌か!と突っこまれるかもだが、これはやめられない)。
文字にすると簡単なのだが、続けるのは難しい。でも、「次の検査であの先生をあっと言わせたい」という気持ちがモチベーションになった。
三浦雄一郎さんを見習って
まず、ウォーキングを再開した。
50代だったが、冒険家・三浦雄一郎さんの『65歳から始める健康法』(致知出版社)を読む。さっそく、三浦雄一郎さんのまねをして、足に重りをつけて歩いた。片足5kgの重りをつけて歩くのだ。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
最初は、歩き方がわからず、動きがぎこちなくなって危なかった。ただし、これをつけて歩くと、短い距離でも効果があるそうだ。毎朝歩いた。毎日飽きるまで歩いた。こういうとき、犬を飼っていればと思ったこともある。犬の散歩は楽しそうだ。
重りをつけたまま電車に乗ったこともある。ホームに行く階段が、非常に疲れるし危険なのでエレベーターでホームまで行く。意味がない。
そういえば、飲みに行くときも重りをつけた。地に足がついている。やじろべえみたいだ。酔っていても倒れないので便利。でも、危ないからやらないほうがいいと思う。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
鉄アレイを使った自己流の筋トレも始めた。ダイエットに筋トレが有効なのは知っている。5kgの鉄アレイを上げ下げするだけだが筋肉はつく。ムキムキにする必要はない。
サウナスーツも買ってみた。パーマ用のエアキャップも買って、自宅でサウナ状態だ。とても暑い。汗がたくさん出るので、やせたような気がする。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
エアロバイクを購入して仕事場に置いた。20分もこげば汗がしたたり落ちてくる。ひたすらこぐが、つまらないしヒマだ。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
なので、パソコンで映画を見ながらこいだ。これでも退屈だが、こいだあとにシャワーを浴びると、とても気持ちがいい。そしてアイスコーヒーを飲む。最高の時間だ。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
ちなみに、現在、エアロバイクは洗濯物置き場になっている。鉄アレイやシックスパッドなど、ダイエットに使ったものは多い。それらも放置だ。ヨガポールだけは重宝している。
白澤卓二医師からのアドバイス(1)
筋肉をつけると血糖値の状態がよくなる
三浦雄一郎さんとは、お父さまの敬三さん、お子さんの豪太さんと三世代にわたりおつきあいがあります。主治医として三浦雄一郎さんのエベレスト登頂をバックアップしたことは、私にとっても貴重な経験になりました。
重りをつけてのウォーキングは、かなりハードなものですが、効率よく筋肉をつけられるので血糖値の改善にはかなり効果があります。
実は、筋肉の量と血糖値には深い関係があります。まず、ウォーキング(運動)することで血液中の糖が消費されます。さらに、重りをつけて負荷が高まるので筋肉量がアップします。
筋肉には血糖値を調整する役割があり、筋肉の量が増えると血糖コントロールが改善されることが明らかになっています。
逆に、筋肉の量が減ると血糖値は下がりにくくなります。血糖コントロールをよくするためには運動がとても重要な役割を担っています。(白澤卓二)
ストレッチも自己流だが始めた。
ヨガポールの上に乗ってゴロゴロしながら背筋を伸ばしたり首をぐりぐりしたり。これは気持ちがいい。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
信号待ちのときも、足首をぐるぐる回したり、腰をぐるぐる回したりして、常に体を動かしている。やりすぎて、シャドーボクシングをしてしまうときもある。
ちょっとでもやることが大事
その場でピョンピョンジャンプするのもおすすめだ。部屋で一人、踊るのだ。内臓を動かすイメージでやるといい。恥ずかしいかもしれないが、羞恥心は捨ててしまおう。自由に生きたほうがいいと思う。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
電車に乗っていても、軽く貧乏ゆすりをして体を動かす。これは隣の人に迷惑がかからないよう気をつけた。
縄跳びも有効だ。最初始めたときは1回も跳べなかった。それでも続けた。1週間ぐらいたって、ようやく5回くらい跳べるようになった。今では200回以上跳べる。
ジョギングも最初は10mぐらいで息が切れていた。正直、最初は3m走ったところで死ぬかと思った。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
でも、今では1㎞ぐらいは走れる。もちろん、猛ダッシュで走るのではない。スロージョギングといってゆっくり走るのである。
運動は、最初は少しでいい。できる回数から始めればいいと思う。やらないよりは絶対にマシなのだ。やらないであきらめるのはもったいない。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
腹筋も腕立て伏せも、最初は1回もできないかもしれない。でも半回でも1回でもいいからやろう。あきらめないことが大事なのである。継続していればできるようになるのだ。苦しいけど続けてみよう。
(出所:『イラスト日記 ゆるして!糖尿病』)
やがて少しではあるが、できるようになる。自信がついてくるのだ。
白澤卓二医師からのアドバイス(2)
運動も規則正しい生活も継続が大事 目標の立て方がとてもいい
ストレッチやジャンプ、縄跳び、ジョギング、腹筋、腕立て伏せなど、さまざまな運動を行っていてとてもすばらしいです。
信号待ちや電車に乗っている時間、部屋で仕事をしているときなど、こまめに体を動かしていることも◎です。
なんでもそうですが、継続することがとても大事。運動するためのまとまった時間をとることも大切ですが、塚本さんのようにすき間時間にこまめに体を動かすこともとてもいいと思います。
また、最初はできなくても、一回でもいいからやるという取り組み方もとてもいいです。
運動し慣れていないと、思うように体が動かせないことが多々あります。そこであきらめるのではなく、少しでもやって続けることがとても大切なのです。(白澤卓二)
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提供元:「このままだと死ぬ」糖尿病の50代が改心した結果|東洋経済オンライン