2024.06.27
インテリアになる「賢いキッチン家電」がある幸せ|暮らしの質が格段に上がる「デザインと機能性」
機能に優れているだけでなく、空間になじむインテリア性の高いコンパクトな「キッチン家電」が増えている(写真:日立グローバルライフソリューションズ提供)
近頃、おしゃれなキッチン家電が増えていると思いませんか。
ひと昔前の「デザイン家電」は、意匠は美しくても、機能面や使い勝手は後回しにされているものが多く、それを我慢して使うものといったイメージがありました。また、デザイン家電の多くが海外メーカー製で、国内メーカーの家電製品はコモディティ化して見た目も機能も似たり寄ったりの状況が続いていました。
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そうした中、国内メーカーとしてデザイン面で差別化を図ろうと先陣を切ったのが、2002年に登場したアマダナです。その後、デザイン性に定評のあるバルミューダが、トースターを皮切りにキッチン家電を次々に発表。国内の中小家電メーカーだけでなく大手家電メーカーも追随し、デザイン性に優れたキッチン家電が市場を賑わすようになったのです。
北欧のビンテージ家具を思わせる「機能派トースター」
では今、国内ではどのようなキッチン家電が旬なのでしょうか。
コロナ禍による「おうちごはん」の需要でホットプレートや電気鍋が人気を博しましたが、そんなテーブル家電がさらに進化し、昨年の秋にはバルミューダやシロカなどが次々に新しい切り口のアイテムを発表しました。
とくに注目したいのは、少人数世帯に向けたコンパクトサイズで機能面にも優れ、かつインテリア性が高いもの。暮らしの質と気分を上げてくれるキッチン家電が増えています。
例えば、レコルトの「スライドラックトースター」。北欧のビンテージ家具のようでもあり、昭和30年代のテレビを想起させるようでもある、レトロな脚付きのデザインが目を引きます。
【写真】レコルトの「スライドラックトースター」、コレスの「フリータイムケトル」、日立グローバルライフソリューションズの「Chiiil」などインテリア性の高いキッチン家電を紹介(12枚) ※外部サイトに遷移します
レコルトは、国内メーカーのウィナーズが「おひとり様家電」から出発し、今年15年目を迎えるキッチン家電ブランド。「今どきの暮らしにちょうどいい」をコンセプトとして掲げています。
レコルト「スライドラックトースター」1万6500円(税込み) カラー:ブラック、クリームホワイト(写真:レコルト提供)
このトースターの脚付きデザインは単に見た目のインパクトだけでなく、「目線」に焦点を当てて生まれたものだそうです。オーブントースターをキッチンカウンターや棚に置いたとき、どうしても低い位置に操作部や扉がくるため、焼き具合などを確認するのに腰をかがめがちですが、高さのあるこのトースターならスマートに目線を合わせられます。
同社オリジナルの「スライドラック」も便利。持ち手を握ってラックを引き出せるので、熱々の料理やトーストをテーブルでサーブすることが可能です。
持ち手を握って引き出せるので、料理の出し入れがスムーズ(写真:レコルト提供)
オプションで本体カラーと合わせたブレッドケースが用意されている点もすばらしく、普段は本体の足元にすっきり収まり、調理の前後にはスライドラックを置く場所としても重宝します。例えば、ピザトーストなどを作る場合などに、ここにラックを置いてソースを塗る、具材やチーズをのせるなどの作業ができるというわけですね。フタを返せばカッティングボードにもなるのだから、よく考えられています。
本体の足元にすっきり収まるブレッドケースは、3300円(税込み、別売り)(写真:レコルト提供)
機能面においても、満足度の高い実力派。上下4本の遠赤外線ヒーターの熱を、庫内に施したディンプル加工で反射拡散させて、ムラなく効率よく循環させます。マイコン制御による6つのモードがあり、トレンドのリベイク機能も搭載。トーストだけでなく、クロワッサンや総菜パンを見事に焼きたてのように仕上げてくれます。
トーストもリベイクも冷凍モードを備えるほか、予熱なしで使える180度と220度のオーブンモードもあり、お菓子作りや冷凍ピザを焼くときなどにも活躍します。
食パンを前後に並べられるスリムなデザインなので、置き場所を取らないのも普通のオーブントースターにはない利点。背面の扉が開く仕様になっていてお手入れがラクなのも魅力です。
ティータイムが待ち遠しくなる「美しい温調ケトル」
電気ケトルは、今や暮らしに欠かせないものとしてなじんでいるキッチン家電ですが、今のトレンドは、飲み物の種類や使用シーンに応じて温度が選べる“温調ケトル”と言えるでしょう。
中でも注目したいのが、大石アンドアソシエイツが展開するコーヒーツールブランド、コレスの「フリータイムケトル」。ブランド立ち上げ10周年を記念して発売された、力の入った一台です。
というのも同社は長年、イギリスのキッチン家電ブランド、ラッセルホブスのアイテムを日本で展開している企業。ラッセルホブスと言えば、日本向けのオリジナル商品としてつくった電気ケトルの銘品「カフェケトル」がよく知られています。実は今回、このカフェケトルを開発したチームが、フリータイムケトルを手掛けているのです。
コレス「フリータイムケトル」1万3200円(税込み)(写真:大石アンドアソシエイツ提供)
マットな素材の本体表面と、取っ手につながるラバー部分の異なる質感、丸みを帯びたフォルムが美しく、愛着の持てるデザイン。液晶で表示される温度表示部分が斜めに立ち上がっていて見やすく、温度調整は40度から100度まで1度単位で可能なうえ、ダイヤルを回してブッシュするだけで操作できるのも使い勝手として優れています。
保温機能をオンにしておけば設定温度で30分の保温もできるので、2煎目の緑茶をいれるときには1煎目の温度をベースにちょっと温度を上げるなど、自在に調整可能。コーヒーも豆の種類によって細かく温度調整することで極上の一杯が楽しめます。
1度単位で温度調整が可能なので、コーヒーはもちろん、紅茶、煎茶、ハーブティーなどさまざまなお茶を美味しくいれられる(写真:大石アンドアソシエイツ提供)
グースネックの注ぎ口は、湯量やスピードコントロールがしやすく、湯切れもよいので狙ったポイントを外さず注ぐことができ、コーヒードリップの腕が上がったように感じられるに違いありません。
容量は0.8リットルですが、フルで水を入れたときに片手では重く感じられる人のために手を添えられる取っ手が付いていたり、ハンドル上部に親指を引っかける窪みが設けられていたりするなど、細やかな配慮も行き届いています。
どの部屋にも溶け込む「家具のような冷蔵庫」
最近では、ライフスタイルの変化や冷凍食品の普及などに伴い「セカンド冷蔵庫」のニーズも高まっており、冷蔵庫は一家に複数台という時代になってきているのをご存じでしょうか。
暮らしに合わせて使いたい場所で2台目、3台目の冷蔵庫を――そんなスタイルをかなえてくれるのが、日立グローバルライフソリューションズが提案する冷蔵庫「Chiiil(チール)」です。
奥行42cmと薄型で、水平垂直を基調としたシンプルなフォルム。放熱機構を本体下部に設けているため壁にピタリと付けて設置できるだけでなく、物を置くのにちょうどいい75cmという絶妙な高さに設計されており、まさに「冷える家具」といった設えです。
日立グローバルライフソリューションズ「Chiiil」6万9600円(税込み)/ベーシックカラー:ホワイト、ノルディック、ダークグレー/カスタムカラー(受注生産品):グレージュ、トープ、グラファイト、オーク、モス、ブリック、ウェンジ 写真は、木の素材ともマッチするモス(左)、スタイリッシュなダークグレー(右)(写真:日立グローバルライフソリューションズ提供)
本体カラーは、ライフスタイルストア 「アクタス」とのコラボレーションによる、インテリアとの相性を考えた10色展開。トレンドでもあるニュアンスカラーを中心としたバリエーションのため、部屋の雰囲気に合わせて選べます。
ドア表面も落ち着いたマットな質感で仕上げているため空間に溶け込みやすく、コーディネートしやすいでしょう。また、左右に並べるだけでなく、上下に積んでも使える仕様になっているので、同色はもちろんバイカラーでインテリアのアクセントにするという手も。どこにどんなふうに置こうか楽しくなるデザインになっています。
ダイニングの食卓から手の届きやすいところに置いて、ドレッシングなどテーブルで使う調味料や牛乳などの飲み物を入れるのはもちろん、ベッドルームならミネラルウォーターや野菜ジュース、栄養ドリンクなどを入れたくなります。
リビングのソファーのそばに置いてお酒やアイスコーヒー、おつまみを入れておくのもいいですし、2つ並べればまるでバーカウンターのような趣にも。扉の向きを変えられるので、左右に並べた場合は観音開きにできます。
容積73リットルの庫内も一般的な冷蔵庫のような白ではなく、ダークグレーが採用されており、扉を開けるとLEDのやさしい明かりでほんのりと照らされた食品が美しく映えます。
家電とインテリアの境界線は曖昧に
2024年5月中旬には、このChiiilとカリモクの家具を融合させたコンセプト展覧会が「Karimoku Commons Tokyo」にて開催されました。こちらは商品化も目指すようで、今後の展開も楽しみです。
Chiiilとカリモクの家具を融合させたプロトタイプ(写真:日立グローバルライフソリューションズ提供)
ライフスタイルや好みの多様化を踏まえたキッチン家電が増え、それぞれの暮らしに合わせたセレクトができるようになったことは喜ばしいことだと思います。今後はさらに、家電とインテリアの境界線は曖昧になり、キッチン家電も多様化して、よりニッチなものやコンパクトなもの、美しいデザインのものが登場するに違いありません。
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提供元:インテリアになる「賢いキッチン家電」がある幸せ|東洋経済オンライン